1級ファイナンシャル・プランニング技能士&宅建士のみさき(@fpmisaki2)です。
宅建士資格試験に合格したら、すぐに実務が始められるとは限りません。
宅建士登録をするためには、2年以上の実務経験が必要だからです。
すぐに宅建士登録をしたい場合、実務経験2年に相当する知識を詰め込むための “登録実務講習”というものが用意されています。
いったいどんな内容なのか、修了するのは難しいのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
登録実務講習の価格比較や、実際に受講した際の体験談などをまとめておきます。
勉強の合間の気分転換や、試験終了後の準備段階に、ぜひご覧ください!
その前に、宅建士資格試験に合格しないといけませんね 😉
勉強法などについては、こちらから順番にどうぞ!
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登録実務講習はどこで受けられる?
登録実務講習は、令和4年2月2日現在で18機関が実施しています。
国土交通省のホームページに掲載されていて、随時更新されていきます。
その中からいくつかピックアップしてみてみます。
私はここで受講したのですが・・・
2020年9月6日をもって、登録実務講習が休止されています 😯
びっくり。
このあと紹介しますが、内容的には良かったので残念です。
受講料:22,000円。1回のみですが、無料の再受講制度もあります。
受講料:24,000円(インターネット割引:22,000円)
受講料:22,000円。最大20名までの少人数制です。
受講料:20,500円(早期申込割引あり:18,000円)
講習の費用に大きな差はありませんが、早期割引やインターネット割引がある場合がありますので、割引も含めてしっかりと比較して選びましょう。
登録実務講習は、
- 約1か月の通信講座
- 2日間のスクーリング
- 修了試験が実施される
という構成になっています。
実施機関を選ぶ際には、
- スクーリングが実施されている場所は、通いやすいところか
- 万が一予定が変更になった場合に、振替制度は用意されているか
- 試験に不合格になった場合、再試験(再受講)の制度はあるか
という点にも注目しておくといいでしょう。
スクーリングは、朝から夕方まで実施され、2日間連続で受講するのが一般的です。
そのため、通いやすいところでないと大変です。
後ほど詳しく説明しますが、テキストが思いのほかたくさんありますので、荷物が重くなります。
そういう点でも、通いやすいところかどうか?という点を最優先にして選んでおくといいでしょう。
私は、不動産流通推進センター(今は休止中・・・)の早期割引を利用しました。
早期割引制度を導入している場合、合格発表を待たずに予約申し込みをすることができます。
自己採点の結果、大丈夫そうだと思ったら、希望の日程を押さえるためにも、早めに決めてしまって申し込みを済ませておくといいですね。
登録実務講習の通信講座ってどんなもの?
登録講習を受ける機関によって異なりますが、私が利用した不動産流通推進センターの場合には、テキスト+Webの動画講義で進んでいきます。
(Webで動画を視聴できる環境がない方は、DVDが送られてくるタイプの講習を選んでくださいね。)
私は、1月初旬に開催される、一番早い日程で受講しました。
試験合格後、合格証書の写真をアップロードして申し込みを済ませると、12月初旬にはテキストが届きます。
- 登録実務講習テキスト
- ワークブック
- テキスト資料編・法令集
- 媒介業務がよくわかる宅地建物取引業務の知識
- 登録実務講習演習レジュメ
- 不動産税制の手引
の6冊です。
ただし、最後の不動産税制の手引は、参考図書ですので、通信講座やスクーリングでは使いません。
FPの視点から見ると、不動産関係の税制がしっかりまとまっていて便利な冊子です。毎年欲しいなぁと思ってしまう内容です。
実務をするようになったら、有効活用できると思います。
ちなみに、全部積み上げると6.5㎝分! なかなかのボリューム感です。
開封した瞬間は、テキストの多さに、一瞬不安がよぎりました 😥
通信講座は、このうち
- 登録実務講習テキスト
- テキスト資料編・法令集
- ワークブック
を使いながら、学習を進めていきます。
最初に、新人宅建士が不動産の媒介業務を進めていく流れを、ドラマ仕立てでひと通り見ていきます。
その後は、
動画講座を見ながらテキストを読む&資料編で確認 → ワークブックに書き込む
という流れで進んでいきます。
ワークブックは、地図の閲覧申請書や現地調査時のチェックリスト、媒介契約書、重要事項説明書などの契約・支払に向けて必要となる書類が順番に掲載されていて、一部が穴埋め形式になっています。
架空の媒介事例に基づき、資料編やテキストを見ながら穴埋めをしていく仕組みです。
細かく章立てされていて、章ごとにWeb上の章テスト、全体終了後の総合テストが用意されています。
ただ、間違えてしまってもリトライできますので、そんなに心配はいりません。
スクーリングの実施前に、通信講座の総合テスト完了とワークブックの穴埋めを終了させておく必要があります。
一応、1か月となっていますが、休日に集中学習をしてしまえば、2週間以内で終わらせることも十分可能です。
さらに、ワークブックの巻頭には、紛争となった事例がピックアップされていますので、これを読んで、宅建士が業務をするうえで注意すべき事項や学ぶべき事項を考えて、ワークブックにまとめておくことも求められます。
・・・というと大変そうな気がしますが、ワークブックの穴埋め部分は動画講座の中でしっかり答えが出てきます。
最後まで受講さえすれば、埋められないなんてことにはなりませんので、安心してください。
このワークブックは、スクーリングの初日に回収されます。
ちゃんと記載されているか、チェックを受けてから、手元に戻ってきますので、手を抜かずに書き込みしておきましょう。
スクーリングはどのように進むの?
スクーリングは、朝から夕方までたっぷりと行われます。
この2日間は、けっこうパワーを使いますので、スクーリング前日は早めに休んでおいた方がいいと思います。
初日:9:10~18:00ごろまで
1時限60分の授業が7コマ行われます。
昼休憩は50分しかありませんので、昼食は準備して行った方がいいと思います。
2日目:9:10~18:00ごろまで
1時限60分の授業が5コマ行われ、修了試験が行われます。
修了試験の採点を待つ間、判例紹介の授業が行われ、18:00ごろには終了証(または未終了通知)が渡されます。
2日間とも、授業は「演習レジュメ」を中心に進んでいきます。
もちろん、通信講座で利用したテキスト類も活用しますし、一番分厚い「媒介業務がよくわかる宅地建物取引業務の知識」も使われます。
取引の事例や、紛争になったケース、現地調査のチェックポイントなどについて、不動産鑑定士や銀行の融資担当から不動産業界に来た方、宅建士として多くの実績を積んでいる方など、バラエティ豊かな講師陣がリレー形式で講義を行います。
実測することの大切さや、マンホールや擁壁の状態まで確認するなど、実務をやったことがない私にとっては、想定外の内容がたくさんでてきました。
宅建士資格試験の勉強をしている時は、正直おもしろくないなぁ・・・と感じていたのですが、この登録実務講習はとてもためになりました。
自分が自宅などの不動産取引をすることになる場合にも、役立つ内容。
せっかく資格試験に合格したら、受けておいてソンはないと感じました。
さて、スクーリングの内容紹介に戻ります。
講義の途中には、アクティブタイムというものが用意されています。
席が近い4人くらいが1グループとなり、課題の解決方法などを検討します。
これがなかなか難しく、グループ内に実務経験者がいないと、話を進めることが難しいです。
アクティブタイムの最中は、講師陣がテーブルを回りながら様子をみているので、どうしていいか分からなくなったら声をかけてヒントをもらうといいでしょう。
また、講義の途中には、試験に出るポイントを教えてくれます。
不動産流通センターでスクーリングを受講される方は、必ず付箋を持っていきましょう! →これ重要 😉
試験に出る重要ポイントには、付箋を貼って!というアドバイスが入ります。
最終時限が終わったときには、テキスト類が付箋だらけになります 😉
スクーリングの修了試験
試験を解く時間は、60分間です(試験前の諸注意等込みで、70分間)
試験問題は、〇✕式30問、空欄記述式40問の合計70問で構成されています。
それぞれが、80%以上合格していれば、修了証がもらえます。
・・・というと大変そうですが、テキスト類は全て持ち込むことが可能です。
ただし、ワークブックに関しては、1つ注意事項があります。
講習中に「解答編」という冊子が配られるのですが、解答編は持ち込み禁止です。
最初に自分で穴埋めをした方しか使えませんので、講義途中のメモなどは、「解答編」には行わないように注意しましょう。
ポイントとなる部分に、びっしりと付箋がついたテキストを見ながら解答していきますので、きちんと2日間の講義を聞いていれば、まず不合格になることはないでしょう。
ただ、60分間はあっという間で、全体を見直しするような余裕はありませんでしたので、集中して解答をすることが大事です。
試験終了後の採点タイムは、判例紹介の講義を受けつつ待ちます。
採点を終えて修了証の準備ができると、全員に封筒が配付されて終了です。
封筒に入っていて、合格/不合格は、ぱっと見では分からないようになっていますので、安心してくださいね。
まとめ-登録実務講習は、実際の取引がイメージできておもしろい
修了試験は、基本的に合格できるように仕組み化されているので、不安に思うことなく、与えられたカリキュラムをこなしていけば大丈夫です。
私は、宅建士資格試験の勉強以上に、この登録実務講習が役立ちましたし、楽しかったです。
境界標とか、私道の状況とか、分譲住宅地の区画割りとかにも目が行くようになり、街の見方が変わった気がします。
実際に投資用アパートを購入する際にも、現地調査で見るべきポイントが押さえられていましたし、都市計画やハザードマップなど、周辺状況の調査も含めて、総合的に考えることができました。
FPもそうなんですけど、やっぱり資格を取るだけではダメで、実務に落とし込むことが大事なんですよね。
資格を取るための知識は、ベースとして絶対に必要なんですけど、そこに実践が伴わなければ意味がない。
そんなことを改めて実感した2日間でした!
まずは資格試験に合格しないと受けられないので、第一関門をクリアする必要がありますが、合格したら、ぜひ登録実務講習を楽しんでくださいね!
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