しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
ふるさと納税は、今やすっかり広がりを見せていて、やったことはなくても名前は聞いたことがあるという方は多いと思います。
何よりも、ネットショッピング感覚で寄付ができるポータルサイトが豊富なのは大きいですし、おいしいお肉やお魚がもらえるという、身近な感じも受け入れられやすいポイントなのだと思います。
7月9日に、総務省が「ふるさと納税に関する現況調査まとめ」を発表したのですが、平成29年度の実績は、約3,653億円(対前年度比:約1.28倍)となっており、ぐんぐん増えているのが分かります。
ちなみに、その調査の中では、ふるさと納税の受入額ベスト20も発表されています。
そういう目的ではないでしょうが、ある意味人気の自治体ベスト20とも言えますので、試しにどんな返礼品があるか見てみるのも面白いです。
参考までに、リストアップしておきますね。
- 大阪府泉佐野市
- 宮崎県都農町
- 宮崎県都城市
- 佐賀県みやき町
- 佐賀県上峰町
- 和歌山県湯浅町
- 佐賀県唐津市
- 北海道根室市
- 高知県奈半利町
- 静岡県藤枝市
- 大分県国東市
- 鹿児島県志布志市
- 北海道森町
- 山形県天童市
- 静岡県小山町
- 静岡県焼津市
- 佐賀県嬉野市
- 宮崎県高鍋町
- 岐阜県池田町
- 長野県小谷村
私も寄付した自治体がいくつか入っています。ポータルサイトでは、自治体名での検索もできますので、気になる方はチェックして見てください。
さて、本題はここからです。
税金がからむお得な制度は、ちょっとややこしい条件があることが多いです。
ふるさと納税は、比較的シンプルなのですが、それでも油断すると落とし穴があります。
これだけ広まってくると、この落とし穴を知らずに失敗してしまう方も増えてきます。
せっかくお得で、活用したい制度だからこそ、失敗しないために注意しておくべきことをピックアップしておきます。
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ワンストップ特例の失敗例
ワンストップ特例を使うつもりが、気が付いたら6自治体以上に寄付していた
確定申告が嫌だから、楽なワンストップ納税で! と思っていたものの、うっかりして6つ以上の自治体に寄付をしてしまうという、初歩的ですがありがちな失敗です。
恐ろしいのは、この失敗をしてしまうと、ふるさと納税が無効になってしまうこと。
つまり、確定申告をしなければ、全滅します!
ワンストップ特例のつもりで安心して放置しておくと、1円も戻ってきません 😯
寄付先の管理は、気を付けて行ってくださいね。
医療費控除の確定申告をして、ふるさと納税分を放置した
これは逆のパターンですが、ワンストップ納税の範囲内となるように、きちんと5自治体で納めた方が、医療費控除を受けるなどの理由で、確定申告をした場合です。
この時には、5自治体以内であっても、ちゃんとふるさと納税分も確定申告をしてください!
確定申告を行った時点で、ワンストップ特例は消え去ります。
なので、確定申告の中に、ちゃんとふるさと納税分も入れておいてあげないと、1円も戻ってこなくなります。
寄付者に関する失敗例
自分のクレジットカードを使わなかった
よく、税金の世界では、「生計を一にする」場合には、合算して控除を受けられるというパターンがあります。
こちらを知っている方の場合、自分以外(夫や妻名義)のクレジットカードを使ってしまう失敗をしがちです。
ふるさと納税の場合、寄付者名=納税者名 でなければなりません。
夫の枠を使ってふるさと納税をしたければ、必ず夫名義のクレジットカード払いを使いましょう。
ちなみに、家族カードの場合、最終的な支払者ではなく、カードの名義者となります。
妻が家族カードを持っている場合、カードの名義は妻、引き落とし明細は夫、となりますが、この場合には妻の寄付として取り扱われます。
要は、寄付金受領証明書が誰の名前になるかがポイントです。
間違えないように注意しましょうね。
専業主婦(夫)なのに、ふるさと納税をしてしまった
ふるさと納税は、正確には寄附金控除という、所得税や住民税の控除です。
税金を払っていなければ、引き算する対象の所得がないので、ただの寄付になってしまいます。
先ほどのクレカの名義ともつながってきますので、しっかり注意点したいポイントです。
専業主婦(夫)の方が、ふるさと納税の手続きをする場合には、必ず配偶者(=納税者)名義のクレジットカードを使いましょう。
産休・育休中に、いつもの感覚でふるさと納税をしちゃった
産休や育休中には、健康保険や雇用保険から給付金がもらえますよね。
つい収入と勘違いしがちですが、出産手当金・出産育児一時金・育児休業給付金などは非課税所得、つまり税金がかかりません。
しつこいようですが、ふるさと納税は税金を払っている人の税金が控除される制度です。
非課税の所得は、ふるさと納税の控除計算対象とはなりません。
産休・育休中の場合には、よくよく計算しないと上限額を超えてしまうので注意が必要です。
他の税金との兼ね合いでの失敗例
高額商品をもらった結果、別の税金を取られた
高所得者の場合、思い切って大きな金額を寄付して、パソコンなどの高額商品をGETしよう! という作戦を取られているかもしれませんね。
実は、税金の世界には「一時所得」という種類の所得があります。
懸賞の賞金や福引の当選金、競馬や競輪の払戻金、生命保険や損害保険の一時金などが当てはまるのですが、ふるさと納税でもらった返礼品もこれに該当します。
年間で50万円を超える一時所得があると、超えた分に対して所得税と住民税が課税されます。
一時所得額=一時金の総収入額-収入を得るための経費-特別控除額(最大50万円)
ふるさと納税の返礼品だけでは、なかなか超えないかもしれませんが、同じ年に生命保険の満期返戻金があったりすると、合算で50万円を超える可能性が出てきますので、ご注意ください。
住宅ローン控除を受けているのに、考えずにふるさと納税をしちゃった
住宅ローン控除とふるさと納税を併用すること自体は可能です。
ただ、住宅ローン控除で所得税や住民税がすでに引かれている場合、ふるさと納税分の控除をする対象がなくなってしまう危険性があります。
住宅ローン控除後の税額がどれくらいになるのか、ちゃんと確認してからふるさと納税の金額を決める必要がありますので、注意してくださいね。
上限額に関する失敗例
確定拠出年金や生命保険など、他の所得控除を考慮しないで上限額を計算していた
確定拠出年金(iDeCoやDC)をやっている方の場合、その掛金分が所得から控除されて税金が計算されますよね。
なのに、それを考慮せず、単純に給与収入から上限額を計算していると、上限額を多く見積もりすぎて失敗してしまいます。
なるべく、細かい条件でシミュレーションができるツールを使って、上限額のシミュレーションを行いましょう。
ふるさとチョイスの「詳細シミュレーション」は、細かい条件が入れられます。
年収が下がったのに、下がる前の感覚で寄付してしまった
見落としがちですが、1年間の収入総額が決まるのは、12月の最後のお給料をもらった段階です。
そう、きちんと詳細シミュレーションをして、上限額を決めていたとしても、前年度の収入をベースにして見込みの上限額を計算しているだけなのです。
一般的には、給与所得者の場合、大きく収入が下がったりすることはないはずですが、ボーナスが激減したとか、業績不振で給与が下がっちゃったとか、そんなリスクは十分にあります。
危ない兆候を感じたら、少し納税のペースを落としながら様子を見た方が安心です。
限界税率のマジックを知らなかった
これはちょっとわかりにくいんですけど、所得税は「超過累進税率」と言って、所得が上がれば税率が上がる仕組みになっています。
どこかで線引きしなければいけないので、ある金額を超えると、税率が10% → 20% という感じで、段階的に上がっていきます。
ふるさと納税分を引いたとしても、同じ税率の範囲内に納まるようであれば、何も問題はありません。
ですが、単純に引き算すると、1つ下の税率に下がるという場合には、話が変わります。
その税率の下限までしか、寄付金控除が受けられないのです。
例えば、ふるさと納税を無視した課税所得額が196万円の方の場合、
195万円を超え、330万円以下 というジャンルに該当し、税率は10%です。
この方が、ふるさと納税を3万円していたとしましょう。
もし、3万円をまるまる控除すると、196万円-3万円=193万円となり、1つ下の税率(=5%)に下がってしまいます。
それはダメってことで、税率が下がらない部分まで(=1万円)しか控除してもらえなくなってしまう・・・というイメージだと思ってください。
そのため、税率のはざまにいる方は、要注意なのです。
危ないから、なんとか回避してなるべく多く利用したいという場合、あえてワンストップ特例を使って、全額住民税からの控除にしてしまうという方法があります。
税率が変わるのは、所得税だけの特徴なので、だったら全額住民税から引けばOK! ということですね。
まとめ-細かい計算を試してみたいなら
組み合わせによっては、いろいろと細かい条件があることが見えてきましたね。
どうしても条件に応じて計算してみたいという方は、計算ツールを公開しているサイトがありますので、こちらを参考にしてみるといいでしょう。
ですが、一番大事なことは、本当の上限額は、その年が終わるまでわからないという事実です。
月々の収入面が安定しないという不安がある場合には、少し少な目に見積もって寄付金額を設定しておくといいですよ。
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