私自身は、インデックスファンドへの投資をコアに据えて、投資をしています。
ですが、投資方針や理念に共感でき、「しっかりと資産も増やしてくれるだろう」という期待が持てるアクティブファンドに対しても、サテライト投資をするという方法を取っています。
その中の1つが、農林中金全共連アセットマネジメントさんが運用し、農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)さんが投資助言を行っている、農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね です。
「長期厳選投資 おおぶね」は、高い成長性を誇り、幅広い魅力的なビジネスモデルを有する米国企業(5,000社以上)の中から“本当に強いビジネス”=「構造的に強靭な企業®」を見極め厳選して(20~30社程度)投資を行い、長期安定的なリターン獲得を目指すファンドです。
投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018で19位にランクインしていたことをきっかけに存在を知り、2019年から投資をはじめました。
その翌年のFund of the Yearでは、私自身もおおぶねに投票をしています!
この「おおぶね」シリーズを保有していると、証券会社を通じて、オンラインによる「運用報告会」のお知らせや、受益者専用サイト「おおぶねメンバーズサイト」のご案内がメールで届きます。
月1回のおおぶねメンバーズカンファレンスでは、一般的な月次の運用報告だけでなく、投資先の企業を1~2社取り上げて、調査に基づく企業分析・投資仮設を紹介いただけます。
これを聞くだけでも、学びになるので投資信託を保有している価値アリ!だと考えています。
そして・・・年に一度、年次総会が開催されるのですが・・・
9月17日(土)に、第4回おおぶね年次総会が、会場参加・Zoomの併用方式で開催されるとのご案内が届きました!
会場参加は、人数に限りがあるとのことので、抽選になる可能性が高い。
まぁ当たらないだろうなと思いながら応募した結果、奇跡的に当選したのでした。
せっかく、倍率なんと約5倍!の抽選に当たって、参加をさせていただきましたので、場の雰囲気だけもご紹介したいと思います。
おおぶねへの投資を検討されている方、年次総会に行きたかったけど行けなかった・・・という方、アクティブファンドの世界をちょっと覗いてみたいという方は、ぜひ気軽にお読みください。
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おおまかなタイムテーブル
今回、おじゃまさせていただいたのは、テルモ社のテルモメディカルプラネックスという施設です。
ICUからオペ室、病棟、ナースステーションまで。
一般の病院機能を作り込んだホスピタルスタジオが用意されていて、医療従事者がトレーニングを行うことができます。
今回のように、医療従事者以外に向けた見学会も行ってはいるのですが、一般公開はされていないので、場内での写真撮影はNG。
そういう事情もあり、今回お聞きした内容に関する深掘りは避けつつ、雰囲気のご紹介をしたいと思いますので、その点はご理解ください!
※入口のみは撮影OK!ということで、撮影させていただきました。
<当日のタイムテーブル>
タイムテーブルは、こんな感じで案内されていました。
- 10:10 JR小田原駅集合
- 10:20~11:00 バスで移動(テルモ メディカルプラネックスへ)
- 11:15~11:50 おおぶね運用報告&投資行動
- 11:50~12:30 テルモ社に対する投資仮設およびQ&A
- 12:45~13:30 テルモ社によるプレゼンテーション
- 13:45~16:00 テルモ メディカルプラネックス見学会
- 16:15~16:45 バスで移動(JR小田原駅へ)
- 16:45頃 JR小田原駅で解散
テルモメディカルプラネックスは、電車の最寄り駅で言うと、小田急線の秦野かJR東海道線の二宮駅からバスという位置関係なんですよね。
神奈川県湘南地区西部の中井町にあり、南に相模湾、北に丹沢山塊、西に富士山を望む丘陵地帯です。
おそらく、新幹線を含めて、さまざまな方面からアクセスしやすいということで、小田原集合になったのかなと思います。
年次総会当日の様子(概略など)
こんなご時世ですので、参加者には事前にPCR検査用のキットが郵送されました。
前日に全員PDR検査をして、陰性だったことを確認してからの参加という形です。
小田原駅に着くと、NVICの皆さまが、分かりやすいように「おおぶね」の絵を持っていらっしゃいました。
さらに、普通にファンドマネージャーの奧野一成さんが待ち合わせ場所に立っていて、びっくり。
まぁ、当たり前っちゃー当たり前なのですが(笑)
奧野さんの著書、教養としての投資&投資家の思考法は、株式投資をする/しないに関わらず、ビジネスに関わる人は読んでおくと良い内容だと思います!
おっと、話がそれましたが・・・
貸し切りの観光バスで、小田原駅からテルモメディカルプラネックスに向けて移動します。
今回、160人以上の応募があり、その中から35人がこの場にいる、というお話しでした。
多くの方は、初対面(だろう)と思いますが、お隣の席の方と会話を始める方、静かに過ごす方、思い思いに車内の時間を過ごします。
テルモメディカルプラネックスに到着すると、まずはその広大な施設に圧倒されます。
メディカルプラネックスだけでも2棟(WEST・EAST)があり、それぞれの延床面積が7,000㎡。
さらに、テルモ湘南センターも隣接しています。
※引用:テルモメディカルプラネックスwebサイト
WEST2階の研修室にご案内いただき、ネックストラップの色ごとに組み分けされたエリアに着席します。
各自の席には、パンフレットやノベルティ(クリアケース・ボールペン・エコバック)が準備されています。
パンフレットを眺めながら少し待つと、いよいよ、年次総会がスタート!
Zoom参加の皆様とつなぎながら、おおぶね運用報告が始まりました。
細かい内容は差し控えますが、
今後の企業を取り巻く環境は厳しいものがあり、コストが上がっていく中で、企業の利益は圧迫される。
そのような厳しい環境下であっても、本当に強い企業の場合には、タイムラグはありつつも、コストアップを吸収し、付加価値を付けたうえで価格を顧客に転嫁できる。
このようなお話しが、私の中では印象的でした。
おおぶね運用報告会の後は、プチ休憩を挟んで、NVICによるテルモ社に対する投資仮設の解説です。
天ぷらや煮物など、見た目にも美しく、美味しいお弁当でした!
テルモ社は、なんと9月17日、つまり年次総会当日が創立記念日。
101歳のお誕生日を迎えたタイミングでした!
会場にいる皆様、Zoom参加の皆様とともに、テルモ社のお誕生祝いをしながら会が進んで行きます。
おおぶねが「構造的に強靭な企業®」を見極めるにあたっては、3つの基準を設けています。
※引用:おおぶね公式webサイトより
テルモ社の場合、それぞれどのような部分が該当するのかについて、解説されていきます。
- 医師の意見を綿密にすり合わせながら、品質改善を続けていく力がある。
- M&A巧者でもあり、米国マイクロベンション社を買収し、脳血管内治療領域の成長を加速させるなどの取り組みを進めている。
- ものづくり力、製品改良能力に加えて、イノベーションを生む力を有している。
言うまでもなく、高齢化社会や、QOLの追求、医療コストの削減という潮流がありますよね。
体に大きくメスを入れる外科手術から、カテーテル手術へ移行することができれば、入院日数を少なくし、患者さんの負担を減らすことが可能になります。
入院日数が減れば、受入れ患者を増やすことができるため、病院経営の面でもプラスになるというわけです。
これらを総合すると、テルモ社が売っているものは、医療機器ではなく、医療の世界の困りごとを解決する未来なのだと言い換えることもできるでしょう。
投資家としてのNVICからの視点に続いて、テルモ社の方からもプレゼンが行われました。
テルモ社の創設は、1921年。
当時は、日本国産の体温計は存在していなかったそうです。
ところが、第一次世界大戦の影響で、海外からの体温計の輸入が途絶えてしまいます。
なんとか国産の体温計を開発するのだ!ということで、北里柴三郎博士をはじめとする医師たちが発起人となり、「赤線検温器株式会社」として設立されたのが始まりでした。
「医療を通じて社会に貢献する」「国民衛生の向上のための事業」というところがスタートラインにあり、
かつ、イノベーションと挑戦というスピリッツから始まった会社であり、その精神が今も引き継がれているというところが特徴的ですね。
ちなみに・・・若い方は見たことも無いかもしれませんが、ひと昔前は、体温計と言えば、水銀体温計でした。
中に水銀を入れる管があって、水銀の位置で体温を測るのですが・・・
この中の管を作るには、細くガラスを伸ばす必要があります。
その管を作るために、「端っこを持って走って伸ばす」という方法が取られていたのだとか!
いったい、どうやって走ったら、まっすく伸ばせるのか・・・と思いますが、こういったところにもテルモの技術力の片鱗が見え隠れしていますね。
他にも興味深いお話しがたくさんありましたが、テルモ社の歴史や、開発エピソードなどを伺った後は、いよいよ施設見学です。
たっぷり2時間かけて、中をご案内いただきました。
半日ぐらい見ていられるかもという印象でしたねー
例えば、製品の販売は度外視して、医療従事者に活用してもらうためのトレーニング施設。
集中治療室の患者さんを想定してトレーニングができるマネキンは、心臓マッサージをしたときの拍動など、患者が起こすリアクションを細かく設定することができるようになっていて、様々なパターンのトレーニングをすることができます。
トレーニングの様子は、天吊りカメラで撮影され、映像を見ながら振り返りをすることができるようになっていました。
書き込んでいいかどうか分からないので割愛します!
まぁ、びっくりするお値段でした
今は、病院内にトレーニング施設を持つ病院が増えていて、純粋なトレーニングの需要よりも、トレーナーの要請の需要が増えているのだとか。
いずれにしても、医療従事者の本音や困りごとを聞くきっかけや、信頼関係の構築につながるので、単体での採算は赤字でも、大きな意味を持つ施設なのだそうです。
逆に、ビジネスに特化したエリアとして、自社製品を病院の環境に近い形で使ってもらえる施設も用意されていました。
医療のIT化は、現場の仕事の負担軽減にもなりますし、手入力によるミスを防ぐことにもなります。
現場に駆け付けなくても、モニターでナース室から患者さんの様子を確認できたり、体温計などの計測器具をPCのリーダー部分にかざすだけでデータ登録ができるなど、人の作業に依存する部分を減らすことが可能なシステムをリアルに体験することができます。
その他にも、「2037年に叶えたい医療の姿」というものが映像化されていて、モックも用意されていました。
その種となる技術は既にあり、実現に向けて開発を進めているのだそうです。
現状に満足するのではなく、常に先を見据えて、イノベーションを起こしていこうという企業としての姿勢を感じることができました。
他にもさまざまな施設を拝見しましたし、カテーテルの挿入なども体験させてもらいました。
全体を通じて感じたことは、テルモ社の社員さんたちが、テルモ社のスピリッツをしっかりと理解し、そのことに誇りを持っているということです。
もちろん、全ての社員さんに会ったわけではないですし、当然人によって温度差はあるのでしょう。
ですが、言動や醸し出す雰囲気というものから、会社の空気感はある程度感じられるように思います。
そのような、自分の目や耳で体感できたことは、非常に嬉しい経験でした。
こうして、充実したひと時を過ごし、再びバスに乗って小田原駅へ戻りました。
本当に良い経験をさせていただいたと思います。
また機会があれば、ぜひ企業訪問をさせていただきたいものです!
最後に、どうでもいいお話しですが・・・
小田原って、箱根に行く時の通過点くらいにしか行ったことがなかったんですけど、都内からの日帰り観光にも良さそうな街でした!
かまぼこのイメージが強いですが、地魚としてアジが有名です。
ミナカ小田原の中にある、あじ屋でん助さんで、アジフライ&あじのたたきを食べて帰りましたとさ。
まとめ-投資に何を求めるか?
長期投資をしている方の多くは、「自分の資産を増やしたいから」投資をしているのだと思います。
もちろん、私だってそうです。
長期的に見て、資産が減る見通しなのだとしたら、絶対にやりません(笑)
ただ、何でもいいから「金融資産」さえ増えれば良い、という視点だけで投資をするのは、ちょっともったいないようにも思います。
社会の困りごとを解決してくれる会社に対して投資をする。
そうすることで、よりよい社会になる。
そして、自分自身も儲かる。
このような、win-winのループを作ることができれば、「投資=ギャンブル」という感覚はなくなっていくように思うからです。
自分が投資している企業のことを知る。
そうすることで、見えてくるものがあれば、自分自身のお仕事(ビジネス)にも役立つことがあるでしょう。
金融資産の増加だけではない、知的資産の増加や知的好奇心の増加。
そんなことに繋げられる投資をしていくと、金融資産の増加以上のものが得られるのではないでしょうか。
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