しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
お子さまが生まれたばかりの時や、まだまだ小さい時には先々のことまで気が回らないかもしれません。
ですが、お子さまの大学進学を望むなら、教育資金を少しでも早くからコツコツと貯め続けることにより、時間を味方につけることが大事です。
生まれたばかりのお子さまなら、18年後。小学生のお子さまであれば10年程度。
10年を超える時間があれば、投資によって複利効果を得ながら「資産を増やす」という選択肢も取りやすくなるなど、選択の幅が広がります。
教育資金の貯め方は、もちろんコツコツ預貯金でOKなのですが、ジュニアNISAや学資保険など、さまざまな方法があり、どれもメリット・デメリットが混在していますので、選び方が難しい。
自分にあったものを選ぶためには、それぞれの特徴を把握してから決めることが大事ですね。
ここでは、学資保険の特徴について見ていきたいと思います。
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大学進学に向けた、教育資金の目標額はいくらくらい?
学資保険か、ジュニアNISAか、それとも・・・ということを考える前に、教育資金というような、明確な目的がある貯蓄を行う場合には、貯めるまでの期間と目標額を設定しておくことが大事です。
教育資金の場合、終わりの時期は決まっています。
お子さまが18歳になるまでに貯めておきたい金額を考えましょう。
国公立大学に進学する場合、300万円あれば、4年間の学費をまかなうことができます。
私立大学でも、初年度の納付金~2年目まではカバーすることができるでしょう。
私立大学に進学する場合、4年間の学費をカバーするためには400万円程度が必要です。
学校によっては、施設設備費や実習費などが別途かかる場合もありますので、500万円あると、さらに安心できるでしょう。
今から逆算して、貯めるための時間がどれだけあるか? により上下させつつ、お子さま1人につき、300万円~500万円を目標額に設定しておくといいでしょう。
それでは、いったい月々どれくらい貯める必要があるでしょうか?
ざっとイメージをしてみましょう。
利息などを無視して、単純に10年で300万円を貯めるには、月々いくらになるのか考えてみます。
年間30万円なので、月々2.5万円です。ボーナス時に多少上乗せすることにすれば、月々2万円程度の積み立てが必要なイメージになることが分かります。
同じ考え方で、10年で500万円を用意しようとすると、月々3.5万円~4万円+ボーナス上乗せとなります。
ちょっと苦しい金額になってきましたね💦
でも、同じ500万円を貯めようとした場合、15年あれば、月々の積立額は2.7万円くらいにまで抑えられます。
当たり前のことなのですが、少しでも早くから始めれば、月々の積立額を抑えることができて、無理なく貯めやすくなります。
利率がどうとか、複利効果があるとかの前に、毎月無理せず貯めやすいということも、時間を味方につける大事な効果の1つです。
また、教育資金の貯蓄をするうえで、考えておきたいのが、児童手当の使い方です。
中学生までのお子さまがいる場合、「児童手当」をもらっていますよね。
- 0歳~3歳未満 1.5万円
- 3歳~小学校修了前 1万円(第3子以降は1.5万円)
- 中学生 1万円
が基本ですので、0歳のうちから、児童手当を使わずに貯めておけば、なんと約200万円になります。
児童手当はまるまる貯めておき、不足する分だけを生活費から捻出すると考えれば、少し負担感が減ります!
今からでも、児童手当を将来の教育資金に回すことを仕組み化してしまうと、積立額の確保がしやすくなりますよ 😉
学資保険のメリットは、強制力がはたらくこと
学資保険には、お子さまの成長にあわせて祝い金が受け取れるタイプのものと、大学でかかる教育費に備えるタイプの2種類があります。
ここでは、大学でかかる教育費に備えるタイプのもののメリットを見ていきます。
保険料払込期間中に契約者が死亡した場合、以後の保険料が免除される
これが、学資保険の最大の特徴ですね。
不慮の事故等で、親が亡くなった場合、その後の保険料の払い込みは免除されますが、満期保険金は予定通りに支払われます。
預金で備えていた場合には、(当たり前ですが)預金していた分しか残りません。
親が若いうちに万が一のことがあっても、子どもが進学できるように、ある程度のお金を用意してあげられます。
銀行預金に比べれば、返戻率が高い
学資保険は、貯蓄を目的とする「貯蓄型」と保障を目的とする「保障型」に分かれています。
保障型の場合には、子どもが入院したときの医療保障や、親が死亡したときの死亡保険金などが含まれているため、保険を維持するための手数料が高くなります。
そのため、保障型だと、満期時の返戻率が100%を切ってしまう(=元本割れする)状況になっています。
貯蓄を目的とする場合には、
- 商品選びを間違えないようにすること
- 特約を付けすぎないようにすること
に気をつけましょう。
貯蓄型の学資保険の場合、返戻率が高いもので104%~108%です。
銀行の定期預金利率が年0.01%であることを考えると、一見すると高い返礼率なように感じますが、18年間トータルで4%なのですから、実はそんなに大きな差ではなくなってきていると言えるでしょう。
あたりは、返戻率が高い傾向があります。
お子さまの年齢や契約者の性別などによって、条件が変わってきてしまうので、一概にどれがいいとは言えませんが、学資保険を選ぶ際には、比較検討の対象にしてみてください。
後で詳しく触れますが、保険業界全体で返戻率が低下する傾向にあります。
その中で、ソニー生命は高い返戻率をキープしています。
返戻率の面では魅力的なのですが、ソニー生命の場合には、ライフプランナーとの面談が必須となっています。
自分にとって必要な保険は何か? という軸をしっかり持って面談に臨んでおかないと、余計なオプションをいっぱいつけて帰ってくることになりかねません。
返戻率だけで単純に比較せずに、商品の内容や手続き方法、ご自身の意志の強さを含めて、どこにするかは総合的に判断した方がいいでしょう。
強制力があるので、使ってしまうことがない
銀行の預金として持っておけば、自分次第でいくらでも解約して使ってしまうことができます。
ですが、学資保険の場合には、途中で解約すると元本割れをしてしまうこともありますね。
”損をしたくない” という強制力が働くので、しっかりと貯めることができますし、いくら戻ってくるかが明確なので、資金計画も立てやすくなります。
税制面での優遇(控除)が受けられる
保険料を支払った場合には、契約者(=父母)の所得から、最大4万円の一般生命保険料控除を受けることが可能です。
今のご時世、保険で増やそうと考えたときに、最大のメリットは、商品そのものよりも、保険料控除による節税効果なんですよね
ただし、他の生命保険への加入状況を含めての総合判断になりますので、どこまでメリットが受けられるかは人によって異なります。
生命保険料控除の計算方法は、こちらにまとめてありますので、ぜひチェックしてみてください!
その他に、保険の満期金を受け取る際、増えた分については、一時所得として所得税の課税対象となるのが基本です。
ただし、一時所得控除額が50万円あり、かつ控除したあとの金額の1/2が課税対象となりますので、大きな税負担にはなりません。
他に一時所得がなく、保険金の増額分が50万円未満であれば、課税はされないのでご安心ください。
ただし、受取時の税制については、受取人が誰かによって変わってきてしまいます。
失敗すると、たくさん税金を支払うことにもなりかねません。
あわせて、こちらの記事もお読みください!
学資保険のデメリットと注意点
次に、学資保険のデメリットも見ていきたいと思います。
金利の増減に振り回される(低金利のときは不利)
学資保険は、長期固定金利となっています。受取額が固定されるので、分かりやすい一方、インフレリスクには弱い商品だと言えます。
物価が上がれば、お金の価値が下がるので、物価上昇率を上回るくらい増えていないと、ソンをしたということになります。
今は金利が低い状況ですので、今後金利が上がった場合には不利な条件になります。
受け取り金額は確実で安心だと思って加入したものの、後からもっと金利のいい商品が出てくることもあり得ます。
中途解約をすると、元本割れをする可能性がある
メリットとの裏返しになってしまいますが、保険の場合には、例えばもっと金利がいい商品に乗り換えたい! などの理由で途中解約をする場合には、解約返戻金を受け取ることになります。
ですが、解約のタイミングによっては、手数料が引かれた結果、解約返戻金が支払った保険料を大きく下回る場合もあります。
結果として損失が大きく、乗り換えを断念するしかない💦
・・・なんていう可能性もあるのです。
保険会社の破綻リスクがある
これは学資保険に限った話ではなく、保険全般に言えることです。
保険会社が破綻した場合も、生命保険会社は生命保険契約者保護機構に加入していますので、全くなくなってしまうということはありません。
ですが、預金の場合には、元本1,000万円までとその利息は満額保障されているのに対し、保険の場合には、保証されているのは責任準備金の90%だけだということは、頭に入れておきましょう。
予定利率の引き下げにより、貯蓄性のある保険の返戻率が下がっている
2017年4月~5月にかけて、ほとんどの保険会社の商品で、保険料の値上げが行われていたことはご存知でしょうか。
保険会社は、加入者から集めた保険料を運用することで増やしますが、これくらい増やす! という見込みの利率を、予定利率として定めています。
予定利率は、保険会社が独自に定めるので、決まった数値はありません。
ただ、予定利率を決めるうえで、指標として使われているのが、金融庁が発表する標準利率です。
標準利率とは、責任準備金を積み立てる際に使われる利率のことです。
なので、必ずしも保険料計算とはリンクしないものなのですが、保険料計算上の予定利率の指標として利用されているため、結果として影響を与えるものとなっています。
標準利率は、国債の利回りなどをもとに決められていますので、マイナス金利の影響を受けます。
そのため、2017年4月には、標準金利が1%から0.25%に引き下げられ、これに連動して保険料の値上げ(=返戻率の低下)が実施されたのです。
保険会社も努力はしていますので、返戻率が一律で0.25%に下げられているわけではありませんが、確実に減少傾向にあります。
逆に言えば、2016年以前に契約した学資保険を持っている場合には、当時の利率で固定されていますので、返戻率は相対的によくなっています。
今後、お宝保険化する可能性もありますので、現状では、しっかりキープしておきましょう。
おわりに-学資保険は、貯めるのがニガテな方向けの商品と考えよう
保険で備えるという方法は、利回りよりも安定性の魅力と言えるでしょう。
特に、親が若いうちに亡くなってしまった場合のリスクに備えられるという点が、最大の魅力です。
そして、解約するとソンをする=他の目的に使いにくい という点を生かして、ついついお金があると使っちゃう・・・という方が、使ってしまわないように備えるのには向いています。
一方、現状では、利回りの点では、あまりメリットがありません。
お金を増やすという観点からは、インフレリスクに強いジュニアNISAに軍配が上がります。
ただ、ジュニアNISAは、あくまでも投資です。
教育資金は、使う時期が確実に決まっていますよね。
そのため、投資の相性は微妙なところがあるんです・・・
ジュニアNISAの特徴については、こちらをご覧ください!
どうしても、保険という方法で備えたい場合、低解約返戻金型終身保険を学資保険代わりに利用することで、使い道の自由度を高めるという方法もあります。
この、低解約返戻金型終身保険の特徴などに興味がある方は、こちらをご覧ください。
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