1級ファイナンシャル・プランニング技能士のみさき(@fpmisaki2)です。
FP2級を受検されている方なら、AFPという民間資格もあることは、聞いたことがあるでしょう。
でも、
- もし合格したら、AFPまで取るべきなのかな?
- AFPのメリット・デメリットって何でしょう?
なんてことで悩んでいませんか?
そこで、FP2級とAFPの関係性や、どんな方がAFPを取るといいのかについて、ちょっと考えてみましょう。
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そもそも、「FP2級」と「AFP」の違いって何でしょう?
AFPとは、Affiliated Financial Planner の略称です。
(FP協会に)加盟しているファイナンシャル・プランナーということですね。
国家資格であるファイナンシャル・プランナーの技能検定を実施しているのは、
金融財政事業研究会(通称:きんざい)
の2か所です。
そのうちの1つ、日本FP協会が認定している、民間資格がAFPです。
国家資格のFP2級を取得し、AFP認定研修を修了した方が、日本FP協会に登録をすれば取得できます。
つまり、FP2級にさえ合格してしまえば、認定研修を受けるだけで取得できるので、そんなに苦労をすることなく、プラスアルファの資格が取れてしまうのです。
FP2級とAFPをセットで取ることはできますが、AFPだけを取ることはできません。
じゃあ、せっかくFP2級をとったんだから、ついでにAFPも取っちゃった方がいいね!・・・と言いたいところなのですが、必要性は冷静に分析した方がよさそうです。
あわせてAFPを取るメリットを考える。いちばんはFP協会とのつながり。
AFPを取得し、維持していくメリットとして一般的に言われていることとしては、
- 日本FP協会が主催する、無料セミナーや相談会に出席し、FPとしての実績を積むことができる可能性が広がる。
- 顧客へのライフプランに基づく提案書の設計方法が学べる。
- CFP資格審査試験の受験資格が得られる。
- 会報FPジャーナルが読めたり、会員専用サイトの情報が見られる。
- 継続教育により、知識をブラッシュアップできる。
- FP同士の学習会などを通して、横のつながりを持つことができる。
という点があげられます。
ひとことで言うと、
FP協会のお墨付きをもらったファイナンシャル・プランナーになれますので、活動の場が広げやすいですよ!
というのが特徴です。
FPとして本格的に仕事をするのであれば、とっておいてソンはないです。
ただ、情報収集や、FP同士の横のつながりを作る方法については、AFPにならなくても他の手段はいくらでもあります。
会報「FPジャーナル」は、残念ながら市販されていませんが、似たようなものとして、もう一つの国家資格実施機関である「きんざい」が発行している、「KINZAIファイナンシャル・プランという月刊誌があり、定期購読が可能です。
AFP最大の売りである、継続教育による知識のブラッシュアップについて、仕組みを確認しておきましょう。
AFPの資格を維持するためには、2年間で3課目15単位以上の取得が必須となっています。
課目の種類
- FP実務と倫理(必修)
- 金融資産運用設計
- 不動産運用設計
- ライフプランニング・リタイアメントプランニング
- リスクと保険
- タックスプランニング
- 相続・事業承継設計
単位の取得方法
- 所定の研修の受講
- 執筆
- 講師
- 協会が承認した「スタディ・グループ」における勉強会
- その他(CFP資格審査試験への合格など)
6分野を均等に学ぶ必要はなく、一部の分野にかたよった継続学習でも単位の修得が可能です。
また、ファイナンシャル・プランナーとして、バリバリ活躍している方は置いておくと、多くの方は、研修の受講により、単位を修得することになります。
ですが・・・
継続教育として行われている学習会やセミナーなども、そのレベルや質にはばらつきがあり、中には3級レベルの内容もあります。
いかにしてカンタンに単位が取得できるか? という点に重点を置いた講座が用意されていることも事実です。
継続的な学習により、本当の意味で知識をブラッシュアップできるかどうかは、結局本人の取り組み次第となってしまうのが正直なところです。
これらを総合すると、本当の意味でAFPにならないと得られないメリットは、
- 日本FP協会が主催するセミナーなどに、FPとして参加できる。
- 顧客へのライフプランに基づく提案書の設計方法が学べる。
- CFPの受験資格が得られる。
- 私はAFPだ! と名乗れる(会員証やバッジももらえる)。
に集約されていきます。
AFP資格には、取得費&維持費がかかる
FPに限ったことではないのですが、ほとんどの資格においては、資格の維持費が高いという問題がついて回ります。
AFPの取得と維持にかかる費用の目安
- AFP認定講習(技能士課程) 10,000円~50,000円程度
- 入会金 10,000円
- 年会費 12,000円
- その他、継続教育の費用
ちなみに、FPジャーナルに継続教育テストがついていますが、無料ではなく1回900円で3単位を取得しますので、合計で4,500円の出費となります。
ヒューマンアカデミーや資格の大原などがやっている研修を受ける方法もありますが、当然費用がかかります。
3単位あたり5,000円程度が相場のようです。
一方、安くて簡単に単位が取れることを売りにしているような通信講座であれば、3,000円程度で15単位が取れてしまいます。
ほぼ作業的に、Webテストだけ受けて完了させることも可能なようです・・・
こうなると、もはや、資格を維持するためだけに受講するという、本末転倒な状態になってますね。
とにかく、AFPと名乗り続けるためには、これらの費用を、ずーっと払い続ける必要があります。
FP2級だけなら、維持費用は一切かかりません。
勉強してきた皆さまならお分かりのとおり、FP分野の法改正はハンパないです。
継続して勉強していなければ、FP2級だろうがAFPだろうが、ただのお飾りになってしまいます。
AFPにならなくても、新しい情報を収集し続けることも可能ですから、結局は自分次第。
あとは、AFPになって得られるメリットと、維持にかかる費用を天秤にかけてみてください。
FP2級はお金のプロです。
お金のプロになるのですから、内容の良しあしと費用対効果をしっかりと考えて、加入するかどうかを判断するべきでしょう。
FP2級フォルダーにとっての、もう1つの選択肢。技能士センターへの登録で情報収集&会員証GETは可能。
もう1つの試験実施機関である、「きんざい」が運営している、ファイナンシャル・プランニング技能士センターというものがあります。
こちらは、プラスアルファの資格が得られるというわけではありません。
単純に、継続学習のためのツールがもらえるというイメージです。
Web上で継続テストに回答するなど、一定数のポイントを獲得しないと継続できない仕組みになっていますので、知識をブラッシュアップしているという、お墨付きはもらえます。
もちろん、内容が伴っているかは別の話・・・という点は、AFPと一緒です!
年会費は10,560円で、それ以上の追加料金はなしに継続ポイントは稼げます。
会員になると、顔写真入りの「技能士カード」がもらえますので、自分が2級技能士であるということを、簡単に証明する手段が得られます。
また、名刺に技能士センターの正会員であることを書いてもOKです。
情報収集と、会員証だけが目的なら、こちらを選択するという方法もありますね。
もちろん、雑誌だけ定期購読をすることもできますし、今はネットなど、他の方法で情報収集をすることも可能です。
そのため、何が何でも加入しなきゃいけない! というほどではありません。
ですが、もしFP1級を受検しようと考えた場合には、月刊誌は勉強用のツールとして有用です。
興味がある方は、こちらもご覧ください。
私は、FP1級を受検すると決めていたので、総合的に判断して、きんざいの技能士センターに登録しただけで、AFPは取りませんでした。
それから数年が経ち、2021年7月に、改めてAFPの認定を受けることにしました。
その経緯は、こちらをチェックしてみてください!
絶対にAFPまで取ると決めている初学者の方には、逆のルートもある・・・けれど。
現時点でFP2級の受検資格がない方の場合には、3級の受検をワープする方法として、AFP認定講習(基本課程)を先に受ける方法があります。
- AFP認定講習(基本課程)を先に受講し、受検資格をGET
- FP2級に合格
- AFPへ登録
という手順をたどることができますので、一見、時間短縮ができるように感じます。
FP2級の受検対策講座を兼ねている講座もありますので、完全独学よりも学習が進めやすくなるというメリットもありますね。
(それなりに費用もかかりますが)
ただし、1点気を付けてほしいことがあります。
FP2級試験の申込期限までに、認定講習を修了しておかなければならないということです。
講習を修了するには、6分野の学習に加えて、「提案書の作成」が必要です。
提案書がどんなものかは、日本FP協会のサンプルを見てみましょう。
けっこう大変そうですよね!
慣れていないと作成に1か月~数か月かかってしまう場合があります。
ここでつまづくと、講座の修了(=受検申請資格の獲得)までに、想定外の時間がかかってしまう可能性があります。
例えば、2021年9月試験を受検する場合、受検申請は7月6日~7月27日に行わなければいけません。
受検日の約2か月前には、認定講習を終えておかないと、FP2級への申請資格が得られなくなってしまうということです。
そのため、スケジュール管理をしっかり行わないと、ショートカットしたつもりが結局同じだった・・・ということになり兼ねませんので、注意が必要です。
提案書の作成力は、FP2級に合格できるくらいの知識をつけてからの方が、身に付きやすいです。
仕事の都合で「少しでも短期間での取得が義務付けられている」ということでなければ、FP3級からのルートにしておいた方が、学習効果が定着しやすいと思います。
まとめ-AFPが必要なのは、FPの肩書で仕事をする人。
FPを仕事にするつもりがないのでしたら、AFPを取るメリットはないでしょう。
唯一あるとすれば、認定研修での「提案書作成」です。
FP2級を取得したときに、細かい知識は身についたけど、具体的にライフプランを組むにはどうしたらいいんだろう? という手順までは、さっぱり分かりませんでした。
AFPの認定研修では、キャッシュフロー表など、仮定の事例に基づき具体的な提案書を作成して提出することになっています。
提案書が作成できる力までつけられると、長期的な視点で家計の改善をすることができるようになりますので、ぜひ勉強しておきたい内容です。
自分自身が受講していないので、認定講習の内容に、どの程度の価値があるかは判断がつかないのですが、FP2級はとったけど、もう一歩踏み込んで勉強したいという方は、一度AFPを取ってみて、1年後に継続するかどうかを判断してみるというのも選択肢のひとつですね。
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