大学無償化法が成立! 受けられる条件や注意点を知っておこう

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しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、2019年5月10日に「大学等における修学の支援に関する法律」が成立しました。

通称で、大学無償化法と言われているものですね。

Tsubasa
わーい、大学が無償になったら、教育費の準備が楽だねー
Misaki
だれでも利用できるわけではなく、対象者は限られているのよ。
ちゃんと学修を続けないと、支援は打ち切りになるしね。

基本的には、住民税非課税世帯や、それに準ずる世帯(=年収約380万円未満の世帯)を対象にした制度です。

とは言え、今の所得状況では対象にならない方も、これからの人生何が起こるか分かりませんよね。

 

どんな時に使える制度なのか、注意すべきポイントはどこなのか。

少し頭に入れておくことで、子どもの将来の可能性を広げてあげることができるかもしれません。

 

さっそく、新制度のポイントを押さえていきましょう。

 

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大学無償化法は、全ての大学が対象となるの?

大学無償化法って言われてしまうので忘れられがちなのですが、正確には高等教育が対象です。

  1. 大学
  2. 短期大学
  3. 高等専門学校
  4. 専門学校

これらが対象となっています。

 

ただし、全ての大学等が対象になるわけではないんです。

文部科学省から認められた大学等でなければ、無償化法の対象にはなりません。

 

大学等は、年に1回、支援を受けるに値する教育活動を行っているかどうかの確認を受けるため、文部科学省へ申請書を提出します。

大学等に求められる要件
  1. 実務経験のある教員による授業科目が標準単位数の1割以上配置されていること。
  2. 法人の「理事」に産業界等の外部人材を複数任命していること。
  3. 授業計画(シラバス)の作成、GPAなどの成績評価の客観的指標の設定、卒業の認定に関する方針の策定などにより、厳格かつ適正な成績管理を実施・公表していること。
  4. 法令に則り、貸借対照表、損益計算書その他の財務諸表等の情報や、定員充足状況や進学・就職の状況など教育活動に係る情報を開示していること。

ざっくり言えば、経験のある教員を迎え入れて、成績を厳格に管理し、問題なく経営が行えているかどうかということですね。

 

当たり前と言ってしまえばそれまでですが、例えば定員充足率が8割を割っている大学なんて、例年100校くらいはあるわけです。

しっかりとした教育を行わず、経営状態が怪しい大学等を生き延びさせるための財源として使われないように、縛りをかけていると考えていただければいいでしょう。

Tsubasa
ということは、無償化法の対象認定が受けられないような学校に進学するのはどうなのか・・・という見方もできるのね。

無償化法に基づく新制度は、2020年4月からスタートします。

現在は、各大学等が認定を受けるための準備資料を作成していて、2019年9月下旬ごろには認定された大学等が公表される予定です。

 

そして大学等は、認定を受けたら申請書に記載した内容を公表することとなっています。

ちょっと本題からはそれますが、
進学したい大学を選ぶとき、大学等の経営状況や、成績管理の方法を調べる手段として、見てみるのもおもしろいですね。

 

大学無償化法と言われているけれど、無償だとは限らない

大学無償化法という言葉の響きだと、1円も払わずに大学に行けるように感じますよね。

ですが、正しくは授業料の減免&給付奨学金制度だということを押さえておきましょう。

授業料等の減免制度

入学金・授業料が減免の対象です。

大学によっては、施設設備費や実習費というものもありますが、これらは減免の対象ではありません。

詳しくは、こちらの表をご覧ください。

減免額一覧

この表に書かれている金額は、住民税非課税世帯の場合の上限額です。

非課税世帯に準ずる世帯に当てはまる場合には、表の金額の2分の1や3分の1に減額されます。

非課税世帯に準ずる世帯

通信制の大学等も対象になっています。

ただ、高校を卒業してすぐに進学することが想定されていますので、大学を卒業してから学んでいる、いわゆる社会人学生の場合には対象になりません。

 

この減免&給付制度は、消費税増税分が財源になっていて、少子化対策という名目で実施されています。

社会人教育という趣旨ではないので、除外されているワケですね。

 

減免額には上限が設定されていますので、これを上回る学費の大学等に進学すれば、差額分は自己負担が必要です。

Misaki
無償化って表現、改めた方がいいと思うんだよなぁ

ただし、大学等によっては、不足分を独自の減免制度として上乗せするという方針を取るところも出るかもしれませんので、進学先の大学等がどのような取り扱いをするのかは確認してみるといいでしょう。

 

給付型奨学金(学資支給金)

その名のとおり給付型ですので、原則として返済をする必要はありません。

学業に専念するために必要な生活費や、教科書やPCなどの教材費に充てることが目的の費用だと考えておけばいいでしょう。

そのため、自宅か自宅外かで、給付される金額は大きく変わりますね。

通信制の場合には、通学する場所が関係ないため、一律の金額設定です。

 

ただし!

学業成績が著しく不良だったり、大学等から退学や停学の処分を受けた場合などは、返還を求められることがあります。

ただなんとなく進学するのではなく、「何のために大学等に行くのか」ということをしっかり考えてからこの制度を利用した方がいいですね。

Tsubasa
じゃあ、学費の減免だけ受けたいよー
Misaki
それはダメなの。

学費減免と給付奨学金は2つがセット。

特別な事情がない限り、両方を受けることになるんだよ。

基本的には、学費減免と給付奨学金を同時に受けることとなります。

 

ただ、大学等が用意している給付奨学金の方が、もらえる条件がいい場合もありますよね。

そういう時は、給付奨学金を停止するという選択をすることも可能です。

 

他にも、夜間の高校を卒業して進学する場合、既に働いていて雇用保険に加入している場合があります。

同じような目的の給付を受けている場合には、同時に給付奨学金の給付は受けられないので注意しましょう。

  • 教育訓練支援給付(雇用保険法)
  • 訓練延長給付(雇用保険法)
  • 技能習得手当及び寄宿手当(雇用保険法)
  • 職業訓練受講給付金(職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律)
  • 高等職業訓練促進給付金(母子父子寡婦福祉法)

これらが、同時に受けられない給付の例です。

 

大学無償化法の支援を受けるための、学業条件に注意しよう

大学無償化法が成立したことを受けて、具体的な内容を定めるための政令や省令の整備が進んでいる段階です。

細部は変更になる可能性がありますが、おおむねこのような条件となります。

 

申請時の学業要件

高校3年次の予約採用

  • 高校2年次までの評定平均値が 3.5以上。
  • 3.5未満の場合には、レポートや面談により、高等学校が学習意欲を確認できること。

 

大学等の1年次に申請する場合

  • 高校の評定平均値が 3.5以上。
  • 3.5未満の場合には、学修計画書の提出を求め、大学等が学習の意欲や目的、将来の人生設計等を確認できること。

 

大学等の2年次以降に申請する場合

  • 在学する大学等において、GPA(平均成績)等が上位2分の1以上。

または

  • 修得単位数が標準単位数以上であり、学修計画書の提出を求め、大学等が学習の意欲や目的、将来の人生設計等を確認できること。

 

2020年4月から始まる制度ですが、その時点で大学等に在学している人も対象となります!

新入生だけではありませんので、ご注意くださいね。

 

ただし、さかのぼって入学金の減免を受けることはできません。

2020年4月以降に発生する授業料からが、減免の対象となります。

 

標準修業年限を超えている人も対象外です。

4年生の大学に在学している、5年生は対象外ということですね。

 

選ばれた後の継続条件

一度選ばれたら、ずーっと安泰というわけではありません。

家計状況が改善した場合はもちろんですが、学業成績が不振になった場合にも、支援が打ち切られたり、警告を受けたりします。

支援打ち切り=レッドカード
警告=イエローカード

という感じです。

 

年に1回、学業成績要件をクリアしているかが確認されます。

連続して警告を受けた場合には、支援が打ち切られますので、警告だからと油断してはいけませんね。

 

支援打ち切りの条件

  1. 修業年限で卒業できないことが確定した
  2. 修得単位数が標準単位数の5割以下
  3. 出席率が5割以下であるなど学修意欲が著しく低い状況にあると大学等が判定した

 

警告を受ける条件

  1. 修得単位数が標準単位数の6割以下
  2. GPA(平均成績)が下位4分の1に属する
  3. 出席率が8割以下であるなど学修意欲が著しく低い状況にあると大学等が判定した

 

GPA(平均成績)の算出基準や学修意欲の判断基準など、細かいポイントは大学等が設定することとなります。

具体的な内容は、採用された際に、大学等にきちんと確認しておいた方がいいでしょう。

 

成績要件は、しっかり学ぶ意思を持って授業を受けて入れば、十分にクリアできるラインです。

とは言え、出席や課題等をこなすことを考えると、アルバイトをする時間を捻出するのは難しくなるかもしれませんね。

その辺も考慮に入れて、生活費の資金計画を立てておくように気をつけましょう。

 

まとめ-使える制度は上手に使う、でも目的は見失わないように!

学ぶ意欲や目的があるのに、経済的な事情であきらめざるを得ない。

そんな状況に陥った場合、ぜひ活用したい制度です。

 

自ら申請しないと、減免や奨学金は受けられません。申請のタイミングを逃さないように、しっかりと情報収集をしておきましょう。

 

日本学生支援機構のサイトに、進学資金シミュレーターが用意されています。

収入面での基準をクリアしているか、おおよその確認ができますので、活用してみてください。

日本学生支援機構 奨学金の制度

 

一方で、お金がかからないなら進学しておこう!というような、安易な気持ちで制度を利用すると、学費減免や奨学金が打ち切られてしまい、結果として進路に困ることにもなりかねません。

 

何のために大学等に行くのか、そこで何をしたいのか。

まずは、しっかりと考えてから、活用するかどうかを判断してみてくださいね。

 

考えるヒントとなる記事はこちら

 

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