今日は、2022年3月11日ですね。
ちょうど11年前の2011年3月11日午後2時46分。
多くの日本人の心に深い傷跡を残している「東日本大震災」がおこりました。
10年という時の流れを受けてか、個人的には、東北魂TVが終わってしまったのが残念でした。
サンドウィッチマンと所属事務所が行っている、東北魂義援金は引き続き行われています。
2022年の贈呈式の様子は、こちら!
こうやって、支援の報告が見られると、安心して寄付ができますね。
残念ながら、私たちは自然の猛威の前には無力です。
地震の発生を止めることはできませんので、いつ大地震が来ても対応できるように、平時からきちんと備えておくことは大切です。
かといって、いつも緊張感を持って・・・というのも疲れてしまいます。
少し肩の力を抜きながら、くらしに紐づいた防災情報が見られると良いなと思います。
読売新聞社が作成している防災メディア くらしのなかに防災ニッポン
こちらはご存じでしょうか?
- 停電、断水に役立つもの8選
- 100円ショップで防災グッズをそろえてみた
- 味で勝負の防災食品
などなど、生活に役立てやすい防災情報が載っていて、気軽に読むことができますので、チェックしてみてくださいね。
さて、毎年3月11日には、東日本大震災のことを思い起こしながら、災害とお金にまつわるブログを書かせていただいています。
今回は、知っているようで知らない、復興特別税について、深掘りしてみようと思います。
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復興特別税が設立された背景と、その種類とは?
東北地方を中心に、甚大な被害をもたらした東日本大震災。
その影響はあまりにも大きかったですね。
死者・行方不明者: 2万2,193人(関連死含む)
住宅全壊: 12万1,996棟
避難者: 最大47万人
加えて、東京電力福島第一原子力発電所では、世界最悪レベルの事故が発生しました。
この原発事故からの復興費も大きな負担としてのしかかってきています。
そんなこんなで、令和2年度までの復興予算は、合計で32兆円。
これだけの規模の復興を進めて行くためには、地方自治体の予算のみで復興の財源確保をすることは困難だろう・・・ということが、2011年時点より認識されていました。
そのため、広く国民全体で長期的に税負担していく必要があるだろう!ということになり、
国税では、
- 復興特別法人税の新設
- 復興特別所得税の新設
地方税では、
- 個人住民税の均等割の増額
この3つが行われたのです。
要は、被災をした地域だけではなく、みんなで少しずつ、時間をかけて負担をしていきましょう!という判断があったということですね。
先ほどご紹介した、の32兆円の財源は、ざっくりとこのようになっています。
※引用:NHK データで見る復興予算
約4割が、復興特別税でカバーされています。
重要な財源となっているのが分かりますね。
この復興特別税って、いったいどれくらい支払っているのか、ご存じでしょうか?
復興特別税の対象者と期間
これまでの話をまとめると、復興特別税は、
- 復興特別法人税
- 復興特別所得税
- 復興特別住民税
この3種類に分かれています。
しかし、このうちの復興特別法人税は2012年から2014年までで終了しています。
もともと、2015年までの予定でしたが、2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられたことを受けて、終了が1年前倒しされたという背景があります。
なんで法人だけ早めに終わるのさ。
でも、復興法人税の廃止で浮いた金額を、従業員の賃上げに回すよう推進するということで、押し切った感じかな。。。
そんなこんなで、今、復興特別税を支払っているのは、所得税&住民税という、まさに私たちの生活に密接に関わる税金たちなのです。
復興特別所得税って、どんなもの?
実施期間:2013年から2037年(25年間)
対象者:所得税を納めるすべての人
税額:本来の所得税額×2.1%
所得税を納める全ての人が対象・・・とだけ言われても、ピンと来ないかもしれませんね。
例えば、会社から給与が支払われる際には、所得税が差し引かれてから振り込まれますね。
2013年以降は、従来の所得税と一緒に、復興特別所得税も源泉徴収されているということです。
しかも1年ごとの金額ではそこまで大きくないから、余計に気が付きにくいんだよね。
仮に、年間の所得税額が16万円の方であれば、
16万円×2.1%=3,360円/年が上乗せされているワケです。
年間で3,000円程度なら、まあ目立たないのですが、
これが25年間続くと、3,360円×25年=84,000円の税負担ということになりますね。
ここまで計算すると、だいぶ印象が変わってきませんでしょうか?
一見地味ですが、じわじわと影響を及ぼしてくるということが見えてきますね。
これはあくまでも、給与所得の事例です。
所得税がかかる収入は、他にもたくさんあります。
- 退職手当
- 利子等及び配当等
- 公的年金
- 報酬、料金等
- 事業所得
これらについても、同じように本来の所得税×2.1%分の復興特別所得税が上乗せされていきます。
所得税は、高所得者ほど負担が上がる仕組みになっています。
その重い負担に対して、さらに2.1%の上乗せということで、長期的にみるとなかなか苦しいところです。
復興特別住民税って、どんなもの?
実施期間:2014年から2023年(10年間)
対象者:住民税を納めるすべての人
税額:道府県民税の均等割 1,000円→1,500円
市町村民税の均等割 3,000円→3,500円
10年って長いよー
住民税は、だれもが一律で負担する「均等割」と、所得に応じて負担する「所得割」の2種類で構成されています。
そのうち、「均等割」の方が、一律で上乗せになっているのがポイントです。
都道府県分が、500円アップ。市区町村分が、500円アップ。
合計で、1,000円アップです。
金額が一律ということは、所得が低い方の方が、負担割合としては重いということになりますね。
そして、これが10年間続くと、1,000円×10年=10,000円の税負担ということになります。
先ほど、所得税額が16万円の方の復興特別所得税は、25年で84,000円でした。
これに住民税を合計すると、合計で94,000円の税負担ということです。
「ちりも積もれば山となる」とは、まさにこのことですね。
一見小さな支出でも、時間が長くなる時は要注意ということです!
復興特別税の使い道とこれから
地味だけど、みんながそれなりに負担していることが見えてきた復興特別税。
それなら、いったいどのように使われているのか・・・中身を知りたくなってきませんか?
復興特別税を含む、復興予算32兆円の主な使い道は、
- 住宅再建や防波堤・道路などの整備 13.3兆円
- 被災した自治体への交付 5.9兆円
- 産業や生業の再生 4.4兆円
- 被災者支援 2.3兆円
- 原発事故からの復興 2.3兆円
- その他 3.8兆円
となっています。
被災者支援と原発事故からの復興が、同額なんですね・・・
原発事故からの復興には、莫大な費用がかかるということが感じられるのではないでしょうか。
しかも、復興予算の中で計上されている原発関連の費用は、ほんの一部。
別枠で、21.5兆円がかかる試算となっているんです。
余談ですが、この費用の一部は、私たちが支払う電気料金に上乗せされる形で負担しています。
いろんなところで、知らないうちに負担が増えているのですね・・・
話を戻します!
実は、当初の復興期間としては、10年間が想定されていました。
ところが、復興は道半ばということで、復興期間が延長されています。
復興予算は、今後5年間で1.6兆円が見込まれています。
そのうちの1.1兆円は、福島県への移住の促進やロボット、エネルギーなど新たな産業創出を目指すものとなっています。
まずは直近のところで、住民税がどうなるかは、注目しておきたい所だね。
まとめ-税金に目を向ける機会としてみよう
大震災と税金の負担。
復興のためにはお金が必要だから、不足を補うために税負担が増える。
冷静に考えればつながる話ですが、自分の生活に大きな影響を及ぼすまでは、イメージができないかもしれませんね。
今は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、たくさんの補助金や給付金が使われています。
もしかしたら、この分も、将来特別税として上乗せされていくかもしれません。
会社員の場合は特にそうなのですが、、勝手にお給料から税金が天引きされる分、どうしても税金への関心が薄れがちです。
知らないうちに増税されていて、なんだかよく割らないけれど生活が苦しいぞ?
なんてことになると、気が付けばゆでガエル状態になってしまうかもしれません。
この機会に、復興所得税をきっかけとして、税金のしくみに興味を持っていただけたら嬉しいです。
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