しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
たまに地元に帰ると、街を歩いている人やバスに乗っている人たちに高齢者が増えたなぁと感じます。
ということは、他人ごとじゃないってことは、分かるよね。
総務省の調査によると、平成30年4月1日現在の総人口が、1億2,650万2千人。
そのうち65歳以上人口は、3,537万6千人ですので、総人口の28.0%を65歳以上の方が占めているということになります。
出典:「人口統計」総務省統計局 平成30年4月1日現在(確定値)より
だれもが分かっているとおり、日本は高齢化社会に突入しているワケですが、年を重ねても元気な方が増えてきている分、どこかで「介護なんてまだまだ先の話」って考えがちですよね。
でも、そのときは、ある日突然やってきます。
今まで元気だった場合には、よけいに、介護される側も介護する側も戸惑いが大きくなるはずです。
いったい、何をしたらいいのか、途方に暮れてしまう 😥
そんなことにならないように、早いうちから基礎知識くらいは頭に入れておきたいもの。
それでは、介護保険制度の概要や、困ったらどこに相談すればいいのかなどについて、一緒に見ていきましょう。
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介護保険の適用は、高齢者だけとは限らない。40歳から対象になることもあり得ます
40歳に達した日以降は、介護保険への加入が義務付けられています。
放っておいても、40歳に達したら、健康保険料に加えて介護保険料が徴収されるようになります。
保険料を集める方は、しっかりと仕組化されているんですよね 😉
介護保険料の徴収は、いつから始まり、いつまで続くもの?
ちょっとややこしいのですが、介護保険における40歳に達した日とは、40歳の誕生日の前日を指します。
誕生日が4月1日の場合(前日は3月31日)
→介護保険料は、3月分の給与から徴収開始
誕生日が4月2日の場合(前日は4月1日)
→介護保険料は、4月分の給与から徴収開始
誕生日が4月30日の場合(前日は4月29日)
→介護保険料は、4月分の給与から徴収開始
このように、誕生日によって、介護保険料の徴収開始月が微妙に違ってくるのは要チェックです。
何か手続きをすることもなく、上記のルールに基づき、自動的に徴収が始まります。
そんなわけで、特に会社員の方の場合は、介護保険料の支払いをあまり意識していないかもしれませんね。
ちなみに、介護保険料には、年齢の上限設定はありません。
40歳以降は一生支払い続けていくことになります。
支払う保険料の基準は、加入している健康保険によって異なります。
協会けんぽ(=主に、中小企業の会社員が加入する健康保険)の場合には、全国一律となっていて、平成30年度の個人負担率は、0.785%です。
65歳以上はどうなるのかというと・・・原則として、年金からの天引きで市区町村が徴収していきます。
介護保険には、年齢に応じて2つの区分がある
さて、このように、40歳以上になると介護保険の加入者に仲間入りをするのですが、年齢によって2つに区分されています。
40歳から64歳まで 第2号被保険者
65歳以上 第1号被保険者
介護保険の恩恵を受ける立場として、多くの方がイメージするのが、第1号保険者だと思います。
65歳以上の第1号被保険者は、原因を問わずに、要介護または要支援状態と認定されると、介護サービスが受けられます。
一方、40歳以上64歳までの第2号被保険者の場合でも、特定疾病によって、要介護または要支援状態になった場合には、介護サービスが受けられます。
特定疾病の選定基準の考え方は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
特定疾病として列挙されているものは、つぎの16項目です。
- がん【がん末期】(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病【パーキンソン病関連疾患】
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
もし、これらの疾病によって介護が必要になった場合は、65歳未満でも介護保険が受けられるということは、知っておきたいところです。
介護保険のサービスは、申請しないと受けることができません。
何も知らずにいると、本当なら受けられるサービスを利用する機会を失ってしまいます。
見直しも行われますし、全項目を暗記する必要はありません。
ですが、特定疾病なら若くても対象になるということだけは、今のうちに頭に入れておき、いざとなったら調べられるようにしておきましょう。
受けられる介護保険サービスも異なる、要介護や要支援の区分とは?
介護にまつわる用語は、日常生活では聞きなれないものが多数出てきます。
そのため、身近な問題なのに、非常に分かりにくい・・・という難点があります。
もし、介護に携わるようになったとき、市町村の窓口などで説明を受けた際に、よく分からない用語が出てきて混乱する可能性があります。
そんなときは、恥ずかしがらずに「分からない」とアピールし、納得いくまで説明してもらったり、自分なりに調べたりして理解していきましょう!
介護には、いくつかのレベルが設定されていて、そのレベルによって受けられるサービスが変わってきます。
要介護とか、要支援って言葉は聞いたことがあるかもしれませんね。
それが、どのような状態を表すのか、イメージをつかんでおきましょう。
要支援とは、介護を予防する段階のこと
まだ、介護の必要はないけれど、将来的に要介護状態になる可能性があるから、今のうちから支援をして予防に努めよう! という状態のことを、要支援と呼んでいます。
要支援には、2つのレベルが設定されています。
要支援1
食事・入浴・衣服の着脱・排泄・移動など、基本的な日常生活の動作のほとんどはご自身でできるが、介護予防のために何らかの支援が必要。
要支援2
身だしなみや掃除などの身の回りの動作能力は低下しているが、支援をすることで状態の維持や改善の可能性が高く、介護予防につながる可能性が高い。
この、要支援の認定を受けると、介護予防サービスを受けられるようになります。
要介護とは、今現在、介護サービスが必要な状態のこと
そのまんまの表現ではありますが、要介護とは、まさに今現在、介護サービスが必要な状態です。
要支援2と、要介護1の分かれ目としては、認知症の可能性が高かったり、半年以内に状況が大きく変わりそうな場合などですと、要介護になる可能性があがってきます。
要介護には、5つのレベルが設定されています。
要介護1
- 身だしなみや掃除などの身の回りの世話に、何らかの介助が必要。
- 歩行などに不安定さがあり、日常生活に部分的な介護が必要。
要介護2
- 身だしなみや掃除などの身の回りの世話の全般に、なんらかの介助が必要。
- 歩行などが不安定で、排せつや入浴などの一部または全部に介護が必要。
要介護3
- 身だしなみや掃除などの身の回りの世話が、自分一人ではできない。
- 歩行や排せつ、入浴、衣服の着脱などに、ほぼ全面的な介護が必要。
要介護4
- 日常生活全般において動作能力が低下していて、介護なしでの生活は困難。
要介護5
- 生活全般において介護が必要で、介護なしでは日常生活がほぼ不可能。
この、要介護の認定を受けると、訪問介護や訪問看護などの居宅サービスなどが受けられるようになります。
もしかしたら、介護が必要? まず最初にやるべきこととは。
あれっ、もしかして親の介護が必要になってしまった 😯
そんなとき、いったい誰に相談しますか?
介護をする側としては、いったい何をしたらいいのかが分かりませんよね。
介護保険のサービスは、申請をしなければ受けることができないですが、そのことすら分からないかもしれません。
身近に経験者がいなければ、ほぼお手上げの状態になりますね・・・
困ったら最初に相談するべきところとして、最寄りの地域包括支援センターがどこにあるかを調べておきましょう。
この、地域包括支援センターというものは、原則として市町村に1か所以上設置することになっています。
介護に関する総合的な相談や支援、介護予防のマネジメント、サービスの連携・調整などの業務を行っています。
社会福祉士・保健師・主任ケアマネージャーなどの専門職が配置されている、介護に関する「なんでも相談窓口」なんです。
何か不安なことが出てきたら、一番に相談に行く場所として、覚えておいてくださいね。
相談をするのは、介護を受ける人が住んでいる場所の包括支援センターです。
介護をする人が離れて暮らしている場合は注意してくださいね。
相談自体は、無料でできます。
ただし、そこで紹介されたサービスを利用する場合には、一定の費用がかかる場合もあります。
介護保険のサービスを受けたい場合には、市区町村の相談窓口で手続きをします。
申請窓口の名称は、その市区町村によって異なりますので、事前に調べておくと、いざという時に慌てずにすみますね。
(地域包括支援センターで代行してくれる場合もあります。)
一般的に、介護保険の申請に必要なものは、つぎの4点です。
- 要介護(要支援)認定申請書-市区町村により異なる
- 介護保険被保険者証-65歳以上の場合。40歳から64歳までの場合には、健康保険被保険者証
- マイナンバーが確認できる書類
- 身分証明書
申請後は、訪問調査等の手続きを経て、介護レベルの認定が行われます。
まとめ-介護する人、される人。お互いのためにも、介護保険については最低限の事前知識を持っておこう
だれでも、親が老いていく姿のことは考えたくないですし、一生元気でいるような幻想を持ちたくもなるものですよね。
でも、どんなに元気な人でも、いつかは弱ってしまう時が来る。
そのときに、家族共倒れにならないためにも、いったい何をすべきかということを知っておくことは大事です。
介護は終わりの時期が分からないですし、お金のことや介護者の生活といった、現実的な問題もつきまとうものです。
そのときが来てからだと、丁寧に調べる余裕もなくなるかもしれません。
あのとき、こうしておけば・・・という後悔を少しでも減らすためにも、早いうちから介護にまつわる基礎知識は持っておきたいものです。
それが、介護する側、される側、両方のためになりますので。