賃貸住宅の火災保険にまつわる基礎知識。きちんと仕組みを理解すれば、実はコストダウンが可能。解約返戻金もあるよ!

アパート

しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。

 

賃貸住宅にお住いの方は、賃貸契約を結ぶ条件として、「火災保険」へ加入していますよね。

賃貸契約の一環であるかのように、流れのままに契約をしていくことも多いので、いくら払ったか、どんな補償なのかについては、あまり意識をしていないという方もいるのではないでしょうか?

Misaki
正直なところ、私も以前は不動産屋に言われるままでした!

もったいなかったなー💦

もし、以前の私と同じなら、保険証券をひっぱり出してきてください。

一般的には、2年間の契約で1.6万円~2万円くらいは支払っていることが多いはず。

 

でも、ちょっと考えてみましょう。

  • 本当に保険には入らなきゃいけないの?
  • 安くする方法はないものなの?

普通に暮らしていると、なかなか教えてはもらえない、火災保険との向き合い方。

これから一緒に学んでいきましょう。

 

火災保険が必要なワケ。失火責任法について押さえておこう!

賃貸住宅の場合には、部屋そのものを所有しているのは大家さんですよね。

なので、部屋そのものに対する火災保険には、大家さんが加入します。

 

私たちが加入するのは、自分が運び込んだ「家財道具」が、火事で燃えてしまったときに備えるためのものです。

Tsubasa
じゃあ、私は絶対に火事なんか出さないから、契約しなくてもいいよね!
Misaki
その、謎の自信はおいといて・・・

法律上、自分ではどうしようもないことがあるから、ちゃんと備えておかないとダメなのよ!

 

例えば、賃貸アパートの隣の家で、コンセントにたまっていたホコリに引火して、火災が発生したとしましょう。

その結果、自分の部屋にも燃え広がり、家財はすっかり消失してしまいました 👿 

 

さて、このようなケースの場合、隣の家の人に損害賠償をしてもらえるでしょうか?

なんと、答えはNOなんです。

 

民法の特別法として、失火責任法というものが定められています。

正確には、「失火ノ責任ニ関スル法律」という、明治32年に作られた、たった1条しかない法律です。

民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス

とっても読みにくい、短い法律なのですが、意外とインパクトが強いんです。

 

カンタンに言えば、火災の場合には、故意や重大な過失がない限り、他人に対する損害賠償責任は問わないということです。

 

昔は、木造の長屋でしたから、一度火が出たら、隣家への延焼は避けられず・・・

それを賠償していたら、生活の再建は絶対にムリ。

どんなに気を付けていても起こる火事なら、仕方がないという理屈によるものです。

 

そして、もう1つ、賃貸借契約をする場合には、家を借りた人は、大家さんに対する原状回復義務を負っています。

退去するときには、元の状態に戻して返さないといけないということですね。

 

この2つの条件をもとに、整理してみると、

 

1.自分の不注意で、自分の部屋だけが燃えた場合

大家さんへの損害賠償責任が発生(原状回復義務)

 

2.他人の部屋からの、不注意による「もらい火」で被害を受けた場合

自分の家財は、自分で再調達しなければならない可能性あり(失火責任法)

部屋を退去するときには、自分で原状回復をしなければならない(原状回復義務)

 

3.自分の不注意で、自分の部屋と他人の部屋が燃えた場合

他人の部屋に対する損害賠償責任は負わないから、何もしなくていいや!

・・・というわけにはいかないことは、想像できますよね。

 

そもそも、重大な過失なのか、重大とは言えない過失なのかという点は、自分が勝手に決められるものではありませんし、場合によっては、重大な過失かどうかを争点に、裁判につながっていくことだって考えられます。

 

ちなみに、

  • 寝タバコをして火事になった
  • 天ぷらを揚げていて、台所から離れたため火事になった
  • 電気コンロをつけたまま寝ちゃって火事になった

などは、重大な過失と認定された事例です。

普通に考えれば、そんなことをしたら火事になっても仕方がないよね・・・というものであれば、十分に「重大な過失」となり得るわけです。

 

今まであげてきたような理由により、火災に対して保険で備えておくこと自体はマストです。

そして、賃貸住宅に住む場合には、

  1. 家財保険-自分の家財を買いそろえるための備え
  2. 借家人賠償責任保険-大家さんに対する賠償責任への備え
  3. 個人賠償責任保険-隣家などの他人に対する賠償責任への備え

この3点を押さえておく必要があります。

 

火災保険に入ることはマスト。でも、入り方の工夫はできる。

さて、延々と火災保険が必要な理由を確認してきました。

 

なぜ必要なのか、ポイントはどこなのかが見えてくると、次は

今の火災保険が自分に合っているのか?

ということを考えられるようになります。

 

これを踏まえて、先ほどあげた、備えておくべき3つの保険について、もう一度確認していきましょう。

 

家財保険は適正な補償額になっているか?

今の保険の補償額と、実際の持ち物とのバランスはとれていますか?

 

一般的には、今ある家財の総額がいくらくらいになりそうか、ざっくりと計算して、同程度の補償を目安にして考えてみればOKです。

でも、対象はあくまでも自分の家財。

ある程度貯蓄があって、いざという時には何とかなると思われるようであれば、最低の補償額にしておくのも1つの考え方ではありますね。

 

借家人賠償責任保険はマスト。だから家財保険はゼロにはできない。

借家人賠償責任保険は、物件の広さや構造によって保険料が変わってきます。

他で代替をしようがないので、加入はマストですね。

ただ、これ単体で加入することはできず、あくまでも家財保険のオプション項目になっていますので、家財保険には入らずに、借家人賠償責任保険だけに入るという選択肢はありません。

火災保険=家財保険+借家人賠償責任保険 だと思っておいてくださいね。

 

個人賠償責任保険はオプションとして欲しいけど、重複には注意が必要!

大家さん以外の他人に対して、日常生活で相手に与えた損害への賠償責任を補償してくれる保険です。

この補償自体は、つけておきたいところです。

でも、火災保険のオプションにする前に、すでに他の方法で「個人賠償責任保険」に加入していないか、一度確認してみましょう。

例えば、

自動車保険の特約として加入していないか?

クレジットカードの付帯保険で利用していないか?

もし、すでに別の方法で加入していれば、わざわざ火災保険として付帯しなくてもいいかもしれませんね。

 

必要な補償のイメージができたら、ネットで比較してみよう。

だいたい、どの程度の補償が必要なのか、イメージがつかめたら、賃貸住宅向けの火災保険をいくつか比較してみてください。

例えば、 価格.com 保険 で家財保険を検索してみると、

  • お部屋を借りるときの保険 4,000円/年
  • 住まいる共済 2,400円/年(個人賠償責任保険は別途)

なんてものが出てきました。

 

あとは、お住いの都道府県民共済もあわせてチェックするといいですね。

けっこうリーズナブルになるはずです。

 

もし、先に考えておいた条件に当てはまっていれば、2年で2万円払っていた保険料を、1.5万円くらい安くすることができちゃうかもしれません。

この差は、けっこう大きいです。

 

なぜ、不動産会社が紹介する保険が割高なのかというと、

  1. 本当は付けなくていい補償も含めた、フルパッケージになっているから
  2. 不動産会社に支払うマージンが上乗せされているから

という、実にシンプルで分かりやすい理由です。

 

自分でちょっと調べるだけで、支払うお金が格段に安くなる。

これって、知らなきゃ損ですよね。

 

ちなみに、大家さん(不動産会社)が、火災保険に加入しなさいと言うことはできても、保険会社を指定することはできません。

 

独占禁止法という法律により、わたしたち消費者は、自分のニーズに合った商品を自由に選択できることになっています。

なので、賃貸契約の際に、一言「保険は自分で探します」と言えばOKです。

(加入したかどうかの確認のために、保険証券のコピーを求められることはあります。)

 

でも、もしかしたら、指定の保険じゃないとダメだと言ってくる不動産会社もあるかもしれません。

 

その時には、

  1. なぜ、その保険会社じゃないとダメなのか、理由を尋ねてみる(たぶん明確には言えない)。
  2. 親族に損害保険会社に勤めている人がいて、その関係で契約するんです・・・などと、角が立たない理由を作って、やんわりと断ってみる。
  3. それって、独占禁止法に違反していませんかね~とやんわりと聞いてみる。

なんていう順番で対処をしてみるといいでしょう。

 

そもそも、保険のことであまりにも食い下がってくるような不動産会社なら、会社そのものが信用ができないということで、他を当たってみるくらいでもいいかもしれませんね。

 

既に入っている火災保険は、解約可能。解約すれば掛金の一部は戻ってくる。

あーあ、もう高い火災保険に加入しちゃった。次の更新は2年後か。

2年分支払ったけど、1年半で転居かぁ。保険に入り直しだな。

 

こんな感じで、がっかりした方はいませんか?

 

ここで1つ大事なこととして・・・

火災保険って、掛け捨てで戻ってこないものだと思っていませんか?

2年分とかをまとめて支払っていても、一般的には、期間の途中で解約をした場合には、月割りなどで解約返戻金が支払われます。

 

もし、不動産屋のパワーに負けて、一度は指定の保険に入らざるを得なかった場合でも、すぐに解約してしまって入りなおすという手があります。

今加入している保険が、実は割高だったという方は、ぜひ、乗り換えを検討してみてくださいね。

 

保険期間が残ったまま、引っ越しをすることになった場合には、

  1. 新しい住所に変更する手続きをして、既存の火災保険をそのまま適用する
  2. 新しい保険に入りなおして、既存の火災保険は解約する(解約返戻金を受け取る)

のどちらかを選びましょう。

 

賃貸借契約と一緒に手続きをするので、契約そのものがリンクしていると誤解されがちなんですけど、賃貸借契約と火災保険は別物です。

 

ただ、建物の構造が変わったり、住んでいる地域が変わったりすると、保険の条件が変更になり、保険料が変わる可能性があります。

そのまま継続するのがいいか、新しく入りなおすのがいいかは、状況に応じて判断が必要ですね。

 

保険の解約って、ものすごくハードル高そうだと思うかもしれませんが、そんなことはありません。

保険会社へ電話やWebから申し込むと、解約手続き用の書類が届くので、記入・押印して提出すれば終わり・・・という程度の手続きです。

帰ってくるはずのお金を捨ててしまうのは、もったいないので、しっかり手続きしましょうね。

 

まとめ-火災保険はとっても大事。加入はマストだけど、払いすぎている可能性があるので、要注意!

生命保険や医療保険は、公的な保険(遺族年金や健康保険など)が充実しているので、きちんと貯蓄で備えていれば、保険そのものが不要になることもあります。

 

でも、損害保険は、なかなかそうはいかないもの。

何かあったときに守られなかったり、損害補償の額があまりにも大きいことが多いんですよね。

 

だからこそ、きちんと備えておくべきではあるんですけど、本当に必要なレベルの補償なのか、余計なコストを払っていないのかという点は、ぜひ知っておきたいところです。

 

使えるお金には限りがあります。

だからこそ、本当に必要なものに、しっかりと大事なお金を回したい!

 

ぜひ、火災保険の保険証券をしっかり見てみて、本当に自分のための保険になっているかどうか、チェックしてみませんか?

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FP-Misaki
はじめまして、FP-Misakiです。

「お金のことを知ることが、最強の投資術。」

どこにでもいる、ふつうの会社員が、「入っていた生命保険が値上がりする」という宣告を受けたことをきっかけに、あれこれ学んでたどり着いた結論です。

よくあるパターンですが、新入社員のころに、保険のおばちゃんのパワーに負けて加入したものなので、正直よく分からない・・・
説明を受けても、信じていいのか不安になるだけ。

おばちゃんに頼るのはコワいから、自分で勉強してやろう!
こうして、血迷った私は FP(ファイナンシャル・プランナー)の勉強をはじめることに。

保険だけでなく、投資 / 節税 / 相続 / 年金 など、どれも知らなきゃ損することばかり。
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もっと気軽に、楽しくお金の話をしていきたいな・・・
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保有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 宅地建物取引士
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