車は本当に必要か-若者の車離れは合理的な選択?

車は買うべきか

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しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。

 

以前は、大学生になる直前に、なるべく早く免許を取って車を乗り回すのが定番でした。

 

運転がうまかったり、かっこいい車に乗っていれば、女性にモテる。

特にスポーツカーは20代~30代男性のあこがれの的で、女性も助手席に乗りたがるなんていう現象がおきていたものです 😯 

 

つまり、車は移動手段というよりも、かっこよさとか豊かさとかの象徴で、持ち主のステータスになっていたと言い換えることもできますね。

 

逆に言えば、車を持っていることが大人として当然のこと、持っていないのはカッコ悪いという考え方もあり、ローンを組んででも車を買う必要があった、と言っても過言ではないのです。

 

ですが、バブル崩壊後には、この傾向が大きく変わりました。

ステータスという側面が薄れていき、移動手段としての意識が高まってきたのです。

 

40代以上は、まだまだ車=ステータス時代の気分を引きずっているところもありますが、若者は車を持つことへの意欲が低いと言われています。

 

この「若者の車離れ」がささやかれて久しいご時世。

若者はもちろんですが、どんな世代の方々も、「車を持つこと」が自分のライフスタイルにあっているのか、一度考えてみてもいいのではないでしょうか。

 

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若者の車離れが起きている原因

そもそも、若者を中心に車離れが起きている原因は何なのでしょうか?

それを見ることで、車が持つことの本質が見えてくるかもしれません。

 

免許がなくても困らない

ソニー損保が2015年に行った、新成人のカーライフ意識調査を見てみると、新成人の普通自動車免許保有率は57.1%。都市部では、なんと47.4%です。

 

車以前の問題で、そもそも免許を持っていないという方も、結構多いのですね。

運転免許を持っているのが当たり前の時代を過ごしてきた方にとっては、驚きの割合なのではないでしょうか。

 

免許を取るためには、教習所に通うなどで30万円くらいのコストがかかります。

そんな大金を払うなら、他のことに使いたい!と思う方が多いのです。

 

ちなみに・・・運転免許証は身分証明書として最強のアイテムです。

そのため、結果としてペーパードライバーになったとしても、身分証明書として必要だという、本来の目的とはかけ離れた必要性もありました。

 

今でも、運転免許証がないと少々不便な時はありますが、マイナンバーカードなど、他の方法で身分証明書を手に入れることは可能になっています。

 

こうした理由により、慌てることなく、車に乗る必要があれば取ればいいと考える方が増え、免許の取得率が下がっているのです。

 

余談ですが、もし、どうしても身分証明書としての運転免許証が必要な方は、原付用の免許を取りましょう!

試験と講習だけで取れますし、費用も1万円もかかりません。身分証に30万円もかけるのはもったいないですからね 😉 

 

欲しくても買えない

同じく、ソニー損保が2015年に行った、新成人のカーライフ意識調査によると、車に興味がある方は46%です。みんなが興味がないわけではなく、車が欲しい方は一定数いるのです。

ですが、そのうちの71%が、「所有する経済的な余裕がない」と答えています。

必ずしも、若者は車に興味がないというわけではなく、興味があっても買えないだけだという点も見逃せません。

 

レンタカーやカーシェアリングの方が、コスパがいい

免許は持っているし、車にも乗るけど、使う時だけ借りればいい。という発想です。
レンタカーやカーシェアリングが普及してきて、借りるという選択肢が取りやすくなったのも要因でしょう。

ステータスから移動手段に意識が変わったからこその流れだと言えますね。

 

カーシェアリングに限らず、最近はものをシェアする仕組みが広がりを見せています。

 

若者の平均年収が下がってきている、非正規雇用などで雇用環境が安定しないという要因もあるでしょうが、全体的に見ると、若い方は非常に合理的な考え方をしているのが感じられます。

 

加えて、ステータスの要素が薄れたことで、お金をかける対象が車以外のものにシフトしているという見方もできますね。

以前に、自動車メーカーの方が、ライバルは携帯だと言っていました。スマホ代などの通信費にお金がかかるので、車に目が向かない・・・という意味合いだそうです。

 

車を持つことのコストを考えよう

現在、車を持っている方やこれから車を買おうと考えている方は、一度1回の乗車あたりの維持コストを計算してみましょう。

試しに、週末しか車に乗らないご家庭だとして、サンプルケースで計算してみましょう。

  • 駐車場代 月1万円
  • ガソリン代 月5,000円
  • 自動車保険 年5万円 → 月4,200円
  • 車検 2年に1回 10万円 →月4,200円
  • 自動車税 年4万円 → 月3,300円

このようにリストアップし、全て月額コストに直して合計すると、26,700円となります。

月6回程度の乗車だとすれば、1回の乗車につき4,450円も支払っている計算になります 😯 

 

ここまでは、維持コストだけしか計算していませんね。

車そのものの購入費用も考えなければなりません。

 

150万円の車に10年乗ると仮定すれば、月額コストは12,500円。

1回の乗車コストは2,100円ですので、合計で6,550円になりました。

 

10年後に中古車として売った場合、車の取得コストはもう少し下がる可能性があります。

とは言え、1回の乗車に6,550円も支払っているということに気が付くと、考え方も変わってくるのではないでしょうか?

 

普通に考えて、公共の交通機関で、短時間しか乗らないのに6,000円以上かかったら絶対に乗りませんよね。(ちなみに、東京-名古屋間の乗車券だけの片道料金が、6,260円です。)

でも、不思議なもので、自分の車だと1回あたりの乗車コストには無頓着になってしまいがちなのです。

 

ぜひ一度、ご自身の現状や購入後の予定で、1回あたりの乗車コストを計算してみてください。

ここでは、コストが高い例を出してみましたが、ご自身の状況で計算したら、妥当な価格になっているかもしれません。

一度計算してみると、今のままでOKか、考え直すべきかが見えてくるはずですよ 😉 

 

車を持つべきかは、ライフスタイルから考えよう

今、車を持っているけど、このままでいいのか悩んでいる。または、そもそも車を買うべきか悩んでいる。

そんな方は、まずは「どのように車を使うのか?」をしっかりとイメージしましょう。

  • 車があることで、生活はどのように便利になるのか
  • 車に乗る回数は、1か月に何回くらいか
  • どんな用途で、誰が乗り、誰が運転するのか

これらをしっかりと具体的にイメージしてみてください。

 

特に、乗る回数が少ない場合には、車を持つ必要性がなくなります。

車をローンで買ったものの、生活費が苦しいので、ガソリン代の節約のために車に乗るのを控えている・・・なんていう、本末転倒な状態におちいってしまう方もいらっしゃいます。

 

お住まいの地域の交通の便にもよりますし、単純にコストだけで決めることもできないところがありますが、具体的な使用イメージと、1回あたりの乗車コストを天秤にかけて、買うべきかを判断してみてください!

 

車を持つメリットがあるパターンとしては、

小さなお子さまが複数いる

双子の子育てをしている、やんちゃ盛りの3人兄弟・・・など、小さなお子さまが多いご家族の場合には、公共交通機関を利用するのは大変です。

これでは外出自体がストレスになってしまう可能性がありますね。

特に、両親ともに運転ができる場合には、育児の肉体的・精神的な負担を和らげる効果が高いです。こういう場合は、車を持つメリットは大きいです。

 

足腰が弱かったり、通院しているご家族がいる

または、家族に足腰が弱い方や、病院に通院している方がいる場合も、公共交通機関だけで生活するのは大変ですよね。こういう場合も、車を持つメリットが高まります。

超高齢化社会に入りますので、今後、車を持つ需要が多くなる理由になってくると思います。

 

ペットや趣味など、ライフスタイルにあっている

例えばペットを飼っている場合、ペットを連れていたら公共交通機関は使いにくいですね。家において旅行などに出かけるわけにもいかず、車がないと外出自体がしにくくなることがあります。

また、郊外型の店舗で買い物をすることが多い、家族で遠出をすることが多い、アクティブな趣味を持っているなどの場合には、移動にかかる時間の軽減やフットワークの軽さという観点から、車があった方が便利です。

 

このようなものが、車を買うメリットとして考えられます。

 

逆に注意が必要なポイントは、

転勤の可能性はあるのか

遠方への転勤はもちろんですが、意外と盲点になるのが「東京23区外に勤務していたのに、23区内へ転勤になってしまった」という理由で、車通勤が難しくなるパターンです。

通勤用として考えている場合には、その点も含めて判断した方がいいでしょう。

 

子どもが大きくなったらどうするのか

子どもが小さいうちは、家族でそろって出かける場面も多いでしょう。

でも、部活や塾などに行き始めると、なかなか家族でお出かけという状況にはならないかもしれません。

 

ライフスタイルの変化があるのは、いつごろか

転勤や子どもの成長で、いつごろ車がいらなくなる可能性があるのかという点も、重要なポイントです。

数年は乗り続けられるようであれば、割安な中古車にし、乗らなくなったら売ることを前提にして買ってみるという選択肢も生まれてきます。

もし、手放すことを視野に入れて車を買う場合には、趣味に走らず、中古車市場で売れやすい車種を選んでおくのがいいでしょう。

 

まとめ-他人の判断軸ではなく、自分にとっての価値で決めよう

若者の車離れは、やむを得ずに・・・という側面もありますが、ある意味自分にとって価値のあるものにお金をかけるという、合理的な考え方に立っているとも言えますね。

 

今回は、車を持つべきかどうか、という観点からお話をしてきましたが、実は、この考え方は家を持つべきかという問題とも共通しています。

 

持ち家か、賃貸か? という点でも悩んでいる方は、あわせてこちらもどうぞ。

決して、車や家を買ってはいけない! ということではありません。

本当に必要か、トータルでのバランスはとれているか、という視点を持つことが大事です。

チェックポイント

  • 他人の目とか、ステータスとかではなく、自分たちの生活にとって、最も必要で有益なものは何か?
  • それを実現するために、これだけの金額を支払う価値があるのか?
  • 生活のバランスを崩してしまうような支出額になっていないか?

この考え方を軸にして、メリハリをつけて上手にお金を使っていきましょう。

 

お金は目的ではなく、手段だということを忘れてはいけませんね。

お金(で得られるモノやサービス)の価値を高めるかどうかは、自分次第なのです!

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