しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
お子さまの大学進学に備えるためにも、早めからコツコツと準備をしておくことは大切です。
そのための方法として、ポピュラーなのが学資保険だと思いますが、年齢制限があったり、返戻率が下がっていたりで、加入を悩む方も多いでしょう。
そもそも、学資保険ってどんなもの? という点を知りたい方は、あわせてこちらをご覧ください。
資金を増やすという観点に立つと、ジュニアNISAの活用が考えられますが、親が不慮の事故で亡くなってしまった場合にも備えたい・・・という理由で保険を選びたい方もいらっしゃることでしょう。
その場合の1つの選択肢が、低解約返戻金型終身保険に加入し、学資保険代わりに使う方法です。
いったい、どんな特徴を持つ保険なのか、具体的に見てみましょう。
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低解約返戻金型終身保険って、どんなもの?
以前は、学資保険代わりに使う保険と言えば、養老保険でした。
学資保険と養老保険の仕組みはほぼ一緒なので、お子さまの年齢制限に引っかかってしまった場合にも活用することができたのです。
残念ながら、今では返戻率が下がってしまい、10年~20年満期では元本割れを起こしてしまう状況なので、学資保険代わりにすることはできません。
そんな中、現状で貯蓄性がある保険が、低解約返戻金型終身保険です。
保険料払い込み期間中の解約返戻金が低い代わりに、保険料が割安になっているのが大きな特徴です。
保険料払い込み期間中の解約返戻金は、だいたい70%程度になってしまいますが、その代わり、解約返戻率が高くなり、据え置き期間中も少しずつ解約返戻率が上がっていきます。
この低解約返戻金型終身保険の保険料払い込み期間を15年などの短期間にしておけば、学資保険代わりに使うことも可能なわけです。
低解約返戻金型終身保険のメリットは?
低解約返戻金型終身保険のメリットは、どんな点なのでしょうか。
学資保険との違いを比較しつつ、見ていきたいと思います。
使い道の幅が広がる
学資保険の場合には、教育資金に特化していますので、受け取り時期は限られています。
ですが、低解約返戻金型終身保険の場合には、もともと終身保険なので、使い道の用途が広がります。
必要な教育資金は、お子さまの進路次第で大きく変わりますよね。
- 国公立に進学したので学費が安く済んだ
- 高校生までの教育費が想定よりも低くて、余裕が生まれた
- お子さまが大学進学以外の進路を選択した
これらの理由により、思いのほか教育資金がかからなかった場合には、そのまま老後資金にシフトしてしまうなど、用途を変更できるという柔軟性があります。
返戻率が比較的高く、据え置きも可能
保険会社のサイトに掲載されている返戻率を見てみると、
- 学資保険の返戻率が高いもので、104%~108%。
- 低解約返戻金型終身保険の返戻率が高いもので、104%~120%。
となっています。
低解約返戻金型終身保険は、据え置きをすれば解約返戻率が少しづつ上がっていきますので、教育資金に使う必要がなくなれば、返戻率の上昇を待ってから解約することも可能です。
一見、低解約返戻金型終身保険の返戻率は、学資保険よりも有利なように感じますが、年齢や払込期間によって条件が異なりますので、注意が必要です。
払込期間が15年などの短い設定だと、返戻率は学資保険と同等か、少し低いくらいになってしまうのが現状です。
サイト上で保険料のシミュレーションができる保険会社が多いですので、一度シミュレーションをしてみてから判断した方がいいでしょう。
返戻率が高い商品としては、
などがあります。
どちらも保険料のシミュレーションが可能ですので、ご自身の条件でシミュレーションをしてみてください。
お子さまの年齢制限がないので、開始時期が自由
学資保険の場合、お子さまの出産140日前から6歳までに限られるなど、一定の時期しか加入することができません。
低解約返戻金型終身保険なら、妊娠したばかりや結婚してすぐなど、早くから準備をしたい場合にも利用することができます。
早めに始める方が返戻率は良くなりますので、特に早期から備えたい方は検討してみるといいでしょう。
その他に、学資保険と類似(または同じ)メリットとして、
- 死亡した場合には、死亡保険金が受け取れる
- 一般生命保険料控除が受けられる
- 強制力が働き、使ってしまうことがない
という点も挙げられます。
低解約返戻金型終身保険のデメリットは?
当然ですが、低解約返戻金型終身保険にはデメリットも存在します。
一般的に知られていない(意識されていない)デメリットもありますので、しっかり把握しておきましょう。
中途解約をすると、損をしてしまう
学資保険も、解約の時期によっては元本割れしますが、低解約返戻金型終身保険は、元本割れの度合いが大きいです。
そのため、学資保険以上に、絶対に解約しないという強い決意と準備が必要です。
状況の変化には対応しにくい
中途解約でのリスクが大きいので、早急に入院治療が必要な病気になってしまった・・・というような場合に、保険の解約以外の方法で対応できるよう、別途貯蓄や医療保険などで備えておかないと危険です。
また、もっと返戻率がいい商品が出てきたとしても、解約返戻金が少ないため、トータルでは乗り換えのメリットがなくなり、むしろマイナスになる可能性が高いです。
一度契約したら、変更は難しいと思っておいた方がいいでしょう。
払い済みにしてしまうと、大損する
払い済み変更という手続きはご存知でしょうか?
契約時に約束した払込期間満了を前に、以後の支払いをストップして、解約はせずに保証を継続することを言います。
支払う保険料の総額が減るわけですから、払い済み変更をした場合には、当然その後の保証金額は下がります。
払い済み変更後の保証金額は、どれだけ解約返戻金が貯まっていたかによって決まります。
つまり、解約返戻金が大きく抑えられている期間中に払い済み変更をしてしまうと、まずそこで大きく損をしてしまうのです。
さらに、本来ならば保険料の支払いが完了すると一気に返戻率が上がる仕組みなのですが、払い済み変更=保険料支払い完了となってしまいますので、一気に跳ね上がるタイミングを失ってしまいます。
低解約返戻金型終身保険を選んだメリットの部分を、打ち消してしまう結果になりますね💦
その結果、解約返戻金が100%になるまで、50年かかるなんていう、笑えない事態になってしまうことがあるのです。
途中解約、払い済み変更ともに行わずに、最後まで予定通りに保険料を払い続けることが求められる商品だということは、契約前に頭に入れておいてください。
払い済み変更に関しては、保険販売時には説明されないままに契約をする事例も多いようです。
後悔することがないように、しっかり情報収集をすることが大事ですね。
まとめ-商品の特性を理解してから、使うかどうかを決めるべき
低解約返戻金型終身保険は、
- 最後まで掛け金を支払うことができる
- 教育資金が主目的だけど、状況に応じて他の用途にも使える幅を持たせたい
- 子どもが生まれる前から準備を始めたい
- 別途、預貯金等でも備えることができ、突発事項に対応できる余力が作れる
という方にとっては、利用価値があると思います。
学資保険にせよ、低解約返戻金型終身保険にせよ、低金利の状況下では「増やす」という部分に大きな期待を持つことはできません。
増やすという点を重視する場合、つみたてNISAやジュニアNISAを活用して、節税しながら増やしていく道を検討することになるでしょう。
ただし、リスクも伴いますので、全てをつみたてNISAやジュニアNISAにしてしまうのではなく、預貯金や保険等と併用するのが安全です。
ジュニアNISAの特徴については、こちらをご覧ください!
学資保険にしても、低解約返戻金型終身保険にしても、使わないで残すための仕組み化と、親に万が一のことがあったときの備えが必要か? という点をメインにして、自分にとっては利用すべきものなのかどうかを考えてみるといいですよ。
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