今日は、2020年3月11日ですね。
ちょうど9年前の2011年3月11日午後2時46分。
多くの日本人の心に深く突き刺さっている「東日本大震災」がおこりました。
毎年、全く同じ書き出しで、その時々に感じたことを記事に書いています。
過去2回の記事で、サンドウィッチマンさんの東北魂義援金についてご紹介をしてきました。
引き続き、目に見える形で寄付詳細が報告されていますので、リンク先をご覧になってみてください。
所属事務所 グレープカンパニー公式サイト 「東北魂義援金に関して」
そして今年は・・・新型コロナウイルスが猛威を振るっています。
この状況を受け、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、3月11日に国立劇場で開催が予定されていた政府主催の東日本大震災追悼式は中止になりました。
ここ数年、本当に自然災害などの発生頻度や被害が大きくなってきたように思います。
東日本大震災に限らずですが、発生した日はよく「節目」として報じられることがあります。
ですが、実際に被災をした人々にとっては節目などというものはなく、いつ何時でも被災時のつらい経験を背負っている状況に変わりはありません。
人は自然の猛威の前には弱く、できることは限られています。
災害そのものを防ぐことはできないけれど、それでも平時の備えをきちんとしておくことで、災害時の負担を軽くすることにはつながることでしょう。
数々の自然災害を経て蓄積されている、自らの身を守るために必要な知恵とは・・・?
そんなことにフォーカスを当てつつ、住まいについて知ることの意義について考えてみたいと思います。
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まずは、自分が住む “街” の成り立ちを知ろう!
今、おすまいの街の「土地の成り立ち」について確認してみたことはありますでしょうか?
地形と自然災害には、とても密接な関係があります。
昔は川や沼だったところは液状化現象が起きやすいですし、河川によって形成された「谷底平野」ですと、大量の雨が集中して降ると河川の氾濫に注意が必要・・・などなど。
全くリスクがないところを見つけるのは難しいですが、自分の住む街や勤務先が、どういうリスクを抱えているのかをきちんと知っておけば、正しく備えることができます。
国土交通省のハザードマップポータルサイトを見てみよう
国土交通省が作成している「ハザードマップポータルサイト」というものはご存じでしょうか?
これがとても使いやすいので、街を知る最初の一歩としてはおススメです。
ハザードマップとは、自然災害による被害を予測し、被害想定地域や被害の範囲、避難場所などを地図上に示したもののことです。
基本的に、市区町村などの各地域ごと、災害の種類ごとに作成されています。
そのため、例えば「○○市 ハザードマップ」と検索すれば、公開されているPDFにたどりつける・・・はずなのですが、探しにくかったり分かりにくかったりすることも多いです。
仮に見つけられたとしても、細かい単位でハザードマップが分離されていますので、場合によっては何枚ものマップを見比べながらイメージをつかまないといけません💦
大事なことだとはわかっているけど、これはめんどくさい。
まずは、重ねるハザードマップを見てみましょう!
場所を入力して検索すると、地図が表示されます。
左側に4つある災害種別ボタンを選択すると、該当する情報を表示したり、消したりすることができます。
洪水だけ見たいとか、土砂災害と重ねて見たい・・・なんていうことが簡単にできちゃうのが特徴です。
例えば、駅の北側と南側では、洪水リスクが全く違う!なんてことはよくある話です。
自宅周辺だけでなく、少し範囲を広げながら特性を把握しておくといいですね。
このハザードマップだと、地図情報を拡大したり縮小したり、自由自在に動かせるので、とっても見やすいです。
少し広範囲の特徴を把握しつつ、
✅洪水に警戒が必要なときは、どう行動するの?
✅土砂災害に警戒が必要なときは、どう行動するの?
という感じで、シミュレーションしておくと、いざという時に落ち着いて行動することができるでしょう。
次は、わがまちハザードマップを見てみましょう!
市区町村が作成しているハザードマップを確認したいと思っても、ちょっと探しにくいのですが・・・
このポータルサイトに行けば、調べたい地域を選択するだけで、インターネットで公開されているハザードマップを簡単に見ることができちゃいます。
市区町村を選択すれば、ハザードマップのありかが一発で表示されます。
たまにインターネットではハザードマップを公開していない自治体もあります。その場合には、インターネットでは公開していないと表示されます💦
こんな感じで、インターネットでの公表状況を地図形式で確認することもできます。
ただ、ネット上に公表している自治体はだいぶ増えてきていますので、多くの場合にはこのポータルサイトだけでハザードマップにたどり着くことが可能です。
もう少し深堀りするなら、国土地理院の「地理院地図」を見てみよう
もちろん、ハザードマップを見るだけでも、十分に災害時の特性を理解することはできます。
ただ、もう少し、土地の成り立ちや地形のことも押さえておきたいという場合には、国土地理院の「地理院地図」を見てみるのも面白いです。
まだ、全国的に対応できているわけではないようですが、各地の地形分類ごとに色分けして表示されるようになっています。
地形分類には、自然地形と人工地形があり、それぞれの地形によって想定される自然災害リスクもまとめられています。
自然地形
人工地形
おすまいの地域がどの地形分類にあたるのかを知っておくと、想定しなければいけないリスクが見えてきます。
さらに、地理院地図では、避難所や過去に災害が起きたエリアなども確認することができるので、もしも災害が起きたらどうするか? ということを、より具体的なイメージでシミュレーションしやすくなります。
自治体の防災への取り組みも、大事なポイント
ハザードマップや国土地理院地図を見た結果、災害へのリスクが高そうだと感じたら、おすまいの自治体の防災対策への取り組み状況もチェックしてみたいところです。
少々古い調査なので、そのまま参考にすることははばかられますが、2011年に日本経済新聞社発行の「日経グローカル」で、「自治体の災害対応力調査」というものが実施されていますので、参考までにご紹介します。
例えば厚木市のサイトを見てみると、防災情報がしっかりとまとまって掲載されています。市民の防災意識も高く、毎年9月1日の防災の日付近には、総合防災訓練を実施しています。
自治体の取り組みはもちろんなのですが、結局その街を作っているのは住んでいる人々。
自治体だけではなく、住民の協力体制も大事だということも忘れてはいけないポイントですね。
自分が住んでいる “家” も要チェック!
マイホームにおすまいの場合には、ご自身の家の設備や耐震状況などはある程度把握されていることでしょう。
一方、賃貸住宅におすまいの場合には、そこまで細かくチェックすることなく、住む家を選択している場合も多いのではないでしょうか?
特に、1人住まいの学生さんや若い社会人などは、その傾向が高いように思います。
もしも思い当たるなら、おすまいの災害対応力について、改めて確認してみてはいかがでしょうか?
耐震基準は建築時期で異なることを知っておこう
耐震基準とは、建築物が最低限度の耐震能力を持っていることを保証して、建築を許可する基準のことです。
大地震の発生経験などを踏まえて、耐震基準は厳しく改訂され続けているのですが・・・
古い基準だったころに建てられている場合、今の基準にはあわない建築物となっている可能性がありますので注意が必要です。
耐震基準は、おおきく3つのパターンに分けることができます。
- 旧耐震基準-1981年5月31日までに建築確認を受けた建物
- 新耐震基準-1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物
- 2000年基準(木造のみ)-2000年6月1日以降に建築確認を受けた建物
1950年に建築基準法が施行された際に定められた基準は、
中程度の地震(震度5程度)で倒壊しないこと
というものでした。
このように、震度5程度の地震までしか想定されていなかったころの耐震基準を、旧耐震基準と呼んでいます。
震度5クラスの地震なら、比較的発生している現状を考えると、なかなか恐ろしい基準だと言えますね💦
その後、小さく基準の改正は行われていたのですが、1978年に宮城県沖地震を経験したことにより、大きく変化を遂げました。
宮城県沖地震は、当時の人口50万人以上の都市が初めて経験した都市型地震の典型ともいわれていて、多くの被害が発生したのです。
その経験から、「人命を守ること」を優先した基準として、
- 中程度の地震(震度5程度)では、軽微なひび割れ程度にとどめる
- 大規模の地震(震度6~7程度)でも、倒壊しない
1981年6月から、このような基準に生まれ変わりました。震度6~7程度についても、きちんと基準が提示されたのです。
これを、新耐震基準と呼んでいます。
ここで1つ・・・補足します。
勘違いしがちなのですが、倒壊しないということは「大規模地震にあっても建物が壊れない」という意味ではありません。
家全体がひしゃげてしまったりすることはあっても倒壊はせず、逃げるまでの時間は確保できるくらいの強度というふうに考えておきましょう。
新耐震基準に適合する建物かどうかを確認するうえでは、1981年6月1日以降に、建築確認済証が交付されているかどうかがポイントとなります。
建築確認済証とは、建物を建てる前に、図面などで計画した建築計画を市区町村に提出し、条件をクリアしているかどうかのお墨付きをもらう書類です。
そのチェック条件が1981年6月以降に変わったわけですから、例えば5月のうちに古い基準でOKをもらい、せっせと建築を進めて9月に完成したら、旧基準に基づく建物が完成するわけですね💦
微妙な時期が竣工年月日となっている場合には、自治体や不動産会社に建築確認済証の交付日を確認してみるといいでしょう。
加えて、木造住宅に限っては、2000年に大きな基準改正がありました。
1995年に発生した阪神・淡路大震災。こちらは記憶に残っている方も多いと思います。
その際、多くの木造住宅が倒壊したことを踏まえて、2000年に木造住宅の建築基準がより厳しいものへと変更されたのです。
ざっくりと言えば、
- 地盤に応じて基礎を設計すること(地盤調査が実質必須化)
- 接合部に金具を取り付けて、しっかり固定(地震の際に抜けないように)
- 偏りのない耐力壁を配置する(窓を多くとりたい南面もバランスよく)
というような点が変更されました。
こちらも、2000年6月1日以降に、建築確認済証が交付されているかどうかがポイントとなります。
まとめると、
- 木造住宅の場合は、2000年6月1日以降に建築確認が下りているか?
- その他の住宅の場合は、1981年6月1日以降に建築確認が下りているか?
この条件に当てはまっているかどうかは、住まい探しの際にはチェックポイントとしたいところです。
もし、それ以前に建築されている場合、きちんとした耐震補強が行われているかどうか、確認をしておいた方がいいでしょう。
屋根上に太陽光パネルが設置されていれば、停電時の助けになる可能性がある
近年は、再生可能エネルギーの普及を促すため、住宅の屋根に太陽光発電パネルを備え付ける住宅が増えてきています。
賃貸住宅でも、屋根上に太陽光パネルが乗っている物件を見かけるようになってきました。
こういう住宅に住んでいる場合、大規模停電発生時にも、太陽光で発電した電気を活用することが可能となる場合があります。
パネルが設置されている物件の場合には、非常時に入居者がスマホの充電等で使わせてもらえるのかどうか、不動産会社に確認しておくといいでしょう。
もちろん、地震等により、パネル自体が損傷してしまったら発電もできなくなりますが、発電手段を別に持っているということは、1つプラスの要素になります。
普段のガス代は高いことが多いけど・・・プロパンガスは災害時の復旧は早い
ガス料金が安いことから、都市ガスの物件を選ぶ方は多いと思います。
ただ、災害時の復旧の速度という観点からは、プロパンガスの方が有利だったりします。
大規模な地震があった場合、都市ガスの場合には、埋設されたガス管に損傷があると、完全復旧には1か月程度の時間を要することがあります。
仮に損傷がなかったとしても「安全確認」は必要になるので、場合によっては1週間くらいはガスが使えなくなる可能性があります。
一方、プロパンガスは、建物とプロパンガスの配管自体に大きな損傷がなければ、そのまま使えます。
災害時に、一番最初に復旧するのは物流ですので、ガス自体の供給も早く始まるでしょう。
ただ、自由競争だからという理由で片付けてよいのかわかりませんが、とにかくガス料金が高いことが多いですね。ひどいときは都市ガスの2倍くらいかかります。
一方、プロパンガス会社もピンキリでして、適正価格で提供しているところもあります。
プロパンガス料金消費者協会のガス料金自動診断を活用すると、適正価格を調べることができます。
プロパンガス=NGと決めつけてしまうのではなく、価格の比較をきちんとしたうえで、あえて選択してみるのも1つです。
まとめ-日ごろからイメージをしておくことが、冷静な判断につながる
自然災害発生時には、何よりもまず自分や家族の身を守ることが大事です。
ですが、想定外の出来事がおこるわけですから、誰だってパニック状態になりますよね。
そんなときに、少しでも冷静に行動ができるようにするためには、
自分が住んでいる場所にはどのようなリスクがあり、
それに備えるためには何をしておけばいいのか?
ということを知っておくことが有効です。
また、転勤などの事情により、住まいを変える必要が出た場合には、より安全・安心に暮らすことができそうな場所を探すという視点も大事ですね。
平時の時の備えが肝心。
いざという時に困らないように、街選びの段階から、すまいのリスクについても考えてみるのはいかがでしょうか?
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