所得税と住民税の特徴を知っておくと、配当金の税額を下げられる!

配当金

 

こんにちは、Misaki(@fpmisaki2)です。

 

2月になると、確定申告の時期がやってきますね。

Tsubasa
あー、めんどくさい。

税金が戻ってくるからやるけれど、確定申告するのは苦痛だよね~

Misaki
気持ちはわかるけど、知らないところで知らないうちに税金が引かれているよりも、自分で仕組みを理解しておくといいこともあるのよ!

会社員の場合には、基本的には勤め先が源泉徴収をして、納めるべき税金の計算をしてくれます。

年末調整のときに書類を書いたり、裏付けとなる書類を出しますが、自分で確定申告をするよりは、とっても楽ですね。

ですが、楽な分、税金の仕組みについて知る機会が失われるというデメリットもあります。

 

自分で税金の仕組みを知っていれば、より有利な組み合わせで申告することもできるようになり、結果として「自分が自由に使えるお金」を増やすことができるようになっていきます。

 

今回は、その1つの例として、株式の配当金をもらった場合の申告方法について、組み合わせを変えるパターンをご紹介してみます。

 

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配当金の申告方法は、複数パターンから選択できる!

預金の利率が低下したことや、株主優待・配当金狙いなどにより、頻繁なトレードで儲けよう!ということではなく、株式を保有する方も増えてきていますよね。

せっかくなら、株主ライフを楽しみつつ、かしこい税制の選択方法についても知っておきたいところです。

 

実は選択肢が多い、株式の税制。

どんなパターンがあるのかと、その特徴を見ていきましょう。

 

特定口座(源泉あり)にしておけば、一番ラクな「申告不要制度」が適用される

特定口座(源泉あり)にしておけば、証券会社が税金の計算をして代理納税をしてくれますので、確定申告をする必要がありません。

この方法を、申告不要制度と呼んでいます。

 

申告不要制度の場合には、

所得税 15.315%(復興所得税を含む)
住民税 5%
合計 20.315% の税率となります。

本当に税金って高いよね~と思うかもしれませんが、税率20.315%なら、税金の世界では低めの税率です。

所得が高い方ほど、大きな差を感じることでしょう。

 

そして・・・

さらっと紹介した所得税と住民税の税率内訳が、今後大事なポイントになります

かるーく頭に入れておいてくださいね。

 

特定口座(源泉あり)にした場合でも、損失がでたら「申告分離課税」を検討しよう!

申告不要制度が適用されている場合、なんにもせずに放置しておいても問題はない・・・のですが、状況によっては、手間をかけてでも確定申告をした方がお得なパターンがあります。

例えば、複数の証券会社で株式や投資信託を持っていて、どこかの口座で譲渡損失が出ている場合です。

 

基本的に、同じ証券会社の中では、上場株式や株式投資信託の損失が出ている場合、配当金の損益が通算される仕組みになっています。

Check配当金の損益が通算されるようにするためには、配当金受領方式を、「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。

不安な方は証券会社の口座で、設定を確認してみましょう!

 

SBI証券の場合
「口座管理」→「お客さま情報 設定・変更」→「お取引関連・口座情報」→「配当金受領サービス」

 

楽天証券の場合
「設定・変更」→「申込が必要なお取引・各商品に関する設定」→「国内株式配当金受取方法」→「国内株式配当金受取方法」

ですが、2つの証券会社を利用していて、

A証券会社 譲渡益 50万円
B証券会社 譲渡損 20万円、配当 5万円

というようなケースの場合はどうでしょうか?

 

何もしなければ、A証券会社の分は、50万円の利益が出ているものとして税額が計算されます。

 

確定申告をすることで、譲渡益50万円-譲渡損20万円+配当5万円=所得35万円 として再計算され、払いすぎた税金を還付してもらうことができます。

この方法を申告分離課税と呼んでいます。

 

Misaki
損失が大きくて、損益通算をしてもマイナスのままとなる場合、確定申告をすることで、損失を最大3年間繰り越すことが可能です。

 

未来の利益と相殺することができるということですね!

 

どこかの口座で「損失」が出たら、確定申告をするかどうか考えるといいでしょう。

 

配当金の場合には、総合課税の「配当控除」も選択が可能

Tsubasa

なるほどねぇ。

でも、損失は出ていないし、特にやることはないかなー

Misaki

配当金をもらっている場合には、別の選択肢もあるのよ。

確定申告だけでなく、もうひと手間増える可能性があるけどね。

 

譲渡損失が発生しておらず、株式の配当金をもらった場合には、次の3パターンから選択をすることが可能です。

1)申告不要制度のまま、何もしない

おさらいになりますが、
所得税 15.315%(復興所得税を含む)
住民税 5%
合計 20.315% の税率となります。

 

2)総合課税を選択し、全て「配当控除」を受ける

給与所得などと同じように、所得税の計算をする方法です。

ただし、配当控除として、所得税は配当所得の10%、住民税は配当所得の2.8%が控除されます。

注)課税総所得金額等が1,000万円を超える場合には、超える部分の配当控除は所得税は配当所得の5%、住民税は配当所得の1.4%となります。

 

この方法の場合、所得に応じて税率が異なるため、実質負担が何%になるのかを計算してみる必要があります。

所得税率が20%の方の場合ですと、

所得税率20%-配当控除10%+復興所得税=実質負担 10.21%
住民税率10%-配当控除2.8%=実質負担 7.2%

合計17.41%となりますので、申告不要制度の20.315%より、2.905%税率が下がります。

 

所得税は、累進課税と言って、所得が上がれば上がるほど税率が上がる仕組みになっています。

もともとの税率が高い方は、余計なことをせずに、申告不要制度のままにしておいた方がお得です。

 

課税所得が900万円以下(=所得税率が23%以下)の場合には、単純に配当金の税率だけで比較すると、配当控除を選んだ方がお得になります。

Misaki
ただ、所得が増えることにより、他の部分で不利益になることもありますので、選択は慎重にする必要がありますよ~

 

3)所得税は、総合課税の「配当控除」を受けて、住民税は「申告不要制度」を選択する

見落とされがちなポイントなのですが、所得税と住民税は全く別物です。

 

所得税の計算のために提出した「年末調整」や「確定申告」の情報が、お住まいの市区町村に流れて行って、その情報をもとに計算されているだけなので、内容によっては、所得税と住民税で税金の方式を変更することも可能です。

それでは、所得税率20%の方が、所得税=配当控除、住民税=申告不要のハイブリッド方式を選ぶとどうなるでしょうか?

配当控除:所得税率20%-配当控除10%+復興所得税=実質負担 10.21%
申告不要:住民税率5%=実質負担 5%

合計 15.21%となりますので、申告不要制度の20.315%より、5.105%も税率が下がります。

だいぶお得度が高くなってきましたね!

Tsubasa
でもさぁ、確定申告書に住民税のことを書く欄が見つからないよ。

いったいどうやってハイブリッド型にするわけ?

Misaki
住民税は申告不要にしてね!という書類を、お住いの市区町村に別途提出することになります。

なので、ひと手間増えちゃうの。

 

必要書類や提出方法は、自治体ごとに異なりますので、お住いの市区町村のホームページ等で調べる必要があります。

 

配当 住民税 異なる ○○市 とかで検索すれば、ヒットすると思います!

 

例えば、東京都練馬区の公式サイトを見てみると、

申告が不要な株式等の譲渡所得等・配当所得等

こちらにあるように、「特定配当等・特定株式等譲渡所得金額申告書」という簡単な書類を出せばいいようになっています。

 

東京都世田谷区の場合は、

上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等における所得税と異なる課税方式の選択について

一般的な「特別区民税・都民税申告書」の所定の個所に記入して、提出することとなります。

一見すると複雑そうに見えますが、記入すべき場所の説明が書かれていますので、それに従って記入すればOKです。

 

いろんなパターンを紹介してきましたが、ざっくりと申告不要制度・申告分離課税・総合課税(配当控除)の特徴をまとめてみます。

  申告不要制度 申告分離課税 総合課税(配当控除)
確定申告
所得税率 15.315% 15.315%

課税所得900万円以下:

5.105~23.483%

上記以上:

33.693~45.945%

住民税率 5% 5% 10%
配当控除 ×

所得税▲10%

住民税▲2.8%

所得が1,000万円以下の場合

所得税の

実質税率

15.315% 15.315%

有利:0~13.273%

不利:23.483~40.84%

住民税の

実質税率

5% 5% 7.2%
譲渡損失との
損益通算
×
その他の所得との
損益通算
×

 

課税方法を選択するときは、他の影響についても考えてから決めよう!

Tsubasa
よっしゃー

税金下げたいから、確定申告するぞ~

Misaki
行動力は素晴らしいんだけど、ちょっと注意点が。

確定申告をすることで、配当金などが「所得」に加算されることのデメリットも知っておかないとね。

申告不要制度の場合には、給与などの所得とは別の世界のお金として、完全に分離されて計算されます。

ですが、損益通算のために「申告分離課税」や「総合課税(配当控除)」を選んだ場合には、株式部分の所得も、国民健康保険料の掛金算定対象となる所得などに含まれますので、ご自身の状況によっては注意が必要です。

 

国民健康保険料のほかにも、認可保育園や認定こども園などの保育料、配偶者控除や扶養控除など、所得に応じて判定されるものに関しては、影響範囲を確認してから活用することが大事です。

本来なら配偶者控除の対象になるはずだったのに、株式の配当所得が38万円を超えてしまったことで、対象外になってしまう・・・なんていうことにもなりかねません。

 

会社勤めの方で、もともと一定額の所得がある方の場合には、確定申告を上手に活用した方がお得なことが多いです。

 

また、所得税は「総合課税(配当控除)」、住民税は「申告不要」というハイブリッド方式を選択した場合、住民税の所得には、配当金は算入されないという特徴があります。

そのため、住民税が算定の基礎となっているものには影響を与えないワケですね。

この方法だと、国民健康保険料や保育料のアップは防止できます。

 

その代わり、配当控除を選んでしまうと、損益通算を行うことができなくなりますので、損失が出ている場合には、申告分離課税を選んだ場合とよくよく比較してから、自分に最適な方法を選ぶ必要が出てきます。

 

まとめ-ちょっと複雑な税金の世界。だからこそ、知っていることで得することができる

税金の制度は、とっても複雑ですよね。

正直なところ、考えるのはめんどくさいなーと思ってしまいます。

 

でも、少し知識があれば、ほんのひと手間かけることでお得になることがあるのも事実です。

残念ながら、税金を払いすぎていた場合には、だれも指摘はしてくれません。

気が付いた人だけが、有利な方法を選ぶことができるというのが現実なんですね。

 

そういう意味でも、まずは、いろいろな方法があることを知るところから始めてみましょう!

そのうえで、手間暇と得られるメリットを天秤にかけて、意味があると感じたら、上手に確定申告を活用していきたいですね。

 

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FP-Misaki
はじめまして、FP-Misakiです。

「お金のことを知ることが、実は最強の投資術。」

ふつうの会社員だった私が、生命保険の値上がり宣告をきっかけにFPの資格を取って、たどり着いた結論です。

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