医療保険を適正化するために、元気な人ほど知っておきたい入院にまつわるお金のはなし

医師と看護師

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しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。

 

突然ですが、医療保険って加入していますか?

  • どれくらいお金がかかるか分からないし、なんとなく心配だから入っている。
  • 保険外交員から、「2人に1人はガンになる」「女性特有の病気には保険で備えないとダメ」なんて言われて、その気になった。

 

などなど、実際入院するとどうなるの? ということは、あまり考えないままに、保険に入っている方もいらっしゃることと思います。

Misaki
昔の私は、保険のおばちゃんの言いなりでした💦

 

一方、最近では、「一定の貯蓄があれば、医療保険は不要」という、医療保険不要論を唱える方も増えてきましたね。

その根拠となるのが、高額療養費制度など、実は健康保険が充実していること。

どんなに医療費が大きくなっても、自分が負担する1か月あたりの医療費には、一定の上限があるからです。

 

高額療養費について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。

 

正直なところ、医療保険で備えるべきかどうかは、その方の置かれている状況によります。

貯蓄はもちろんですが、健康保険からの給付がどこまで出るのか、全額自己負担になる「先進医療」にも備えたいのかなど、前提条件によって変わってきてしまうんです。

 

一番大事なことは、現状をしっかり把握して、必要なレベルにあわせて備えること。

でも、健康な人であればあるほど、入院するとどうなるのかなんて、なかなかイメージがつかないですよね 😥 

 

そこで、1つの短期入院のサンプル事例を見ることで、より具体的に自分事に置き換えて考えるためのヒントにしてみたいと思います。

 

Tsubasa
そんな都合いいサンプルなんてあるの?
Misaki
うん、実は私が最近6日間の入院を経験したの。
Tsubasa
あ、、、それはリアルだね。

ということで、具体的な事例を見ながら、どんな備えがあるといいのか・・・など、入院生活についてのイメージを元気なうちに膨らませておき、医療費への備えの参考にしていきましょう!

 

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突然の短期入院を支えてくれたのは、事前知識。心配事は1つでも少ない方が治療に集中できる!

さて、まずは前提条件をまとめてみますね。

前提条件
  1. めまいと嘔吐が激しく、自力で動けなくなる。
  2. 救急車で、ER(救急治療室)に対応している地元病院へ搬送される。
  3. 症状が改善せず、ER病棟で1泊入院。
  4. その後、一般病棟へ移って、MRIやX線検査、聴力検査等の各種検査を受けて、経過観察。
  5. トータルでの入院は6日間。食事と栄養点滴を併用。

ざっとこんな感じです。

 

もちろん、これは最終的な結果論。

退院までの日数は、入院時には未定の状態でした。

退院前日になって、明日退院してみよう! って決まった感じです。

 

体を起こしたり、目を開けるとめまいが襲ってきますので、基本的には目を閉じて、じっと寝ています。

なので、ひたすら目を閉じながら考え事をして過ごす(か寝ている)しかないワケです。

 

もし、何の事前知識もなく、この状況になっていたら、

Misaki
こんなに検査したけど、いったい入院費っていくらかかるんだろう?

 

銀行からすぐにおろして払えないくらいの額になったらどうしよう?

などと、不安な思いで過ごすことになっただろうなーと思うのです。

 

でも、月額の医療費負担上限額が、しっかり見えていたおかげで、お金の心配はほとんどせずに過ごすことができました。

 

しかも、ありがたいことに、クレジットカード払いに対応しているとのことだったので、現金の持ち合わせがなくても大丈夫ということで、すっかり安心できたのです。

Misaki
楽天スーパーポイントが貯まるなぁ・・・なんてことを考えていたのはナイショです

もう一つ、長期積立投資にしていたのも大きかったですね。

もし、私がスイングトレードやFXをやっていたとしたら、入院中は気が気ではなかったことでしょう💦

 

長期インデックス投資の場合、私が入院していようが、淡々と積み立ては行われていますし、その間に相場の上げ下げがあろうが気にする必要もないワケです。

 

その他、必要な振り込みは自動振り込みで登録していますし、公共料金もカード一括払いがほとんどですので、何かの支払いを延滞する心配もない。

お金回りは、しっかり仕組み化をしていたおかげで、当面は放っておいても安心でした。

 

  1. 医療費にまつわる事前の知識
  2. なるべくほったらかしですむ仕組みづくり
  3. 当面、残高チェックをしなくても困らないだけの生活防衛資金

 

これらの威力は絶大でした。

入院に至るような状況の場合、どうしても気持ちの面では弱りますし、余計なことをあれこれ考えがちです。

治療に集中するためにも、心配事は1つでも少ない方がいい。

 

これは私の実感です。

元気なときの備えって、本当に大事だなぁと感じる、いい経験でした。

 

短期入院でかかったお金は、どれくらい?

結果として、6日間の入院生活を終えて退院するまでの間に、いったいどれだけのお金がかかったのでしょうか。

医療費はもちろんですが、周辺の費用だってかかります。

 

治療費以外のお金と、あると便利な備え

入院すると、まず直面するのが着替えをどうするかという問題です。

もちろん、入院することが分かっていれば、きちんと用意すればいい話です。

でも、今回のような救急の場合には、そうはいきませんね。

 

良くできたもので、ちゃんとレンタルサービスが用意されていました。

浴衣または甚平とバスタオル、フェイスタオル、吸い飲み、コップ、院内シューズなんかがセットになった「基本レンタルセット」なんてものが用意されていました。

金額は、1泊500円くらいからの設定でしたね。

でも、こういうレンタルを使う場合には、勢いでセットにはせずに、必要最低限で考えた方がよさそうです。

ちゃんと単品でのレンタルもありました。

 

日用品では、シャンプー・リンスや歯磨きセットなどが必要になってきます。どこまで家から持ってきてもらうかによりますが、ちょこちょこと買い求めることになると思っておいた方がいいでしょう。

 

そして、病院生活には現金(小銭)は持っておきたいです。

コンビニがワゴン販売で病棟まで来てくれたのですが、支払いは現金のみでした。(ポイントも付きません 😉 )

 

ベッドの脇にテレビがあるのですが、見るためには1,000円で15時間くらい見られるテレビカードを買う必要があります。

周りの迷惑にならないように、イヤホンを差すのが必須でしたので、持っていなければ買うことになります。

 

生活面で、一番困ったのはスマホの充電でした。

一応、充電器があればコンセントを使って充電してもOKということになっています。
(利用は所定の場所からのみ。病室での通話はNGです。)

 

街ではすっかり見かけなくなった公衆電話が、病院内にはわりと豊富に置かれていますので、電話だけなら公衆電話を使うなど、使い分けながら節電することも可能です。

 

今回の入院経験から、日常的に持っていると安心だと思ったものをまとめてみます。

  1. 健康保険証(これは絶対に持っておきたい)
  2. お薬手帳(通院歴、服薬歴が明確にお医者さんに伝わる)
  3. 電池式などの、スマホ充電器(災害対策としても便利)
  4. 歯磨きセット
  5. ある程度の小銭(日常、電子マネーをメインにしていても、少しだけ持っておくといい)
  6. iPodやWALKMANなどとイヤホン(スマホ以外の気分転換グッズ、ラジオが聞けるとなおいい)

入院費用支払の流れと、費用の明細

退院が決まると、前日のうちに概算の入院費用が書かれた「入院費概算連絡票」というものが渡されました。

このくらいは見込んで、払えるように準備しておいてねという意味で、事前に伝えられるもののようです。

 

そこには、95,000円と書かれていました。

健康保険証を提示していたので、自己負担額(=3割)の状態で、概算が計算されています。

 

 

金額を見た感想はどうでしょう?

ご自身の予想とあっていましたか?

 

私は、全く根拠はないままに、10万円くらいかなぁと予想していたので、だいたいイメージ通りという結果でした 😀 

 

クレジットカードで払うだけでしたので、特に何も準備は必要ありませんでしたが、現金で支払う場合には、事前にATMで引き出しておくなど準備をしておくことになりますね。

 

ちなみに、私は一般病棟でしたので、個室ではありませんでした。

でも、ベッド間はカーテンで区切られており、きちんとカーテンを閉めておけば他の患者さんと目が合うようなことはありませんでしたので、短期の入院であれば、それほど苦痛ではありませんでした。

もし、個室に入院するようでしたら、費用面は変わってきます。

 

余談ですが、カーテンで区切られた空間内に、テレビや金庫が用意されていました。

貴重品は金庫に入れて管理をすることが可能ですので、お金を盗まれないかと怖くて眠れない・・・なんてことにはならないです。

 

翌日の朝、いよいよ退院ということで、正確な計算書が渡されます。

 

総額は84,100円でした。

 

概算の時点は、少し多めに見積もるようにしているのでしょうね。

 

入院費の内訳は、領収書からカンタンに読み取れる! そして最終的な自己負担額はどうなるか

病院から領収書をもらうと、診療費内訳が点数表記になっていますよね。

だから内訳って、よく分からない・・・なんて思っていませんか?

 

実は、意外とカンタンに計算できちゃいます。

1点=10円です

初診料 512点=5,120円
入院費用 2,020点=20,200円
医学管理料 305点=3,050円
画像診断 70点=700円
投薬 20点=200円
包括診療分 23,113点=231,130円
保険点数合計 26,040点=260,400円
自己負担額 260,400円×0.3=78,120円

食事療養費 1食460円×13食=5,980円

78,120円+5,980円=84,100円

 

 

入院費の計算方法について、少し補足しておきますね。

 

入院時の食事療養費(=病院のお食事)は、一律で単価が定められています。

平成30年4月から値上がりし、1食360円から1食460円になりました。

ただし、住民税非課税世帯の方は、もう少し単価が下がります。

 

包括診療分というのは、実際の医療行為とは無関係に、特定の疾患に対して定められた定額が支払われる計算方式のことです。

 

事前にパッケージ価格が設定されているイメージですね。

 

以前は、完全出来高払い方式が基本でした。

治療行為をすればするほど、お金が高くなるワケです。

そのため、医師ごとに診療の中身が変わってしまいますし、利益主義(=過剰診療)に走ることもあったようです。

 

そこで、一連の医療サービスをひとくくりにして評価し、疾患ごとに決められた入院1日あたりの医療サービス費用を決めてしまうという方法を国が推奨しているのですが、今回の入院費では包括診療費が取り入れられていることが分かります。

 

ただ、全てがパッケージ化されたわけではなく、パッケージに含まれない部分は、従来通り出来高払い方式です。

入院医療費は、基本となる包括評価部分と追加の画像診断等に関する出来高部分の両方が併用されて算出されているのです。

画像診断700円とか、投薬200円とか、やけにお安いのは、包括部分を超えた分だけだからなんですね。

 

ということで、退院の時点では84,100円をお支払いしました。

 

ここから先は、一度支払ったお金を回収する作業に入ります。

基本的には、申請しないと戻ってこないことが多いです。

ちゃんと調べて申請をしないと、ソンしちゃいますよ💦

 

組合健保の付加給付

高額の医療費を支払った場合、健康保険からどれだけの給付金があるかは、しっかり確認しておきましょう。

 

大企業や同業の会社が共同で設立するなど、独自の健康保険組合を持っている会社にお勤めの場合には、付加給付が用意されていることが多いです。

健康保険組合によりますが、月額の医療費自己負担額が2万円~2.5万円を超えた場合、超えた分は給付されるという仕組みを取り入れていることが多いです。

 

私の会社の組合健保は、自己負担が2万円を超えたら、超えた分は給付されます。

要は、今月支払う入院費が10万円かかっても、20万円かかっても、私が今月分として最終的に支払う医療費は、2万円を超えることはないんです。

 

これが、のほほんとしていられた最大の理由。

健保組合に確認したところ、医療機関からの請求(レセプト)に基づき、自動的に計算されて、4か月後に支給されるとのことでした。

 

この辺は、申請が必要かどうかなど、所属している組合健保によって異なります。

今回のケースの場合、4か月間6.5万円を立て替え払いしている状態でも十分に持ちこたえられる貯蓄があれば、心配いらないということになりますね。

 

もし、もっと長期の入院になるなど、いったん支払うのが厳しいぞという場合には、限度額適用認定証を早めにもらっておきましょう。

限度額適用認定証ってなあに? という方は、こちらをご覧ください。

会社独自の医療保障制度

組合健保とは別に、会社が独自に医療保障制度や見舞金制度を用意している場合があります。

私の会社は、入院5日目から給付が受けられる制度があります。(1日につき8,000円)

こういうものは、申請しないともらえないことが多いので、しっかり押さえておきましょう。

 

申請をするためには、入院証明書や診断書など、医療機関の証明書が必要になる可能性があります。

慌てなくても、退院後に手続きすれば証明書を受け取ることが可能です。

 

ただし、発行までには2~3週間くらい時間がかかりますし、わりと費用もかかります。

見込みで取得することは避け、医療機関の証明書は何が必要か? という点を、早めに情報収集をしてから動き出すといいでしょう。

 

共済保険の医療費支援

共済保険の医療保障に加入していましたので、自己負担額のうち2万円までは保険から給付されることとなっています。

 

ということで、今回の医療費については、実質自己負担なしですむ見通しとなっています。

 

ただ、共済保険の給付金を除いても、十分に医療費負担には耐えられますので、掛け金を払い続けることとの費用対効果を考えると、共済保険に加入する必要性がないと言えます。

毎年、掛け金として支払っていた金額分を、積立投資に回し、自分で備えておく方が効率はいいですよね。

 

実は、次の更新のタイミングで解約しようと思っていたのですが、その前にまさかの入院をすることとなったのでした 😥 

 

まとめ-状況は常に変わり続ける。医療保障の動向には注意が必要。

私の事例の場合、組合健保の付加給付が非常にありがたい存在となっていますので、きちんと貯蓄をしていれば、医療保険はいらないという判断が可能です。

 

協会けんぽや国民健康保険の場合には、高額療養費制度の月額上限を参考にしながら、貯蓄額とのバランスを見て、保険が必要かを判断するのがいいでしょう。

 

ただ、組合健保加入者の方が気を付けなければいけないのが、組合健保がいつまでも存在するとは限らないということです。

 

現に、直近では人材派遣健保が2018年度末をもって解散することが決定しました。

 

現状、多くの組合健保は赤字です。平成29年度の組合健保収支を見ると、7割の組合が赤字という状況です。

もし、自社の組合健保が解散したら、それでも耐えられるだけの備えをしておく必要が出てきますよね。

こんな感じで、状況はどんどん変わってくる可能性があるということは、頭に入れておいた方がいいでしょう。

 

保険は一度入ったら放置・・・ではなく、状況が変わったら見直すものだと考えておくのが大事なこと。

そのためにも、日々のニュースや情報には、しっかりアンテナを貼っておきましょう!

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大空みさき
はじめまして、大空みさきです。

「お金のことを知ることが、実は最強の投資術。」
ふつうの会社員だった私が、生命保険の値上がり宣告をきっかけにFPの資格を取って、たどり着いた結論です。

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