新社会人が知っておきたい、お金の知識-その3 なぜ、貯蓄が薦められるのか

羽ばたく

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こんにちは、みさき(@fpmisaki2)です。

 

4月から新社会人となり、学生時代とは全く違う生活スタイルに日々緊張しながら過ごしている方は多いでしょう。

 

まずは、社内研修や配属された職場で仕事を覚え、社会人としてのマナーを身に付けていく・・・という苦労の真っ最中ですよね。

 

仕事を覚えることはもちろんなのですが、

もう1つ、とっても大事だけれど、意外と教えてもらえないことがあります。

それは、お金との上手な付き合い方。

 

もちろん、今までもアルバイトなどで、お小遣いを稼ぐということはしてきたと思います。

でも、自分の収入で生活し、自分の力でお金を管理していくということは、初めての経験になるでしょう。

 

やみくもに感覚でやってみるよりも、基礎的な知識は身に付けたうえで実践するのが上達の近道。

 

本当は、会社の福利厚生として、お金の研修があればいいのですが、そういう会社はまだまだ少ない。

 

ということで、新社会人の課外授業という位置づけで、「お金の研修」シリーズをお送りしています。

 

第1回は、手取り額はどう変わる?

4月に口座に振り込まれる「初任給」をベースに生活設計をしてしまうと、痛い目にあいますよ! という大事なお話しでした。

 

第2回は、銀行口座の使い方

入ってきたお金を、何も考えずに使っていると、

「お金の出し入れをするたびに、お金が減っていく」という

恐怖のスパイラルが生まれてしまいます。

 

そして、今回は第3回目。なぜ、貯蓄が薦められるのか?

いろんな人から「貯蓄しろ」って言われる一方、若いうちはお金を使えとも言われたりする。

私はいったいどうすればいいんだろう?

 

そもそも、何でお金を貯める必要があるのかなんて、あんまり考えたことがないですよね。

 

貯蓄をすると、どんな点で有利になるのか?

お金の持つ性質も含めて、ちょっと考えてみましょう。

なんとなく貯める! という状況よりも、明らかにモチベーションが変わるはずです 😉 

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「今、自由に使えるお金」には価値があるということ

実は、お金の価値というものは、ずーっと一定ではないんですよね。

 

条件が変わることで、その価値が上がったり下がったりする。

 

だから余計に、お金の話は難しく感じるワケです。

そんな条件の1つとして、

今、自由に使えるものが最強!

という、時間を軸にした観点があります。

 

例えば、100万円を5年間、だれかに貸したとしましょう。

お金を貸してしまったら、「今、自分が好きなように」使う権利を失うわけですね。

 

この5年間は、100万円を活用して投資でお金を増やしたり、事業を起こす元手にしたり、好きなものを買ったり・・・と、自分のために使うことができません。

こんなに不利な状況なのに、5年後に戻ってくるのは100万円のまま。

これだと、お金を貸すのがイヤになりますよね。

 

だから、5年間お金をつかう権利を渡す代わりに、貸したお金とは別に毎年3%分を支払って!

これが利息の考え方です。

 

このケースだと、

5年間100万円を自由に使う権利を、年あたり3万円で売った。

そんなふうに言い換えることもできますね。

 

逆に、自分がお金を借りる立場になったら、色をつけて返さないといけなくなります。

これが利子です。

コラム ~利息と利子の違い~利息は、貸した人が受け取るもののこと。例:預金の利息を受け取る

利子は、借りた人が支払うもののこと。例:ローンの利子を払う

 

これが基本なのですが、同じお金を指す場合でも、どっちの立場に立つかで呼び名が違ってくるので、ごちゃつきます・・・

結果として、使い分けは曖昧になることも多いです。

 

ちなみに、銀行に預金した場合は、利息と表現され、

ゆうちょ銀行に貯金をした場合には、利子と表現されます。

 

利子や利息が発生する現実を踏まえつつ、

もしも毎月の給料をもらうたびに、ほとんど使い切っていたとしましょう。

 

そんなとき、

  • 急に入院をしなければならなくなったり
  • 結婚式に招待されて、礼服が必要になったり

予定外の大きなお金が必要になったら、足りない分は「借りる」しかありませんね。

そうすると、利子という余計な出費が積み重なります。

 

「借金」という言葉がつけば、さすがにマズイと考えるのですが、世の中には借金という感覚を持ちにくい方法も存在しています。

例えば、クレジットカードのリボ払い

これは、どれだけお金を使ったとしても、毎月の支払額は、自分で設定した一定額で済むという支払い方式です。

10万円分買ったとしても、毎月1万円支払いと設定していれば、口座からは1万円しか引き落とされません。

Tsubasa
わーい、余裕じゃん! 買い物しまくろう。
Misaki
ぜーーーったいダメ!!

分かりにくいけど、ものすごい利子を払いながら返済していくことになるんだからね。

 

このケースだと、残った9万円分は、クレジットカード会社に借りている状態です。

当然、その分の色を付けて返さなければなりません。

これを金利手数料と呼びますが、なんと年率で15.0%前後もかかります。

 

10万円のリボ払いを、毎月1万円ずつ支払った場合には、最終的な支払総額は10万6,706円になってしまうんです。

 

Misaki
リボ払いは、なかなか借入元本が減らないから、金利手数料が増え続けるという恐怖のサイクルになりがちです!

安易に使っちゃダメですよ。

もしも、きちんと貯蓄をしていたら、

急な出費があったとしても、自分の「貯蓄」から支払うことができますよね。

余計な6,706円を支払うことなく、自分のために使うことができます。

Tsubasa
7,000円近くあれば、美味しいご飯が食べに行けるね。

これが金利手数料になっちゃうのはもったいない。

生活をしていると、出ていくお金は常に一定ではなくて、

どうしても一時的に大きなお金が必要になる場面があります。

 

そういうときに、お金を借りることなく、自分で支払える力があれば、余計な「利子」を支払わなくて済むのです。

 

一定額の貯蓄をしておくことで、自分が使えるお金が減らない!

そう考えると、ちょっとやる気が出てきますよね。

 

貯蓄があれば、前払い方式でお得にできる!

Amazonプライム会員になりたいな。

そう思ったとして・・・価格表を見てみると、

  • 月間 500円
  • 年間 4,900円

が選択できるようになっていました。

 

月額 500円×12か月=6,000円ですので、

年間一括払にすれば、1,100円お安くなりますね。

 

このように、前払をすることで、トータルでお安くできる料金設定は、けっこうあちこちで取り入れられています。

 

  • もしも途中で解約した場合、返金はあるのか?
  • 本当に1年間使い続けるものなのか?

 

など、しっかり確認してから決めることが大事ですが、

 

どうせ利用する(=お金を払う)ものなら、前払いの恩恵を受けた方がいいですよね。

 

ただ、問題は、前払いができるだけのお金が、手元にあるかどうか。

いくらトータルで安くなるからと言って、普段の生活に必要なお金がなくなってしまったら、元も子もありません。

Amazonプライムの価格くらいなら、やりくりもしやすいですが、単価が上がってくるとハードルが高くなります。

Misaki
その分、お得になる金額も大きくなる傾向にありますけどね。

例えば、ふるさと納税という、税金の控除が受けられる制度があります。

  1. 地方自治体に寄付をすると、お肉やアイスなどの「お礼の品」がもらえる
  2. 確定申告をすれば、寄付した金額-2,000円分の税金が戻ってくる
  3. 結果として、2,000円の自己負担で、高級牛肉や高級アイスを食べられる

ざっくり言えば、こういう制度です。

 

寄付額は、年収に応じて一定の上限額が決められていて、年収300万円の独身の方だと、約28,000円が上限となっています。

そして、収入が増えていけば、寄付できる上限額は上がっていく傾向にあります。

 

実にお得だなぁとは思うのですが、これもお金を「前払い」しなければなりません。

  1. 地方自治体へ先に数万円の寄付を支払い、
  2. 翌年1年間かけて、税金の減額等で回収する

というお金の流れなんですね。

つまり、前払いで寄付ができるだけの貯蓄がないと、お得だと分かってはいても活用できない・・・ということです。

 

このように、前払いをすることで、お得になる制度というものは、

情報収集をしっかりすれば、あちこちに転がっています。

 

前払いができるだけの貯蓄をしっかり持っていて、情報を集めている人は、さらにお金が貯まっていく・・・

 

この現実に気が付いているかどうかは、生涯で使えるお金に大きな影響を及ぼしますね。

 

 

貯蓄があれば、お金に働いてもらうこともできる!

貯蓄があれば、余計な借金をしなくて済む → 利子を払わなくて済む

貯蓄があれば、前払い方式を活用できる → 支出を減らすことができる

 

これだけでも、出ていくお金を減らすことができるので、自分のために使えるお金を増やすことにつながります。

加えて、一定額の貯蓄ができたら、収入を増やす方法にもチャレンジしやすくなるんです。

 

会社に勤めている場合、私たちは働くことの対価として、会社から収入を受けていますよね。

所属できる会社は、基本的には1社。そして自分は1人。

会社が傾いたり、自分が体調を崩したりしたら、一気に収入は不安定になります。

 

働き手を増やすには、どうしたらいいんだろう?

そうだ、お金に働いてもらおう!

Tsubasa
ちょっとぉ、何言っているか分からないんですけど~
Misaki
ごめんごめん。ちゃんと説明します!

一番最初に、お金を借りたら利子を払うけれど、お金を貸したら利息が受け取れる。

そんなお話しをしましたよね。

 

つまり、お金を貸す側に回れば、お金を増やすことができるということです。

これを、お金に働いてもらうと表現していました。

 

お金に働いてもらう方法としては、株式や債券への「投資」という方法があります。

投資と言うと、FX、仮想通貨、短期的な株式売買などがイメージされやすいですよね。

 

これらの方法だと、ごくごく一部の才能がある人が、徹底的に分析などの努力を積み重ねた結果として、利益を出すことはあっても、一般人にはなかなか難しいところがあります。

私たちのような、会社員としてのお仕事がメインの人には、向いていないのが正直なところです。

 

 

結果として、長い時間を味方につけて、インデックス投信を積み立てていくという方法が、もっとも続けやすいと言えるでしょう。

そんなこともあり、今は国が主導して、つみたてNISAイデコという、投資を生活に取り入れやすい仕組みが整備されてきています。

本来なら払わなければいけない税金が免除されるなど、私たちに有利な条件も多いですね。

Misaki
もちろん、ものごとにはメリットもデメリットもあるから、しっかり理解しないとね。

 

これがとっても重要なのですが、

お金に働いてもらう「投資」という方法は、右肩上がりにお金が増えていくものではありません。

時には、元本割れするほど大きく値下がりするという「リスク」があり、育つまでに長い「時間」を要するものなのです。

 

だからこそ、10年以上の間、そのお金を使わなくても、生活には困らない!

そんな、余力がある分でなければ、働きに出すのは避けたいんです。

 

お金に働いてもらう仕組みを安心して取り入れるためにも、まずは手元の貯蓄をしっかり固めることが大事です。

投資にチャレンジするのは、一定の貯蓄ができてからでOKですよ!

Misaki
時間はたくさんあるから、慌てずに1歩ずつですね。

 

貯蓄の第一目標は、生活費の4か月分にしてみよう-そのワケとは?

貯蓄があれば、余計な借金をしなくて済む → 利子を払わなくて済む
貯蓄があれば、前払い方式を活用できる → 支出を減らすことができる
貯蓄があれば、お金にも働いてもらえる → 収入を増やすことができる

 

このサイクルが作れると、だんだんお金が集まりやすい状態になってきます。

Tsubasa
分かったよ~、先に貯蓄します。

でも、貯蓄額の目標って、いくらくらいにすればいいの?

Misaki
そうね、まずは生活費の4か月分を目指すのがおススメよ!

手取り収入ではなく、生活費の4か月分というのがポイントです。

ちょっと例をあげて計算してみます。

手取り収入が17万円、生活費が15万円だとしましょう。

残り2万円を貯蓄に回します。

15万円×4か月=60万円 これが貯蓄目標額。

毎月2万円だと、2年6か月でクリアします。

同じ手取り収入17万円でも、生活費が14万円だとどうでしょうか?

残り3万円を貯蓄に回します。

14万円×4か月=56万円 これが貯蓄目標額。

毎月3万円だと、1年7か月でクリアできました!

なんと、達成までの時間が11か月も短くなりましたね。

 

生活費を抑えることができれば、結果として貯蓄目標達成までの時間も短くなるのがお分かりいただけましたでしょうか?

 

だからと言って、食費を抑えるためにロクなものを食べないとか、引きこもり生活を続けるなんていうのは避けましょう!

お金は、健康で楽しく暮らすための手段なのですから。

 

生活費を抑えるコツは、毎月固定で支払うお金に着目することです。

  • スマホ代、光回線代(格安スマホ&デザリング利用)
  • 家賃や光熱費(家賃の水準を上げすぎない、電力会社などを見直してみる)
  • 保険代(基本的に、独身のうちは生命保険や医療保険は加入不要)

この辺を工夫するだけで、生活費はぐっと下がります。

Tsubasa
でもさぁ、なんで4か月分なの?
Misaki
それはね、万が一、失業したときの備えにちょうどいいから

入社したばかりで、希望に満ち溢れているところに言いにくい話ではありますが、

人生何が起こるか分かりません。

 

もしかしたら、入社してしまった会社が超ブラック企業かもしれないし、

都心に出て就職したものの、どうしても田舎に戻らなきゃいけない状況になるかもしれない。

 

何らかの事情で、今の会社を辞めなければいけなくなったとき。

または、自分を守るために辞めたいと思ったとき。

次の就職先を探すまでの生活に不安があれば、その一歩を踏み出すことができなくなりますよね。

 

ここで知っておきたいのが、失業手当の基礎知識。

会社員になると、雇用保険という公的保険に加入しますので、

12か月以上、雇用保険に加入していた人であれば、自己都合で退職した場合でも失業手当を受けることができます。

 

ここまではいいのですが、

この失業保険、会社を辞めたらすぐにもらえるわけではないんです。

 

まずは、離職票を提出してから7日間の待機期間というものがあります。

自己都合退職の場合は、7日間の待機期間後、さらに3か月間は給付制限期間となっているので、支給を受けることができません。

 

再就職先を探すとなれば、交通費等の必要経費もかかりますよね。

それも踏まえつつ、4か月分の生活費があれば、失業保険を受けるまでの生活は何とかなると言えるでしょう。

このように、いざという時に自分が行きたい道を選びやすい状態が作れていると、安心感につながります。

こういう意味を持たせておくと、貯めようかなという気にもなりやすいですしね 😉 

 

まとめ-一定の貯蓄を持つことが、お金を集める力になるという現実

一定の貯蓄を持っている人ほど、お金が集まる仕組みが作りやすい。

厳しいようですが、これが現実だったりします。

 

こういう表現をしてしまうと、

  • もともとお金持ちのヤツはいいよなぁ。
  • お金がない人は、一生お金に恵まれないってことなの?

そんな気分になりますよね。

 

ただ、収入が多い=お金持ちとは限らないのも事実です。

入ってくるお金は多くても、なんだかよく分からないところにお金を使ってしまい、結局手元には残っていない・・・という人もいらっしゃいます。

 

  1. 先取り貯蓄をはじめ、コツコツと一定額を貯めていく
  2. 生活費のムダをなくし、メリハリある支出にする
  3. 会社からの給料以外の収入源を作る準備をする
  4. 自分への投資も、しっかりと行う

 

これを意識して行動していけば、だんだんお金が集まってきます。

そして、集まってきたお金たちを、上手に動かすことができるようになります。

 

 

1つの目安として、手取り収入の2割程度を貯蓄へ回してみてください。

(奨学金の返済がある場合には、予定額の返済が優先です)

 

そして、それとは別に、手取り収入の5%くらいは、読書とか新たな体験とか、自分への投資に充ててみてください。

 

 

きちんとお金を貯めることも大事ですが、知識や経験を蓄えるのも大事です。

会社という小さな世界だけに染まってしまうと、ものの見方や考え方が広がらなくなります。

 

おもしろいアイディアや創意工夫は、いろんな経験が紐づくことによって生まれてくるもの。

 

私自身のことを振り返ってみても、仕事の効率化や創意工夫につながったネタは、普段の生活から知ったことを紐づけたことによって生まれたものの方が、圧倒的に多いです。

 

一見ムダかなぁと思うことでも、やってみるのは悪くないです。

だいたい、話していて面白い人は、教養や経験が豊富ですからね。

最初はちょっぴり大変かもしれませんが、よいサイクルを作ってお金とともだちになっていきましょう!

 

第4回は、クレジットカードとのつきあい方。

何にも考えずに使いまくると大変なことになりますが、ツボを押さえて活用すると、ポイント還元などでお得に買い物をすることもできるようになります。

やりだすと奥が深いのですが、最初のうちはシンプルに恩恵を受ける程度で。

興味がわいてきたり、自己管理ができると自信が持てたら、カードの組み合わせ方や目的に応じた使い分けを広げていけばよいでしょう!

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大空みさき
はじめまして、大空みさきです。

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ふつうの会社員だった私が、生命保険の値上がり宣告をきっかけにFPの資格を取って、たどり着いた結論です。

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保有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / AFP(日本FP協会登録)/ 宅地建物取引士

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