退職金との上手な向き合い方-運用で失敗しないですむように、若いうちから慣れておこう

定年退職

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しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。

 

多くの人々、特に会社勤めをしている方は、まとまったお金を一気に受け取るという経験は、なかなかありませんよね。

ですが、人生の後半になると、まとまったお金が入ってくるタイミングがやってきます。

それは、退職金をもらうとき。

 

他にも、「相続が発生した」「保険の満期金が下りた」などが考えられますが、多くの方は60代以降になって初めて、まとまったお金を手にするという経験をします。

 

その時に向けて、しっかり備えをしているかどうかで、老後の生活が大きく変わってきてしまう可能性があります。

まだまだ先のことだから関係ない! ではなく、今のうちにしっかりと知識を身に付けておきましょう。

 

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退職金の現状を把握しておこう

2017年6月に日本経済団体連合会が発表した「2016年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果というものもあります。

学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した方を対象に算出した、60歳で定年退職をした場合の「標準者退職金」は、

  • 大学卒(管理・事務・技術職)2,374.2万円(月収換算:40.6か月分)
  • 高校卒(管理・事務・技術職)2,047.7万円(月収換算:39.9か月分)
  • 高校卒(生産・現業労働者)1,821.2万円(月収換算:44.2か月分)

となっていました。

 

1992年から退職金減額の傾向は続いているものの、下げ幅は緩やかになってきており、大学卒は下げ止まっています。

 

これは、あくまでも現時点での統計調査にすぎませんので、皆さまが実際に退職金を受け取るタイミングで、どのような水準になっているかは分かりません。

 

また、退職金がいくらぐらい見込めるのかは、お勤め先の会社の退職年金制度によっても異なりますので、ご自身の会社の退職給付制度や企業年金制度、確定拠出年金制度の取り扱いについてはしっかりチェックし、制度改正にもアンテナを張っておくことが望ましいです。

 

だいたいの金額をイメージしたうえで、「ある日突然2,000万円程度のまとまったお金がやってくる」という状況を想像してみてください。

 

その時、冷静に対応できる自信はありますでしょうか?

何の準備もなく、まとまったお金を手にしてしまうと、安心して散在してしまうという危険性もあるのですが、逆に、将来への不安から増やさなきゃ・・・と安易に投資を始めて失敗してしまう危険性もあるのです。

 

多くの方がおちいる、大事な資産を減らしてしまうパターンとは

真面目にコツコツと働いてきて、無事に退職金を受け取りました。

でも、老後は長いし、せっかくまとまったお金を手にしたのだから、これをうまく使って増やしたい!

 

定期預金の金利は低いままで、普通に預けたら金利は0.01%。

2,000万円を1年預けて、2,000円にしかならないのでは、話になりません 😉 

 

そうすると、「預貯金よりも増える方法で運用したい」と考え始めます。

今までまったく運用の経験がない方も、突然、資産運用に目覚めるのです。

 

今は投資に関心がないという方でも、いざ、手元にまとまったお金が来ると、不安と欲から、そんな気持ちが生まれます。

 

そうすると、普段利用している銀行や郵便局の窓口に行って、「利率が良くておススメのものを教えて」という相談をしてしまいます。

 

 

残念ながら、銀行や郵便局の窓口で薦められるのは、「その時人気がある商品」であって、「あなたにとって有利なもの」であるとは限りません。ですが、そんな疑いを持たない方が、多くいらっしゃるのです。

 

実際に銀行の窓口に行くと、アンケートなどの書類を書いたり、話を聞いてもらったりしているうちに、あっという間に1時間くらいはたってしまいます。

 

そうすると、

  • 長い時間をかけて、話を聞いてもらったから、何か契約しないと悪い
  • 銀行や郵便局が薦めるものなら、安全に違いない
  • みんなが買っている商品なら、いい商品に違いない

という気持ちが働いて、その場で契約してしまいます。

 

その結果、実は手数料が高くて、ムダが多い商品をつかまされてしまうのです 😥 

 

金融機関も、マイナス金利の影響を受けて、非常に厳しい状況にあります。

今までは、「企業などにお金を貸すことで、利子により収益を上げる」ことがメインでしたが、保険の販売や投資信託の販売などによる手数料収入にシフトしつつあります。

そのため、販売手数料や信託報酬が高い商品を、おすすめ商品としてプッシュする傾向があるのです。

 

正直なところ、1時間程度お話をしただけで、「その方にとって本当にいい商品」を理解して、薦めることは難しいです。そのため、販売する側としても、「薦めやすい商品をすすめるしかない」という事情もあります。

 

金融商品には複雑な仕組みのものも多く、一度説明されただけでは理解できないようなものも含まれています。

  1. その場で契約をするのではなく、一度持ち帰って考えること。
  2. 投資経験がない場合、一気に投資をしてしまうのではなく、少しずつ運用してみること。

金融機関から話を聞く場合には、少なくとも、この2点だけは頭に入れておいてくださいね。

 

退職金を運用する場合の注意事項

実際に、退職金などのまとまったお金が手に入った場合、注意すべきポイントをあげておきます。

 

メインバンクでの運用はさける

退職金の受け取りは、給与口座にされる方が多いと思います。

付き合いも長いし、話もしやすいから・・・と、メインバンクに相談に行き、言われるままに契約をするパターンが多いです。

 

ですが、メインバンクは、あなたの金融資産の全体像を知りすぎています。

収入の状況、借入金の有無、クレジットカードの利用情報、既存の定期預金の満期日など、「ふところ事情」を把握しているわけですよね。

 

そのため、今はお金がないから・・・という断り方が通用しなくなります 😥 

相手はプロですから、資産状況を見て、どこまで運用に回せるかを判断して、大口のセールスをかけることができますし、完全に相手方のペースに巻き込まれてしまう危険性が高いです。

 

もし、会社から退職金を受け取る際に、振込先を複数指定できる仕組みになっている場合には、分散して受け取るのも1つの方法でしょう。

 

1つの金融機関に、資産の大部分をまとめているということは、自分の資産情報をまるまる渡してしまうことにもつながります。

あまり分散しすぎると管理が大変になりますが、数か所に分散しておくのも1つの方法です。

 

退職金専用商品に惑わされない

多くの銀行には、退職金専用プランが用意されています。

定期預金と投資信託の購入を組み合わせるセット商品が多いのですが、定期預金の金利が年5~7%など、破格の設定になっています。

 

一見有利なので、飛びつきがちなのですが、よくよく見ると、預入期間は3か月だったりします。
年利にすれば、4分の1程度ですね。

 

さらに、銀行で投資信託を購入した場合には、販売手数料が1~3%くらいかかります。

(ちなみに、ネット証券だと、販売手数料は0円のところがあります。)

 

結果として、3か月定期の優遇利率分などは、あってなかったようなものに・・・

残念ながら、金融商品にはこういう地雷が潜んでいることがよくあるのです。

 

売り手に商品選びをさせない

自分に知識がないと感じていると、どうしてもおススメの商品にすがりたくなります。

そのため、銀行がおススメする商品を、そのまま鵜呑みにしてしまいがちです。

 

候補となる商品を複数提示してもらい、それぞれのメリット・デメリットをきちんと説明してもらうこと、一度持ち帰ってその内容を検証することが大事です。

 

当たり前ではありますが、金融機関は自社の商品の中からしか提案はしません。複数の金融機関やFPなどから、情報を収集して比較することも大事です。

 

そして、最終的には「自分で決断する」。これを忘れてはいけません!

 

お洋服を買う、レストランでお食事をする・・・普段の生活では、自分が欲しいものや食べたいものを、予算の範囲内で選んでいますよね。

 

金融商品も一緒です。

選ぶ権利は、自分自身が持っていることを忘れずに。大事な権利を売り手に渡してしまわないようにしましょうね。

 

まとめ-その時が来る前に、若いうちから投資に慣れておこう

一番の問題点は、退職金をもらったとたんに、言われるがままに投資に手を出してしまうことです。

 

人生100年時代とも言われるようになりましたので、退職後の人生もそれなりに長いです。

リタイアして悠々自適というわけにもいかないでしょう。

 

リタイア後は、貯めたお金を取り崩して生活していくことになるため、それなりの貯蓄がある方でも、「お金がなくなったらどうしよう」と不安になるものです。

 

金額の問題ではなく、減り続けていくのみという状況が、不安感をあおるのです。

 

きちんと資産運用ができて、増やせる仕組みを持っていると不安感が和らぎます。

上手に投資を取り入れるためには、最低限の勉強と、少しずつの実践を積み重ねることが大事です。

 

不安になってから動き出すと、冷静な判断ができなくなります。

そういう意味でも、なるべく早い段階で、お試し投資を始めておくのはいいことだと思います。

 

今は、つみたてNISAなど、少額からコツコツと始めやすい方法も準備されています。

インデックス投資について書かれた良書も、少しずつ増えてきました。

知識と免疫をつけておくことで、将来に備えてみてはいかがでしょうか。

 

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大空みさき
はじめまして、大空みさきです。

「お金のことを知ることが、実は最強の投資術。」
ふつうの会社員だった私が、生命保険の値上がり宣告をきっかけにFPの資格を取って、たどり着いた結論です。

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コメント一覧
  1. mami_myzm

    いつもmisakiさんのTwitterやメルマガ、ブログを拝読して、勉強させていただいています☺️

    夫は現在57才で、あと3年で定年を迎えます。今回のブログも大変勉強になりました!
    周囲の誘いに惑わされないために今からしっかり勉強して、大事に使えるようになりたいと思います。

    私は現在53才で65才定年なのですが、misakiさんのブログがきっかけで、昨年の8月から個人型のイデコに加入し、勉強のため今年は楽天証券のポイント投資を始めました。追い追い積立ニーサも始めたいと思っています。

    家計は一応私が管理しているのですが、元々お金に関することは苦手です。ですが、老後について真剣に考える時期にさしかかり(遅いかもですが…)そんな時にmisakiさんのブログに出会えて本当に感謝しています!優しい表現で理解しやすいです!

    これからもよろしくお願いいたします!!!

    2019/03/22(金) 01:23:57
    • mamiさん、ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
      お金の話は苦手意識を持ちがちですよね!
      私自身もそうでしたので、よーく分かります(笑)

      お金のことを知ったり、考えたりするのに「遅すぎるということはない」と思っています。
      思い立った時、ちょっと気になったときがチャンスです。

      さて、株式での運用は、どうしても相場の上げ下げによる波が出てきます。
      毎年コンスタントにお金が増えていくわけではない、ということは忘れてはいけないポイントです。
      取り崩したいなぁと思う時期に、下げ相場が来てしまう可能性も十分にあります。

      リスクのある資産への投資は、長い目で見てゆったりと構えられる金額にとどめておくのが安心ですね。
      イデコやつみたてNISAは、投資可能枠があるので、ついつい枠を使いきらなきゃ!という気持ちになりがちですけど、人は人。
      自分にとって心地いいところで、ゆっくり進めていかれるとよいかと思います。

      これからも一緒にお金のことを学んでいければうれしいです。
      今後とも弊ブログをよろしくお願いします。

      2019/03/23(土) 22:40:02
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