しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
日本人の特徴と言ってもいいかもしれませんが、「お金の話は人前でしてはいけない」という考え方が一般的です。
当然、子どもの前でお金の話をすることはタブー視されていて、今の大人世代はお金の教育を受けたり、家族のお財布事情を知る機会がなかった方が多いと思います。
ですが、時代は変わりました。
今では、欧米と同じように、幼いころからお金のことをきちんと学ぶ必要があると考えられはじめていて、「子どものマネー教育」が注目されています。
金銭的に自立した大人に育てるために、いったいどのようなことをしておけばいいのか?
自分たちが教わってこなかった分、子どもたちには手探りで教えることになってしまい、途方に暮れる方もいらっしゃるでしょう。
そんな悩める親御さんが、子どものマネー教育をする上でのヒントをまとめてみたいと思います。
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子どものマネー教育は、いつから始めればいいの?
マネー教育というと、ものすごく大変なことをしなければいけないのか・・・と不安になる方もいらっしゃると思います。
基本的には、
- お金には限りがあること
- お金は親が働くことによって、もらえていること
- 使ったらなくなってしまうこと
- 上手に使う必要があること
を理解してもらうとことがスタートラインです。
始めるタイミングに決まりはありませんが、小学校に上がる前の小さい頃は、まずは一緒にスーパーなどでお買い物をすることから始めましょう。
「おやつ買って」「おもちゃ買って」とねだられ始めたら、その時がマネー教育を始めるチャンスです。
例えば、子ども用にお財布を用意して、100円を入れてあげる。
「これで買える分だけね!」と言い聞かせると、買えるのかどうか? を子どもなりに考え始めます。
子どもにとっては、実際に目で見たり手に取ったりすることが、興味を持つ近道です。
最近は、共働きでお忙しいご家庭も多く、ネットショッピングや宅配サービスなどを利用される方もいらっしゃるでしょう。
そういう、時短の工夫はもちろん大事です。
ですので、毎回でなくても構いません。週末など、時々時間を作って、ぜひ一緒にゆっくりとお買い物に行ってみてください。
その時に、お肉やお野菜など、実際のものや値段を見ながら、金額を声に出しつつ会話をしてみましょう。
- 同じお肉なのに、牛肉と鶏肉では値段が違う
- 金額だけ見ると安いけど、入っている量が違う
- 先週のトマトの値段と、今週のトマトの値段が違う
そんなことが、少しずつ疑問になってくるはずです。
慣れてきたら、子どもに買い物かごを持ってもらって、「牛乳とパンを選んでね!」とお手伝い感覚でお願いしてみてもいいですね。
自分の役割だという気持ちに切り替わることで、今までの経験を思い出しながら、考えて選んでくれるようになります。
任せてもらえると、子どももうれしいですからね 😉
また、フリーマーケットや駄菓子屋さんで、100円を持たせてお買い物体験をしてみるのもいいと思います。
そのときに、200円のものを欲しがったら、「使わないで取っておく」ことを覚えてもらいましょう。
財布からなくなったら使えない、高いものを買うためには貯めておくという感覚が芽生えてきます。
小学校に上がる前からでも、このようにお金に親しむことが可能です。
マネー教育のスタートラインは、こんな感じで経済活動に親しむことから進めてみましょう。
ボードゲームで、楽しみながら学ぶ
遊びながら学ぶことができれば、「勉強」という感覚ではなく、楽しくお金の知識を身に付けることができますね。
ゲーム感覚で学べるツールは、いろいろとありますが、おススメしたいのは「ボードゲーム」です。
今どき、アナログなボードゲームって・・・と思うかもしれませんが、家族で一緒に遊ぶことができ、お金の教育にもつながりますので、家族のだんらんも増えて一石二鳥です。
その1 人生ゲーム
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小学校低学年くらいの小さな子どもは、まず「人生ゲーム」から入っていくと分かりやすいです。
お金のやり取りや、職業と収入、支出について学びながら遊ぶことができます。
ただし、人生ゲームでは、ルーレットで出た目で、結果が決まってしまいます。
とっても運の要素が強いですね 😀
自分の力で結果を変えることはできないので、まずは、経済活動の仕組みを感じ取るための「入門編」という位置づけです。
その2 モノポリー
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小学校3年生くらいになってきたら、ゲームのレベルアップを図りましょう。
モノポリーは、1935年にアメリカで発売されたボードゲームです。非常に古くから愛されていることが分かります。
「他のプレイヤーや銀行と、不動産の取引をしてお金を稼ぐ」というゲームです。
そして、最終的には、他のプレイヤーを破産させて市場を独占(=モノポリー)することが目的となっていますので、なかなか残酷なゲームです 😥
土地や会社を買ってみたり、買われなかった場合には「競売」にかけられたり、自分の土地に人が入ってきたらレンタル料を請求したりと、資本主義や競争社会の厳しさが実感できたりします。
このゲームに勝つためには、他人との取引・交渉力が必要となりますし、収入源を複数持っておくことの重要性にも気づかされるはずです。
その3 キャッシュフロー・フォー・キッズ
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小学校高学年からは、さらに次のステップに進んでもいいでしょう。
キャッシュフロー・フォー・キッズは、「不労所得」を増やすことで、ラットレースから脱出するという、さらに刺激的なテーマのゲームです。
ラットレースとは、働いても働いても一向に資産が貯まらない様子が、回し車の中でクルクル回り続けるネズミに似ていることから定義された言葉です。
不労所得と聞くと、「働かざる者食うべからず」で、マネー教育上よくないのでは? と思われるかもしれません。
これは、お金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせる方法を考えるための「お金の管理術」を学ぶことができるゲームだと考えてください。
資産と負債の違い、「損益計算書」と「貸借対照表」の違いなどが、子どもでも楽しく学べてしまう優れものです。
ゲームの中では、頭金や株式、個人ローンなど、金融関係の用語がふんだんに出てきます。
こうした用語に触れたり、内容を少しでも理解していることで、その先のマネーリテラシー向上には、確実に役立ちます。
ただ、ボードゲームとしては、値段が高い・・・
子どもの金融教育のためと割り切って投資するかどうかは、判断が必要でしょう。
同じシリーズの中で、こども向けだけではなく、大人用のキャッシュフロー101というものもあります。
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こちらは大人も十分に楽しめますので、あえてキッズ仕様ではなく、大人用に一緒にチャレンジしてみるのもいいと思います。
(こっちの方が、少し安いです 😆 )
お年玉で、お金の使い方を学ぶ
子どもにとって、大きな収入となる「お年玉」。
よくあるパターンとして、子ども名義の銀行口座を作って貯金しておくという管理方法がありますね。
ですが、せっかくですから、少し踏み込んだ金融教育に活用してみる方法があります。
1.全て貯金と決めてしまうのではなく、使い方を考えさえる
もらったお年玉のうち、一部分は貯金に回しつつ、子どもに使い方を考えさせるのも、金銭教育の1つです。
例えば、毎月お小遣いを渡すのではなく、「1年分のお小遣いとして、まとまった金額のお年玉を渡してみる」という方法があります。
さらに、残しておいたお金に、少し「利息」をつけてあげるお約束にするのも面白いですね。
もちろん、お小遣い帳のつけかたも教えておいてあげましょう。
最初は失敗したり、無駄遣いをしてしまうかもしれませんが、基本的には「自由に使える」状況であたたかく見守り、問題がありそうなときには、きちんと説明して正してあげるのが大事です。
例えば、
- もらったお金をあるだけ使ってしまう
- せっかく買っても、すぐに飽きて大事にしない
- 使い切ってしまい、「足りないからもっと」とお金を要求する
- お金をもらったことに対する感謝の気持ちがない
このような問題行動が見られた場合には、お金を大事に扱わなければいけない理由を、しっかり丁寧に説明してあげましょう。
この方法のポイントは、親が使い方のコントロールをしすぎないこと。
そうすることで、子どものお金の使い方のクセが見えてくるので、悪いクセが見えたら改善してあげてください。
ちょっと勇気がいるかもしれませんが、ある程度まとまったお金を1年間で上手にやりくりする力が身に付きますので、将来の家計管理能力を高めることができます。
2.積立投資にチャレンジしてみる
中学生くらいになったら、もらったお年玉を貯める場合に、そのうちの一部を積立投資に回してみるのも、教育効果が見込めます。
親が証券会社に口座を持っている場合、「未成年口座」を開設することが可能です。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券などのネット証券でも、未成年口座の開設が可能です。
証券会社によっては、投資は月々100円からでもできます。
子どものお年玉でも、十分に投資への参加が可能なのです。
月々の積立投資を、自分のお金で行うことで、ドルコスト平均法や株価の変動などを、実感することができます。
また、あえて子どもが好きなものに関連する個別株を少し買ってみて、株主になるのも面白いです。
配当金や株主優待をもらったり、株主総会に行ってみたり。
経済活動が、身近に感じられるようになりますよね。
投資をすることのリスクやリターンを、早いうちから実体験することができますし、ゲームで学んだことを実践することで、投資というものへの理解が深まります。
なぜ値上がりしたり値下がりしたりするのか、どういう時に値上がりしているのかなど、これをきっかけに、経済への興味が深まることでしょう。
まとめ
子どもが小さいうちから始められるマネー教育の方法を、いくつかピックアップしてみました。
マネー教育をしなければ・・・と思いながらも、何をしたらいいのか悩む。
でも、実際には、そんなに難しいことをする必要はなかったりします。
小さいうちから、お金に触れておき、遊び感覚で身近なものにしておくことで、「上手な使い方」を考えるきっかけが生まれます。
欲しがる分を、欲しがるだけ与えてしまう。
これが、一番危険な方法です。
お金のありがたみが分からなくなったり、考えて使うという発想が生まれなくなってしまいます。
子どもたちが将来、お金の管理で困らないように、小さいうちからお金との向き合い方を体感しておく機会を作ってあげてくださいね。
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