しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
三菱UFJ国際投信では、2017年9月より、毎月「つみたてNISA」1万人認知度調査というものを行っていて、認知度の変化の推移などを追いかけています。
2018年7月版(6月分の調査結果まで反映)の資料が手元にあるのですが、その資料によると、つみたてNISAも投資信託も知らないという方が、約6割を占めています。
全体的な認知度が低いうえに、さらに性別×世代別で集計した資料によると、若い女性の認知度が低いことが見えてきます。
例えば、20代の男性は30.1%が知っているけど、20代の女性は17.0%しか知らないという結果です。
もちろん人それぞれなので、一般論ではありますが、女性の方が安定性を求める傾向は高い。
投資=怖いもの、ギャンブル という感覚を持ちやすいため、最初から拒否反応が出やすいのかもしれませんね。
投資を資産形成の1つの手段として、積極的に取り入れて欲しいと考えている金融庁としては、もっと認知度を広げていき、実際に運用をはじめて欲しいという思いもあって、ときどき女性向けのイベントを開催しています。
今回、「つみたてNISA Meetup (愛称:つみップ)女子部」に参加してきましたので、その時の様子をお伝えします!
ちなみに、つみップに参加するのは、これが2回目。はじめて参加した時は、会議室のレベルにうろたえながら過ごしていました。
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つみたてNISA Meetup 女子部 ゲストは当日のお楽しみ
今回は、募集の段階では、ゲストや詳細なプログラムは明らかになっていませんでした。
開催日時:2018年11月2日(金) 19:00-20:30
場所:金融庁会議室
先着順:40名定員
申し込み開始:10月23日(火)
プログラム:つみたてNISAをはじめとする資産形成に関するトピックスについて、ゲストをまじえ、みなさんと一緒に学んでいきます。
※会合終了後、懇親会を予定しています。
事前に分かっていた情報は、このくらいでした。
そのうち分かるだろうって思いながら、金融庁のサイトに用意されているフォームから申し込むことに。
前回も同様でしたが、申し込み完了後には受付メールは届きません。
これ、知らないでいると、ちゃんと申し込みができたの??? って不安になります。
さらに今回は、リマインドメールが届いたのも、会の前日(11月1日)でしたので、さらに不安が増してしまいました。
他の参加者の方も、不安になった~、問い合わせしちゃった~ っておっしゃっていたので、自動リマインドメールが送られるような設定にしていただけるとうれしいですね。
東京で開催されるつみップは、あっという間に募集枠が埋まってしまうという印象がありましたが、今回の女子部は10名近く空きがあったようです。
このへんでも、そもそも女性で投資に興味を持つ層自体が少ないのだろうなということが感じられます。
さて、実際に会場にたどり着くと、豪華なゲストが勢ぞろいしていて驚きました。
着席順にご紹介しますと、
- ファイナンシャルプランナー 岩城みずほさん
- NPO法人確定拠出年金教育協会理事 大江加代さん
- 経済評論家 山崎元さん
- 日本経済新聞社編集委員 田村正之さん
- 株式会社格付投資情報センター「ファンド情報」編集長 岡田篤さん
投資ブロガー
- 虫取り小僧さん(@mushitori)いつか子供に伝えたいお金の話
- 水瀬ケンイチさん(@minasek)梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
- つらおさん(@tsurao)吊られた男の投資ブログ(インデックス投資)
すごいメンバーが勢ぞろいしていますよね、正直びっくり。
でも、参加した方とお話ししていたら、「豪華メンバーって言われてもピンとこないんです」っていう感想もありました。
そっかぁ、それが一般的な感覚だよね・・・なんて妙に納得してしまいました💦
一番大きな特徴としては、つみたてNISA Meetupなのに、iDeCoのスペシャリストが参加していた点でしょうか。
両方の特徴を比べながら、質問ができる環境って、とってもありがたいですよね!
省庁の壁を越えた、いい企画だなぁと思います。
最初からゲストやテーマが分かっていたら、もっと多くの方が参加してくれたかも。
今後はできる限り詳細な告知を工夫します!ということなので、今後に向けては、さらなる期待をしています 😉
本日の講演プログラムは、つみたてNISA × 老後を見据えたマネープラン × iDeCoの3本立て
約1時間半のつみップですが、今回は3本の講演+質疑応答で構成されていました。
まずは、講演部分からカンタンにまとめてみます。
金融庁職員による、つみたてNISAの紹介
最初に金融庁が作成した紹介動画を見てからスタートしました。
- 米国や英国では、家計においても積極的に株式・投信への投資が取り入れられていること
- その結果として、米国や英国では家計の金融資産が増えていること
- まとまったお金がなくても、少額からでも投資は始められること
- コストが高い商品を選んではいけないこと
- 非課税で運用できることは大きなメリットであること
など、投資への向き合い方の基本について、金融庁の方が分かりやすく説明してくれます。
ここは、言わばつみップの核になっている部分ですので、どの会でも共通して説明されているようです。
人生100年時代 一生お金に困らないために、今からできること
ファイナンシャルプランナー 岩城みずほさんの講演です。
岩城みずほさんは、いわゆる独立系のファイナンシャルプランナーで、金融商品を販売しないマネーコンサルタントを行っています。
ファイナンシャルプランナーの種類や選び方については、こちらをご覧ください
女性は90歳以上までの生存確率が高く、老後への不安を抱えている方は多いもの。
顧客本位で相談に乗ってくれるファイナンシャルプランナー等を見つけること自体が、けっこう大変なので、最低限の正しい知識は自分で身につけておきましょう! というコンセプトのお話しでした。
老後の生活費はどれくらい必要で、そのためには毎月いくらづつ貯蓄しておけばいいんだろう?
そんな疑問を解消するためのツールとして、こちらが紹介されました。
このツールを上手に使って、コツコツと積み立てをしておけば、やみくもに将来への心配をすることがなくなりますので、不安を煽るような金融商品のセールスに巻き込まれなくてすみますね。
紹介された事例の中で印象的だったのは、投資について、ある程度知識が頭に入っても、やることや決めることが多くて、なかなか実行に移せない方が多いということ。
仕組みを作ってしまえばカンタンなんだけど、その仕組みづくりのハードルが高いということですね。
分かる気がします。最初は大変ですものね💦
なので、今日は仕組みづくりにあてるスペシャルな日というのを決めてしまい、集中して取り組んじゃうのがおススメとのことでした。
岩城さんは、ものすごく柔らかい雰囲気の方で、なんでも相談しやすそうな印象でした。
お客様の相談に上手に乗るためには、自己開示をしやすい雰囲気を作ってあげて、いっぱいお話ししてもらうことが大事だと思うんです。そういう意味でも、FPへの話しやすさって、とっても大事なんですよね。
老後資産を作るiDeCoについて~投資デビューはつみたてNISAかiDeCoで~
確定拠出年金アナリスト 大江加代さんの講演です。
大江さんは、大手証券会社にて22年間勤務し、一貫して「サラリーマンの資産形成ビジネス」に携わってこられた方です。
NPO法人確定拠出年金教育協会の理事として、iDeCoナビを立ち上げるなど、iDeCoの普及・活用のために活動もされています。
- iDeCoの魅力は、やはり掛金が全額控除の対象となること。どれくらいのメリットがあるのか、源泉徴収票から税率を調べてみよう。
- 一方、受け取り時の課税方法に気を付けよう。特に退職金がたくさん出る会社の方は要注意。
- 60歳まで引き出せないのは、「老後資金を作る」という意味では、デメリットではなくメリットになる。
- リターンはコントロールできない。コントロールできるのは、アロケーション、リスク、コスト。特にコストは必ずマイナスになる要因なので、しっかりチェックして抑える努力をしよう。
なんていうお話しが展開されていきました。
そもそも、金融庁が主催の会ですから、そこで厚生労働省所管のiDeCoの話をすること自体が、異例なんじゃないでしょうか。
でも、参加者にとっては、両方を比較しながらお話しが聞けるのは、とってもありがたいこと。
またこういう企画はやって欲しいなぁと思います。
大江さんには、明るくはきはきとした感じの親しみやすさがあります。
後ほどの懇親会で、たくさんお話しをさせていたいたのですが、日本でもトップクラスのiDeCoの知識をお持ちのスペシャリストであるにもかかわらず、きさくにお話しすることができてしまう、とても素敵な方でした。
多彩な質問が飛び交う質問コーナー。働く女子は、iDeCoへの関心が高いのか?
講演自体も有益なのですが、やはり一番盛り上がるのは後半の質問コーナーです。
最初は、沈黙の時間がほんの少しだけ流れますが、どなたか1人が質問を始めれば、あとはどんどん手が上がっていきます。
全てはご紹介できませんが、いくつかの質疑をご紹介しておきますね。
Q.つみたてNISAやiDeCoをはじめたいと思っているけれど、どこの金融機関で始めればいいいのか分からない。やっぱり給与振り込みにしている銀行がいいのでしょうか?
ここで、ゲストの皆様が、誰が答える? って感じで打ち合わせを始めます。
予想通り、満を持して山崎元さんが答えてくださいました。
A.まず、給与振り込みの銀行は絶対にダメ。個人の資産状況を把握されているので、銀行側が持っている情報量が圧倒的に多く、銀行のペースになる。その後、銀行目線に立ったセールスにつながる。
同じ理由で、退職金の受け取り口座もダメ。
そもそも、銀行が扱っている商品は、手数料が高いので選ぶ対象にならない。人から直接商品を買うのはダメです。手数料が安い、ネット証券を使うのがよいでしょう。
ちなみに、iDeCoには、手数料が高い地雷ファンドが混ざっているので、ファンドをきちんと選ぶことが大事。
より具体的に、ブロガーの虫取り小僧さんが補足してくれました。
長期投資を続けているブロガーは、SBI証券と楽天証券を使っている人が多い。
最近では、共通KPIと呼ばれる販売会社を比較するための指標が公表されているので、それも参考にするといいです。
例えば、セゾン投信は、アクティブファンドなので決して低コスト商品ではないけれど、商品そのものが2つしかないので迷いにくく、KPIの指標も高いので、そういう選び方をする方法もあります。
さらに、大江さんからの補足情報
イデコナビというサイトでは、金融機関を選ぶうえで役立つ情報が検索できるようになっています。
例えば、手数料が安い順に並べ替えができたり、サイトの使いやすさ評価が見られたりするので、こういうツールを活用して、いくつか絞り込んでみる。
そのうえで、3社くらいには、あえて電話をして、パンフレットを取り寄せてみましょう。
長い付き合いになるので、コールセンターの対応の質、webサイトの画面構成、土日や夜間でも問い合わせが可能かなど、自分にとって使いやすいかどうかという視点を持って選ぶことも大事です。
ネット証券は、webサイトが分かりにくい(使いにくい)傾向があるので、要注意。
ちなみに、イデコナビの比較サイトはこちらです。
私も、イデコの証券会社をどこにするか決めるときに、こちらの情報は参考にしました。
サイトの使いやすさは、選ぶうえで大事なポイントだと思います。
私は、楽天証券・SBI証券・マネックス証券の3社を利用していますが、この中だと楽天証券のサイトが使いやすいです。
Q.商品を絞り切れなくて、15本積み立てているのですが、これだと複利効果が薄れちゃうのでしょうか。まとめるべきなのでしょうか。
A.本数が増えると、管理が大変になるというところはあるものの、外国株式や国内株式といった資産クラスごとの配分がきちんと把握できていれば大丈夫。ファンドの本数が増えたからと言って、複利効果がなくなることはありませんよ。(水瀬さん)
Q.iDeCoが60歳から65歳に引き上げられるというニュースを見たのですが、本当に変わってしまうのでしょうか。
A.誤解を受けがちなのですが、定年制度の変更により、65歳まで働く人が増えていくので、積み立てができる年齢を65歳まで引き上げようというお話しです。支給される時期が後ろになるわけではありません。(大江さん)
Q.iDeCoを始めて1年ちょっと経ったのだが、その後、もっと手数料が安い商品が出てきています。同じもので続けるべきなのか、一度売却してしまった方がいいのでしょうか。
A.まず、同じような指数に連動する商品で、もっとコストが安いものが出ているのなら、これから積み立てる分は、商品を変更してしまった方がいいですね。
今まで買ったものについては、まずは10口とか小さい単位でいいから「売る」という経験をしてみるといいです。
資産が大きくなってからではなく、小さいうちに売る経験をしておくのも大事ですよ。(大江さん)
Q.手数料が安い商品というのは、どんな企業努力によって生まれているのでしょう。
A.そもそもの値付けの問題。もともと取りすぎだったので、どれだけ欲張らないかというところがあります。
つみたてNISAがはじまったことの効果は大きく、低コスト化の流れが生まれてきています。
そのほかには、インデックス(=指数)を利用する場合、インデックスの使用料がかかるのですが、使用料がかからないようにするなどの工夫が取られることもあります。(山崎さん)
インデックスファンドは低コスト化しながら、アクティブファンドで取り返しているという側面もある。コストが高いファンドをつかんでしまうことがないように、ファンドのコストをシビアに見ていくことが大事。(田村さん)
Q.情報収集するうえで、おススメの雑誌や記事があったら教えてください。
A.雑誌はあまり薦められない。
- マネー誌は広告が入るため、スポンサーに気を遣う側面がある。特に金融機関の広告が入っている場合には、要注意。
- 日経新聞のマネー&インベストメントは、読んでおくといい。
- 投資について説明している本、お金の知識についてまとまっている本など、しっかりとまとまっている本を読むことが大事。
- ブログなどは、その時々の流れなどもあるので、多くの記事を読み込みながら判断しなければいけない。まずは体系だっている本から入るのがいい。
個別には、今回のゲストの本が、お互いに紹介されあっていました。
たあんとというサイトがあるのですが、そこに著者が語る「本のツボ」というシリーズがあります。
山崎さん、田村さん、大江さんの著書は、こちらに紹介記事があるので、本選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、はじめて読む本として、私がおススメしているのは、こちらの2冊です。
日経新聞M&I(@nikkei_MandI)は、twitterのアカウントがあります。
サイトから記事一覧を見ることもできるので、気になる方はのぞいてみてくださいね。
他にも、企業型DCとiDeCoの関係性にまつわる質問が多数出ていました。
全般的に、iDeCoがらみの質問が多かったですね。
全額所得控除の魅力が大きいことと、制度が複雑なので分かりにくいことが要因なのかもしれません。
つみたてNISAもiDeCoも、どちらもいい制度なので、上手に併用したいところです。
ただ、本当に自分に合っているのかを確かめる感覚で、小さく始めるという目的なのであれば、つみたてNISAから入るのがいいと思います。
iDeCoは、一度始めたら、積み立てを止めることはできても、完全にやめることはできません。
月々の口座管理料が固定額でかかりますので、しっかり続けるぞ! と決めてから始めるのがいいですね。
まとめを兼ねて-終了後の懇親会。意外と参加者が少なかったけど、密度の濃い時間でした。
20:35くらいに質疑を終えて、その後は懇親会に移ります。
事前に参加の希望は伝えてありますが、飛び込みで参加したいという場合も、受付OKということでした。
隣の部屋に、お食事やお酒&ソフトドリンクが用意されている、立食形式のパーティーです。
参加費は1人2,000円。必要があれば領収書ももらえます。
見回してみると、参加者よりもゲストや関係者の方が多いかな・・・という感じでした。
帰宅時間が遅くなることもハードルになっているのかなぁという気がします。
途中で抜けることも、もちろんOKなのですが、終了時刻が22:00。
懇親会込で、21:00くらいまでに終わる感じだと、参加率が上がるのかも・・・ 🙁
懇親会の場では、全員の前では聞きにくいようなことも、いろいろと聞けて、本当に勉強になりました。
参加者どうしはもちろんですが、山崎元さんや、大江加代さんとは、けっこうたくさんお話しできましたし、All Aboutや日経電子版の投資信託サイトを執筆しているQuick資産運用研究所の取材で来られていた方ともお話ししたりと、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
さらに、投資の話だけにとどまらず、社会保険の話、ふるさと納税の話、ポイント活用の話など、お金にまつわる幅広い話題にも広がっていくのが印象的でした。
個人的には、こういう立食形式のパーティーでの立ち居振る舞いが上手じゃないので、他にもお話ししたい方はたくさんいたのに、声をかけられないままに終わってしまったのは反省点。
人が話している輪の中に、上手に入っていく技を身につけないと💦
年末にも、東京でつみップの開催が予定されているようです。
次回は「女子部」ではないと思いますが、男女問わず参加できるはずなので、興味がある方は、ぜひつみたてワニーサの情報をチェックしておいてくださいね。
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