奨学金、返済しないとどうなるの?

お金の管理

奨学金という制度は、その本質をきちんと理解したうえで、上手に使わなければいけません。

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2018.03.13

借りる」タイプの奨学金を利用すると、当然「返す」必要が出てきます。

100万円借りたら、100万円返せばいいわけではなく、利息」というプラスアルファのお金まで必要になってきますが、これがけっこう大きな負担なんです。

お金を借りるということの意味を、ここでしっかり押さえておきましょう!

 

利息ってなんだ?

お金というものは、不思議なもので、「今手元に持っている100万円」と「5年後に手に入る100万円」の価値は違ってきます。

 

それはなぜでしょう?

 

もし、今100万円を持っていた場合、それを元手に投資や預金をして増やすことができますよね。

ですが、5年間100万円を誰かに貸してしまったら、貸している間はお金を増やす機会を失うことになります。

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そのため、今使うお金を借りる場合には、将来「色を付けて返す」というのが基本的な考え方です。

それにあたるのが、「利息」です。

 

利息は固定額ではなく、年率〇〇%というように、割合で表されます。

さらに、毎月少しずつ返済をしていく場合、残額に対して利率が計算されていくため、最終的にいったいいくら支払うのか、よく分からなくなってしまいます。

そこで、奨学金を借りる前には、必ず「どれくらいの返済になるのだろう?」というシミュレーションをしてみることが大切です。

 

返済のイメージをつかもう

まず、大事なこととして、利息ありの奨学金は、いわゆる借金ではあるものの、一般的に銀行などから借り入れをする場合に比べると、優遇されている部分があることは知っておいてください。

優遇Point
 ✔ 在学中の利息は発生しない
 ✔ 利率は低めに設定されている

平成29年度における教育ローンの利率と比較してみましょう。

  • 国の教育ローン(日本政策金融公庫) 固定金利 年1.76%
  • 第二種奨学金(日本学生支援機構)  固定金利 年0.27%

まあ、少ないよね~ 😉 ということは分かりますが、どれくらい違うのかは分かりませんよね。

 

日本学生支援機構のサイトに、奨学金貸与・返還シミュレーションが用意されていますので、実際に計算してみると、一目瞭然です。

ケーススタディ
入学時特別奨学金 50万円
月々5万円を4年間
機関保障制度を利用する

この条件で、先ほど比べた教育ローンの年1.76%と、奨学金の年0.27%を使ってそれぞれ計算してみましょう。

年1.76%の場合

290万円の借り入れに対して、返済総額は340万円+50万円

年0.27%の場合

290万円の借り入れに対して、返済総額は298万円+8万円

 

利率の違いによって、返済額が大きく変わるんだ!ということが、リアルにイメージできますね。

教育ローンを借りるよりは、返済額はだいぶ少なくなる(=優遇されている)のだなということは理解できました。

 

じゃあ、奨学金ならたくさん借りても大丈夫!と言えるでしょうか?

この事例で考えると、社会に出て仕事を始める前に、既に約300万円の借金を背負っていることになります。

ちょっと怖いですね 😥

 

月々15,000円ずつ返済した場合、返済完了までに200か月。16年と8か月かかります。

22歳で卒業したとして、返済が終わるのは39歳の時・・・とてつもなく長く感じます。

結婚して、お子さまを育てながら、まだ奨学金の返済を続けていると考えると、どうでしょう?

 

もちろん、しっかり稼いでたくさん返済していけば、もっと早くに終わらせることはできます。

ですが、社会に出てすぐの、まだお給料も高くない時期に、月々1.5万円の返済をしていくためには、しっかり支出を抑えないとクリアできません

 

借りる前も、借りた後も、計画性が何よりも大切なんです!!

 

こうして具体的に見ていくと、借りたお金を返す生活というものが、リアルにイメージできたのではないでしょうか?

 

借りるかどうかは慎重に考えなければならないということが、実感いただけたことと思います。

社会人になる前に、多額の借入金を背負って世に出ていくことになるという事実は、決して忘れてはいけません。

 

返せなかったらどうなるの?

当たり前ですが、借りたお金は返さなければいけませんね

きちんと返済していれば問題ないのですが、返済が滞ると大変なことが起こります。

お金を借りた時に発生する責任というものも、しっかり理解しておきましょう。

 

通常、お金を借りた場合には、「個人信用情報機関」へ個人情報個人信用情報が登録されます。

個人情報とは、
氏名・生年月日・性別・住所・電話番号・勤務先など

個人信用情報とは、
ローンやクレジットカードなどの借入状況、借入金額、最終返済日、返済状況などです。

 

もし、銀行などでローンを借りた場合、借入の段階で「個人信用情報機関」へ情報が登録されます。

 

日本学生支援機構の奨学金は、借りた段階では登録されません。

ところが、延滞をすると「延滞者」として登録されることになるのです。

 

個人信用情報を取り扱っているのは、次の3社です。

◎ 全国銀行個人信用情報センター

日本学生支援機構、銀行、信用金庫、農協などが加盟

 

◎ JICC (株)日本信用情報機構

貸金業、クレジット会社、保証会社などが加盟

 

◎ CIC  (株)シー・アイ・シー

クレジットカード会社、携帯電話割賦、信販会社、リース会社、消費者金融などが加盟

 

3つのうち、全国銀行個人信用情報センターというところに、日本学生支援機構が加盟しています。

 

それ以外の会社には登録していないのですが・・・

実はこの3つの会社はCRIN(クリン)というネットワークで結ばれています。

現在延滞中」の情報は、3社で共有されてしまいますので、奨学金で延滞中のフラグが立つと、お金を借りる場面のほぼ全てに対して影響が生まれます。

 

例えば、延滞者として登録されることにより、

  • クレジットカード発行の審査に通らなくなる
  • 持っているクレジットカードの利用が止められてしまう
  • 住宅ローンが組めなくなってしまう

なんていうことになる可能性があるのです。

 

延滞の情報は、「3か月以上連続で奨学金を滞納している人」が登録対象となります。

たった3か月・・・油断していると危険ですね。

 

延滞の記録は、返済して解消されたとしても、5年間は残り続けます

「過去に延滞をした人」という視点で見られ続けるわけです。

 

 

延滞をすることの恐ろしさは分かってもらえたでしょうか?

もし、生活が苦しくなって、返済が滞りそうになったときは、早めの段階で日本学生支援機構に相談をしてください。

 

借入自体がなくなることはありませんが、一時猶予などの対応をしてくれることがあります。

つまり、延滞者にはならなくて済む可能性があるのです。

 

話をするのが怖いとか、嫌だからと逃げ続けてしまうと、結果として自分の信用情報に深い傷をつけてしまいます。

 

おわりに

夢も希望もない・・・と思われたかもしれませんが、現実を知っておき、リスクを避けることは大事なことです。

借りるタイプの奨学金を使う場合には、

  1. 必要最低限の金額を借りる
  2. 借入金だということをしっかり意識する
  3. 返済に困ったら、逃げずにすぐに相談する

ということをしっかりと心に刻んで、借りる本人の意思で、利用するかどうかを判断しましょう。

これが、お金を借りることに対する責任です。

 

借入金を背負って社会に出ていくということは、それなりの重しを背負っている状態です。

 なぜ大学に行きたいのか?

 大学で何をしたいのか?

 どこに行けばそれが実現できるのか?

これらをきちんと考えたうえで、どの大学に行くかを判断してください。

 

奨学金とは、数百万円を超える大きな自己投資です。

使い方を間違えなければ、結果として生涯年収を増やすことができるようになるかもしれませんよね。

奨学金の重みを理解し、学ぶ意義について考えて判断していれば、有意義な大学生活を送ることができるでしょう。

あまり考えずに借りてしまえば、大きな浪費につながりますので注意が必要です。

 

大学に行くことによる効果を最大限に引き出すためにも、こちらを合わせてご覧ください。

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