しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
あ~、FPに相談したい!
何ていうCMも流れている昨今ですから、
自分の家計の状況や、老後への備えに不安を覚えて、FPに相談してみたいなぁと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
ですが、FPに相談しようと思ったら、先に知っておいていただきたいことがあります。
それは、やみくもに相談すればいいってもんじゃない! ということです。
そもそもFPとは何ができるのか?
味方になってくれるFPを見つけるためには、どうすればいいのか?
そんなことを考えるヒントを、FPの立場からお伝えしたいと思います。
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FPの資格がたくさんあるワケー資格の種類はどうでもいい
FPのプロフィールを見ると、AFPとかCFPとか、1級とか2級とか、なんだかあれこれ書いてあります。
いったい何が違うの、どれが一番すごいの?
そんなこと、さっぱり分かりませんよね。
まずは、教科書的なところから入っていきます 😉
ファイナンシャル・プランニングとは、「人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法」のことです。
家計に関わる幅広い知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家がFPなのです。
FPの始まりは、1930年代のアメリカで、保険外交員が自社の商品を売るために活用したことだと言われています。
その後、1960年代~1970年代に業界団体が整備され、FP制度が確立していきました。
日本では、だいぶ遅れてFPの民間資格を認定する任意団体が設立されます。
1987年に日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(通称:日本FP協会)が創立され、AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)資格の発行をはじめました。
その翌年の1988年には、労働省の技能審査認定制度に基づく公的資格「金融渉外技能審査」を実施するために、社団法人金融財政事情研究会(通称:きんざい)がFPセンターを設立したのです。
しばらく時がたち、2002年になると、国家検定である技能検定にファイナンシャル・プランニング職種が取り入れられ、職業能力検定と言う位置づけだった「金融渉外技能審査」が、国家技能検定へ統合されて、現在に至っています。
このように、2つの団体がFP資格の認定に絡んでいる関係で、一口に「FP」と言っても、いろんな種類が出てきてしまうのです。
国家資格のFP技能士
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
3級ファイナンシャル・プランニング技能士
この中では1級が最上位資格です。
日本FP協会でも、きんざいでも1級まで取得することが可能ですが、そのルートは若干異なります。
(ここでは、どうでもいいことなので省略します)
日本FP協会の民間資格
CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)
AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)
AFPは、2級技能士を取得して、認定講習を受ければ取ることができます。
CFPを取るためには、AFP認定後、CFP資格審査試験(6課目)に合格しなければなりません。
・・・と、こんな関係性になっています。
ややこしいですね💦
FPの世界でも、どっちの資格が上か? という論争があるようです。
CFPの方が凄いとか、いやいや1級技能士の方が凄いとか・・・
さんざん説明してきてなんですが、あえて言わせてもらいます。
資格はどれでもいい!
AFP、CFP、2級技能士、1級技能士、どれかに当てはまっていれば、ランクや種類は気にしなくて大丈夫です。
例えば、1級技能士を取るために必要な試験範囲は、どちらかと言うと小さな企業のオーナーや地主さんがお客様だとしたら必要な内容が中心になっています。
そのため、一般的なご家庭の資金計画を立てるにあたっては、AFPか2級の資格があれば何も問題ありません。
また、AFPやCFPは、継続教育を受けているからレベルが高い! とも言われますが、継続教育の内容も微妙なものが含まれているのが現状ですので、どの資格であろうが、結局はFP本人の心がけ次第ってところがあります。
FPに限らず、士業系もそうですが、資格があればいいってもんではありません。
その後、どんな経験を積んできたか、日々勉強を続けているか、お客様の話をしっかり聞いて、その方のためになる提案ができるかが、一番重要なことです。
だからこそ、見分けるのは余計にむずかしい。
企業系FPと独立系FP、それぞれの特徴
もう一つ、FPのタイプを語るうえでの分類方法があります。
FPは、所属しているところによって、企業系FPと独立系FPの2種類に分類されます。
それぞれの特徴を押さえておきましょう。
企業系FPの特徴-会社の一員なので、自由度が低い
企業系FPとは、保険会社・証券会社・不動産会社・銀行などに所属していて、FPの資格も持って働いている人のことを指します。
もちろん、FPの資格を持っているわけですから、一定の知識は持っています。
ですが、会社に所属している以上、自分の会社の商品しか薦めることができません。
本当は、このお客様には他社の商品の方が向いているなぁと思ったとしても、それを組み込むことはできないため、最善のプランを薦めることができない場合もあります。
また、企業内での個人の成績やノルマの達成のために、最善のプランを薦められない場合もあるようです 😥
企業系FPへ相談するときには、相談費用はかかりませんが、特定の金融機関の商品に限定されて紹介を受けることになるので、実は高い手数料を含んでいる商品を買うことになるというリスクがあります。
相談費用も、保険や投資信託などの金融商品に(見えない形で)含まれている・・・というイメージですね。
心強い味方になる可能性もありますが、言われたことを鵜吞みはせずに、冷静に判断することは大事です。
独立系FPの特徴-独立系FPだからと言って、ひとくくりにできない
ひと言で言えば、金融機関に所属しない自営のFPです。
会社に所属していない分、扱うことができる商品が多いですし、不動産や保険などの限られた範囲ではなく、広い視点でプロデュースすることができます。
その分「相談料」は発生します。
有料相談は、1時間当たり5千円~1万円程度となっていることが多いです。
ただ、無料~2万円以上までと、ものすごく幅が広いのが現状です。
※参考:相談料の目安(有料相談) 日本FP協会サイト
相談料と提案書の作成料は別料金の場合もありますし、総資産の1%を顧問料とするパターンなどもあります。
FPだって、生活をしていかなければなりません。
無料や格安で仕事を引き受けていたら、稼ぎにならないので生活が成り立ちませんよね。
ボランティアではないのだから、きちんとした収入源が必要です。
相談料が無料や格安の場合、多くは保険や資産運用の仲介を行っています。
特定の商品を売れば、販売手数料が入ってくる仕組みです。
キャッシュフロー表を作ってもらい、アドバイスを受けると、もれなく特定の保険や投資信託などを薦められる・・・というパターンです。
販売手数料がメインの収入減になっている場合、どうしても収入につながる商品を売る傾向があります。
本当にお客様のためになる商品を紹介できているかは疑問が残ります。
私は以前に、個人的興味で無料のマネーセミナーに参加したことがあります。
そのときの様子を、姉妹サイトに載せていますので、興味があればぜひご覧ください。
残念ながら、日本ではお金を払って資金計画の相談をするという文化が根付いていませんので、
- 本当は相談料(フィー)だけでやっていきたいのにできない(から保険を売る)
- 金融機関に勤めていて、不本意な商品を薦めなければならない現状に苦しんでいる
そんな方もたくさんいらっしゃるのです。
この現状自体を変えないと、お客様にとってもFPにとっても不幸ですよね。
タダより高いものはない。
必要以上に安い相談料の場合には、使うのはいいのですが、利用の仕方に注意した方がいいでしょう。
どんなにおススメされて、いいなぁと思っても、即決はしないこと。
必ず持ち帰って、冷静に判断することが大事です 😉
FPに何を相談したいか、明確にしてから選ぼう
ここまでは、FPの現状についてまとめてきましたが、今度は相談をするときに準備しなければならないことをチェックしておきましょう。
FPの資格を取るためには、非常に幅広い分野の知識を学ぶ必要があります。
- 年金や健康保険、雇用保険など社会保険全般
- 生命保険や損害保険などのリスクへの備え
- 資産運用などの金融関係
- 所得税、住民税、消費税、法人税などの税金関係
- 住宅ローンや不動産売買関係
- 相続や資産承継関係
これらを全部学ぶことになります。
じゃあ、なんでも相談すれば対応できるんだね!
・・・と思われがちですが、残念ながら、あまりにも範囲が広すぎて、1人で全部を網羅するのは不可能です。
それに、税理士でないFPは、具体的な税務相談に乗ってはならないなど、制約も多いのが現状です。
FPは、「お金の健康診断専門医」だと思ってください。
相続税計算&対策という外科手術が必要なら、その手術ができるお医者さん(=税理士など)へ橋渡しをする役割です。
そして、あまりにもジャンルが広すぎるという現状があることから、多くのFPは、何か得意分野に特化しつつ、幅広い知識を活用して活動しています。
- 不動産会社に勤めていた方が、その強みを生かしてFPとして独立している。
- 保険外交員をやっていた方が、その強みを生かしてFPとして独立している。
こんなパターンが圧倒的に多いので、メインで相談したい内容に強いFPを選ぶことが重要だということを頭に入れておいてください。
なので、まずは相談内容を明確にしておくこと。
これが最初にすべき準備です。
FPに相談する時は、しっかり現状を話せるように準備しよう
多くの場合、FPに相談をすると、ライフイベント表(子どもがいつ大学に行く、いつ車を買い替えるetc)やキャッシュフロー表(今後の収支の変化をチェック)などを作成し、改善提案を出してもらう流れになります。
提案書を作成するためには、
- 現在の金融資産や住宅ローン
- お子さまの進学をどうするか(私立 or 公立)
- どんな保険に加入しているのか
- 月々の支出はどうなっているのか
- 年収はどれくらいなのか
- 財産を相続する見込みはあるのか
などの突っ込んだ情報について、あれこれヒアリングされることとなります。
そのため、相談者本人がある程度の現状を把握していないと、正しいキャッシュフロー表が作れなくなってしまいます。
例えば、ヒアリングでは月々の貯金が3万円と言っていたものの、キャッシュフローを作ってみたら、どう考えても1万円しか貯蓄できていない・・・みたいなズレが出ることがあります。
こうなると、どこが違うのか? を探して直してからでないと、診断になりませんね。
そもそも、全く家計簿をつけていない状態だと、キャッシュフロー表を作るための元ネタも提示することができません。
FPをうまく活用するためにも、きちんとした情報が出せるように下準備をしておくことは大事です。
また、ご家族の場合には、ぜひ夫婦そろって相談に行ってみてください。
どちらか一方だけで相談を受けると、家族の意識の共有がないままでの提案になってしまいますので、本当の意味での改善にはつながりにくいです。
夫婦でライフプランを作り、将来やりたいことを共有することで、改善提案を実行に移しやすくなりますし、家族の絆を深めることにもつながります。
(途中ケンカになることもあるかもしれませんが 😥 )
健康診断を受ける時には、ある程度自分をさらけ出しますよね。
それと同じで、家計の健康診断を受ける場合にも、家計の状況をさらけ出す必要が出てきます。
かっこつけても始まらないので、FPに頼むと決めたらしっかり現状を伝えましょう!
大丈夫です、怒られませんから 😉
FPとの相性は超重要。事前のチェックを怠ってはいけない!
FPへの相談が実りあるものになるかどうかのカギは、相談相手の選び方によります。
テレビや雑誌でよく見る=自分にマッチしたFP だとは限りません。
少なくとも、しっかりとした提案を受けたいのであれば、独立系のFPの中から探すのが無難でしょう。
日本FP協会のホームページでは、CFP認定者に限り、検索することができますので、1つの検索手段にはなります。
ただ、CFPに限定する必要もありませんので、ファイナンシャルプランナーが検索できるポータルサイトなども活用しつつ、気になる人を探してみましょう。
メインの相談内容や地域をセットで、キーワード検索をしてみてもいいですね。
ただ、今はzoomなどのWeb会議システムを活用しているFPも出てきているので、地域は限定しなくても大丈夫な場合があります。
そして、
FPを選ぶ際には、必ずそのFPのオリジナルホームページを凝視してください。
いくつか、チェックポイントをあげておきます。
プロフィールは、隅々までチェックしよう!
FP以外の資格に注目してください。大体その人の得意分野が分かります。
さらに、保険代理店や保険外務員、証券仲介業などを行っている場合、商品販売手数料が収入のメインとなっている可能性が高いです。
そのうえで相談料が格安の場合には、特に注意した方がいいでしょう。
何が得意で、何を重視しているのか?
必ず、得意・不得意はあります。ご自身が相談したい内容に強いFPに相談をしましょう。
Webサイトに書かれていることをよく読んでみれば、そのFPの基本的な考え方や、大事にしていることが見えてきます。
ブログをやっているようであれば、ブログの記事はいくつか読んでみてください。
資産運用の考え方など、FPが扱う分野の多くには、決まった答えはありません。
どうしても、提案内容には、そのFPの考え方が反映されていきますので、同じ相談をしてもFPによって帰ってくる答えは違います。
そのFPの考え方に共感できるか、信頼できそうか、自分にあっていそうか、しっかりチェックしてください。
もし無料メルマガを運営しているようであれば、登録してしばらく読んでみるといいでしょう。
サイトに書く内容よりは、踏み込んだ情報提供をしているはずです。
そのFPの考え方が、より理解できますよ。
「お金との向き合いかた」も教えてくれそうか?
FPに相談をしたとしても、最終的に決断して、実行するのは自分自身です。
例えるなら、運転手付きの車を与えてもらうのではダメで、車の運転のしかたを教えてくれるかどうかがポイントです。
今後、自分で考えるための力を与えてくれるかどうかも、重要なポイント。
FPに聞かないと何も判断できない・・・ではなく、お金との向き合い方も教えてくれて、自分が成長できるようなアドバイスがもらえそうかどうか。
ぜひ、そんな視点も入れて選んでみてくださいね。
まとめ-自分がFPになっちゃうという手もある
やっぱり、どうしても個人情報をさらけ出して相談するのは怖い。
信頼できるFPを見つけ出せる自信がない。
そんな場合には、思い切って自分がFPの勉強をしてみるという手もあります。
私は、保険の更新をきっかけに、FPの資格を取りました。
資格までは取らなくても、テキストをひと通り読んでみて、基礎知識を頭に入れるだけでも違ってきます。
興味がある方は、こちらの記事もお読みください。
FPの資格までは取る気はないけど、ある程度自分で家計簿とかつけてるし、ちょっとチャレンジしてみたいなと思う方なら、誰でも使えるライフプラン作成用のツールがあります。
こちらをご覧いただき、自分で作って見ちゃうのもいいでしょう。
とはいえ、みんながFP2級レベルの勉強をせよ!とか、自力でやりなさい!っていうのも、ちょっと酷な気がします。
本当の意味での独立系FPが活躍できるように、そういう人を積極的に見つけて、活用する文化が生まれて欲しいなと思っています。
また、しがらみ無しで対応できるという意味では、実は副業FPには可能性があるように感じています。
個人情報をさらけ出すのは難しいにしても、投資に興味があるけど、一歩踏み出せないなんていう方に、正しい情報と後押しをしてあげる。
そんな副業FPの輪が広がっても面白いなぁと思っています。
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