突然の医療費負担-強い味方となる高額療養費制度について知っておこう!

医療費

予測がつかない、急な出費として考えられるのが「高額な医療費」です。

そんなときに備えるために、民間の医療保険に入っている方がほとんどだと思いますが、実は、私たちは既に大きな保険に入っていることは忘れられがちです。

それは、健康保険

自営業の方は、国民健康保険料を支払っていますし、会社員の方は給与から天引きされて支払って加入している、あの健康保険のことです。

健康保険では、医療費が高額になった場合への備えとなる3つの制度が用意されています。

  • 高額療養費制度
  • 限度額適用認定証
  • 高額医療資金貸付制度

意外と知らない3つの制度。まずはその骨格となる「高額療養費制度」について見ていきましょう。

 

高額療養費制度とは?

この「高額療養費制度」という言葉については、聞いたことぐらいはあるかもしれません。ですが、具体的な内容は知らない方が多いのが現状です。

いったいどのようなものなのか、概要を確認しておきましょう。

1か月の自己負担額には上限がある!

高額療養費制度とは、健康保険が適用される費用のうち、1か月に支払う自己負担額が一定の額を超えた場合には、それ以上の医療費を払わなくていいですよ! という非常に太っ腹な制度です。

自己負担額とは何でしょう?

普段病院の窓口で支払っている医療費は、医療費の総額ではありません

年齢に応じて、自己負担割合というものが定められているのですが、その「自己負担分」だけが窓口で請求される仕組みになっています。

 

~自己負担割合~

  • 75歳以上の場合は、1割(現役並み所得者は3割)
  • 70歳から74歳までの場合は、2割(現役並み所得者は3割)
  • 70歳未満の場合は、3割
  • 6歳(義務教育就学前)未満の場合は、2割

 

ひらたく言えば、病院の窓口で払うお金が、一定額を超えたら頭打ちになるという制度なのですが、この「一定額」がいくらなのか? を計算方法する方法を知る上では、医療費と自己負担額の関係性を理解しておく必要がありますので、ここで押さえておきましょう。

 

上限額の計算方法

1か月あたりの上限額は、年齢や所得によって異なり、所定の計算式が用意されています。

平成30年8月診療分から変更があり、70歳以上の方の上限額が変わりますので、具体的には厚生労働省ホームページをご覧ください。

例えば、69歳以下の方の場合、

  • 年収約1,160万円~: 252,600円+(医療費-842,000)×1%
  • 年収約770~約1,160万円: 167,400円+(医療費-558,000)×1%
  • 年収約370~約770万円: 80,100円+(医療費-267,000)×1%
  • ~年収約370万円: 57,600円
  • 住民税非課税者: 35,400円

となっていますね。

どれくらいのインパクトがあるのか、実際に計算してみましょう。

 

サンプルケース

40歳・年収550万円の方が、ある月に保険適用対象の医療費が100万円かかった場合

基本的な自己負担額(医療費の3割)  100万円×30%=30万円
自己負担の上限額 80,100円+(100万円-267,000円)×1% = 87,430円
高額療養費として支給される金額 30万円-87,430円=212,570円

本来ならば、自己負担額30万円を払わなければいけないのですが、そのうち約21万円は高額療養費分として戻ってくるわけです。結構な違いですよね 😯

 

上の表の、ご自身の年収に応じた計算式の最初に出てくる金額に着目してください。

サンプルケースの場合は、80,100円ですが、自己負担額が80,100円を超えてきたら、高額療養費制度の対象になるかも!と考えて計算してみましょう。

ただし、健康保険が適用されない差額ベッド代食事代先進医療などの保険外の診療は対象外となります。全ての費用が対象になるわけではないことに注意が必要です。

 

医療費は合算可能

1回あたりの窓口負担では上限額を超えなかったとしても、何度か通院することで合計額が上限を超えれば、超えた分は高額療養費として戻ってきます。もちろん、複数の病院に支払った金額も合算できます。

さらに、同じ世帯で、同じ健康保険に加入している方の分も合算することができます。これは見落としがちなので注意しましょう。

例えば、年収400万円のお父さんの医療費が20万円かかり、同じ保険に入っているお子さまの医療費が15万円かかった場合、それぞれの自己負担(=医療費の3割)は6万円と4万5,000円となります。

個々に見ると、自己負担額の範囲内なのですが、合算することにより、

医療費の合計額 20万円+15万円=35万円
基本的な自己負担額(医療費の3割) 6万円+4万5,000円=10万5,000円
自己負担の上限額 80,100円+(35万円-267,000円)×1% = 80,930円
高額療養費として支給される金額 10万5,000円-80,930円=24,070円

約25,000円が戻ってくることになりました。

共働きのご家庭の場合には、どちらの健康保険に入っているか? によって、合算できるかできないかが変わってきますので、確認のうえで合算してみましょう。

 

4回目からは、さらに減額

過去12か月以内に3回以上、上限額に達していた場合、4回目からは「多数回該当」と呼ばれて、さらに上限額が下がります。

69歳以下の方の場合、

適用区分 多数回該当の場合
年収約1,160万円~ 140,100円
年収約770~約1,160万円 93,000円
年収約370~約770万円 44,400円
~年収約370万円 44,400円
住民税非課税者 24,600円

細かい計算式はなくなり、固定額となりました。どの区分でも、1~3か月目までの半額近くまで下がっていますね 😉

 

月をまたいだ時の計算方法

「1か月あたり」とは、機械的に毎月1日~末日までで計算されます。

例えば、4月17日~5月8日までの医療費合計が35万円だったとしても、4月分が20万円、5月分が15万円であれば、全額自己負担となってしまいます。

高額療養費制度では、医療機関から医療保険へ提出する「レセプト」と呼ばれる診療報酬の明細書をもとに、月々の窓口負担額が確認されていますので、このような仕組みになっているのです。

病気になる時期は選べませんので、こればっかりは運次第です。

 

おわりに

この「高額療養費制度」は、待っていても払い戻しを受けることができません

自分で書類をそろえて申請する必要があります。

 

そのため、存在自体を知らなければ、払い戻しを受けることができません。

合算することによって、結果として上限枠を超えるパターンもありますので、自分自身で管理しないと判断しようがないのです。

 

こういう、知らないと受けられない制度は、世の中にはあふれかえっています

今は関係なかったとしても、あるとき急に自分の身に降りかかってくることもあり得ますので、頭の片隅ぐらいには入れておくといいでしょう。

 

申請の方法や、そのほかの関連制度については、明日以降にまとめたいと思います。

もしよかったら、ご覧くださいね。

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