人生100年時代は、ライフプランの常識が変わる? ジェロントロジー(老年学)とは

※この記事にはプロモーションが含まれます。

 

 

しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。

 

ファイナンシャルプランナー向けに発行されている情報誌は数多くありますが、その中の1つにKINZAI Financial Plan というものがあります。

 

これは、FP試験の実施母体である、金融財政事情研究会(通称:きんざい)が発行しているものですので、定期購読をしているFPも多い雑誌です。

3月号では、”ジェロントロジー” が特集されていました。

 

Tsubasa
ジェロントロジー? なんなのそれ?
Misaki
聞いたことないよねー

日本語では、老年学と表現されることが多いのよ。

Tsubasa
老年学って・・・やっぱり分からないよぉ

 

日本は、世界のどの国よりも急速に高齢化社会を迎えることになりますね。

だからこそ、政府も「人生100年時代構想会議」なんてものを開催したり、働き方改革を促したりしています。

 

働き方改革で何が変わるのか? については、こちらの記事もご覧くださいね。

 

60歳で定年を迎えて、退職金・貯蓄・年金を取り崩しながらのんびり余生を過ごしていく。

そんな人生設計は、多くの人にとっては成り立たないものになってくることでしょう。

 

ネガティブにならずに、人生設計をするためには、今までの常識は崩さなければいけない。

そのためにも、今、どのような方向に変わりつつあるのか、流れの変化をつかんでおくことは大事です。

聞きなれない「ジェロントロジー(老年学)」についても、ちょっと予備知識を入れておき、自分のライフプランを見直すきっかけにしてみませんか?

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人生100年時代ってよく聞くけれど、自分にも関係があることなの?

最近、「人生100年時代」というキーワードをよく目にするようになりましたよね。

 

リンダ・グラットン著 「LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略」

 

これが世界中で話題になったことがきっかけです。

 

人の平均寿命は伸び続けており、そこから導かれる予測では、2107年には、主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きする見通し。

みんなが足並みをそろえて教育→勤労→引退という3つのステージを生きる時代は終わり、生き方・働き方を変えていくべきだ。

そんなことが書かれている本です。

 

日本の場合は、どうなるのでしょうか。

厚生労働省が発表した平成29年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.26歳です。

過去からの推移を見ると、ざっくりと2~3年で1歳ほど平均寿命が伸びています。

 

仮に、同じような比率で平均寿命が伸びていくとすれば、女性の場合には40年後には平均寿命が100歳を迎える見通しです。

男性は、女性よりも6年ほど短い傾向にありますので、46年後と仮定できますね。

 

つまり、2019年現在で、男性が57歳、女性が62歳以下の方であれば、100歳まで生きるかもしれない

そう考えて、人生設計をしておいた方がよさそうだ! ということになります。

Tsubasa
え、当てはまる人がめちゃめちゃ多いじゃん!

他人事じゃないってことだね。

Misaki
そうなのよ。

悲観的になりすぎてはいけないけれど、意識改革をしておくことは大事だね。

長生きリスクなんていう言葉も使われるようになり、なんだかネガティブなイメージが強いですけれど、

どうせ長生きするのなら、しっかり楽しみながら生きて行きたいですよね 😉 

 

でも、体は正直ですから、若いころのようには動いてくれません。

貯蓄や年金に頼るだけではなく、生きがいを持ちながら細く長く働き続けること、健康の維持のために努力をすること、高齢になってから騙されないように若いうちからお金の知識を体にしみこませておくこと・・・など、長い目でみた対策が必要になってきます。

 

昔ながらの人生設計に乗っかり続けるだけではなく、情報収集しながら、自分の頭で考えなければいけない状況にある。

そのことを知って、意識しているかどうかで、長くなる人生の豊かさには、差が出てくることになるでしょう。

 

ジェロントロジー(老年学)とは、どんな学問なのか?

あんまり聞きなれないジェロントロジー(老年学)という言葉ですが、実は昔からあった学問分野です。

 

1903年にロシアの免疫学者で、ノーベル生理学・医学賞を受けたイメリヤ・メチニコフ博士によって提唱されたものです。

 

当初は、人間の加齢変化(エイジング)を身体的・心理的・社会的な側面から解き明かす研究として始まりましたが、今では、高齢化により発生する問題全般の解決を目指すため、多くの学問分野を横断し、再統合するような学問領域となっています。

 

どれだけ多岐に渡るかは、この図を見ていただくとイメージがしやすいです。

ジェロントロジー

※2017年4月 ニッセイ基礎研究所 ジェロントロジー・フォーラム資料より引用

 

ジェロントロジー(老年学)の研究に関しては、欧米が先行していて、残念ながら日本は出遅れているところがありますね。

そのため、アメリカでは多くの大学にジェントロジー専門の博士課程が設けられていますが、日本では、修士号や博士号を取得できる大学は、桜美林大学くらいしかありません。

とはいえ、世界でも先陣を切って、高齢化社会を迎えるわけですから、これから急速に広がりを見せる分野にはなっていくでしょう。

 

ジェロントロジー(老年学)に含まれる情報って、どんなもの?

実際に、ジェロントロジー(老年学)で取り扱われる内容は、2つの柱に分かれています。

  1. エイジング課題の解決に向けて行う、個人のライフデザイン
  2. 高齢化社会の解決に向けて行う、社会のデザイン

東京大学高齢社会総合研究機構が、東大が作った高齢社会の教科書という本を出しています。

 

これは、高齢社会検定試験の公式テキストにもなっています。

Tsubasa
高齢社会検定試験なんてものがあるの! 知らなかったよ。
Misaki
まあ、検定試験はたくさん存在するからねぇ

わざわざ資格まで取る必要はありませんが、私たちが特に意識するべきポイントは、個人のライフデザインに関する点でしょう。

各項目の概要を見ておきますね。

 

長寿時代の理想の生き方・老い方

自立生活期、自立度低下期、要介護期の3つのステージを意識して、より自分らしく生きられるように準備する。

 

高齢者の活躍の仕方

65歳はあくまで人生の通過点としてとらえ、長く働く・社会参加をする・生涯学習をする・楽しみを見つけるなど、社会に参加していく意識を持つ。

 

高齢者の住まい

子供との同居は大幅に減少、家庭内事故を防ぐための対策が必要。

 

高齢者と移動

車の運転はいつまでするのか、移動手段の確保、家に引きこもりがちにならないための対策。

 

高齢者のくらしとお金

最期まで経済的にも自立をするための準備、所得(フロー)を確保するため&生きがい確保のためにも就労を考える、円滑な財産の相続。

 

高齢者の暮らしを支える社会資源

介護保険制度の把握、成年後見制度、家族信託の活用。

 

老化の理解とヘルスプロモーション

加齢による老化と、病気による老化。個人差が大きい。心の若さを保つためには新たなチャレンジの意欲を持つことが大事。栄養バランスの確保・口腔ケア・運動は意識的に行う。

 

認知・行動障害への対応

老化で影響を受けるのは短期記憶から。認知症の予防(エピソード記憶・注意分割機能・計画力は初期に落ちやすい)。

 

最期の日々を自分らしく

終末期の治療、看取り、相続、葬儀については、元気なうちに自分の意思を示す。

終末期の選択で頼りになるのは、本人の人生観や価値観。

 

 

考えるべきこと、準備すべきことが盛りだくさんですね・・・

自分がどのように生きて行きたいかを、早いうちから考え始めること、それを家族と共有しておくことが大事だと言えるでしょう。

 

まとめ-ジェロントロジー(老年学)を知ることは、ライフプランを見つめなおすきっかけになる

老後のことを考えるって、なんだか暗い気持ちになりがちです。

老後のお金は足りるだろうか、生活していけるのだろうか、不安ばかりが浮かんでくるでしょう。

 

それでも、少し早い段階から、イメージ作りを始めておき、情報に対する感度を高めておくことは大事です。

先のことなんか分からないけれど、どのように過ごしたいかを考えておけば、選択ミスをしにくくなります。

 

私たちが年を重ねていくときには、楽しい老い方のロールモデルがほとんどない状態

だからこそ、自分で考える力を、今から付けておくことが大事ですね。

 

さらに細分化すると、お金にまつわるジェロントロジーとして、金融ジェロントロジーという分野もあります。

資産寿命をいかに伸ばすかという観点で、運用と取り崩しのペースメイキングをしていくことなどが含まれます。

 

このこと自体は重要な観点なのですが、一方で、

人生100年時代や、高齢化社会への不安に付け込むような、各種ビジネスも出てくることでしょう。

本当に自分のためになるサービスなのか、見極める力も求められるようになるはずです。

 

だからこそ、今のうちからしっかりと金融リテラシーも身に付けておきたいですね。

退職金をもらってから、急に資産運用に目覚めると、カモにされてしまうこともあります。

若いうちから少しずつ、運用の仕方についても学んでおくといいですよ。

 

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