しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
教育費を貯める手段として、預貯金の他に、
- ジュニアNISA
- 学資保険
- 低解約返戻金型終身保険
- 教育資金の一括贈与の非課税制度
などをご紹介してきました。
どれも一長一短ですし、ご家庭の状況に応じて教育資金の準備方法はケースバイケース。
これならだれでも大丈夫! という答えはありません。
お金の問題というものは、個人の性格や家族の状況にも左右されますので、自分にとって最善の方法は、自分で見つけるしかありません。
それでも、サンプルケースを見ておくことで、考えがまとめやすくなることがあります。
試しに、考え方をまとめておきたいと思います。
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STEP1 贈与の有無を把握し、計画に組み込む
まずは、ご両親で教育方針のすり合わせをしておくことが大事ですが、祖父母からの援助があるかどうか、援助がある場合には、どのように運用していくかを考えてみましょう。
そのためには、祖父母としっかり教育方針について話し合う必要があります。
祖父母に依存するような状況もあまり望ましくはありませんので、祖父母の意向を重視し、贈与を強要するようなことは避けてください。
その際、祖父母のライフプラン(老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入る意思があるのか、貯蓄の状況)などをしっかり確認し、祖父母のライフプランの面で無理がないかも一緒に考えてあげてください。
そのうえで、贈与を受ける場合には、次の2パターンから選ぶといいでしょう。
教育資金の一括贈与の非課税制度を利用する
まとまった金額の贈与を希望されている場合には、検討対象です。
2019年3月末には制度が終了する予定でしたが、2年間延長の方向性が決まっています。
ただし、延長後の条件は少し厳しくなっていますので、ご自身が該当するかどうかは確認しておいてください。
この制度、正直なところ向き・不向きがありますし、しっかり制度を把握しておかないとお互いに嫌な思いをする可能性もあります。
制度のメリット・デメリットなどの詳しい情報は、こちらをご覧ください。
年間80万円以内、トータル400万円以内の贈与を受けて、ジュニアNISAで運用する
現在は、金利が低下している局面ですので、増やすことを意識する場合には、投資商品の利用を考える必要があります。
一方、教育資金は必ず必要になるお金ですので、投資の経験が少ない方は、勇気がいるかもしれません。
その場合、ご自身で貯蓄する分は、預貯金などの無リスク資産にしておき、贈与を受けた分で運用を行うというのが、気持ちの面でもやりやすいと思います。
ある程度まとまった資金を運用に回せるのであれば、ジュニアNISAの活用がいいでしょう。
ジュニアNISAの特徴は、こちらを合わせてご覧ください。
ジュニアNISAで運用する場合、リバランスをすること自体は可能なのですが、買いなおした分も非課税枠を消費してしまうので、もったいないのが正直なところです。
そのため、ジュニアNISAの分は、他の金融資産とは切り離し、バランス型のインデックスファンド1本を使って運用しておくという方法を取るのもいいでしょう。
バランス型のインデックスファンドとは、ファンド側が決められた資産配分でリバランスをし続けるものです。
- シンプルな4資産配分型(国内債券・国内株式・先進国債権・先進国株式 各25%)
- 国内外のREITも含めた6資産配分型((国内債券・国内株式・先進国債権・先進国株式・国内REIT・先進国REIT 各16.7%)
など、さまざまな配分方法がありますので、ご自身の取りたい資産配分に応じたものを探します。
あとは、その中から信託報酬が低いものを選んでおき、当面はほったらかしにしておくという方法です。
個別のファンドに自分で分散投資をするよりは、信託報酬は高くなってしまいます。
ですが、手間もかからず、リバランスの効果が得られますので、上限枠めいっぱいを使うご予定の方にはおススメの方法です。
もう1つ、ターゲットイヤー型のファンドを活用する方法もあります。
事前に定められたターゲットイヤーに向けて、徐々に株式の組み入れ比率を下げていき、受け取り時までに現金化してくれるタイプの投資信託です。
参考:フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド ベーシック2040(つみたてNISA対象ファンド)
信託報酬は若干高めですので、手間を取るか、コストを取るかという選択にはなってくるでしょう。
それでも、自動的に現金化してくれた方が安心と言う場合には、検討の対象に含まれてきますね。
投資は、早めに始めれば、複利効果の恩恵も長く受けられます。
また、お金を引き出すのは高校3年生の1月までできませんが、値上がりしているタイミングで利益確定をしておくことは可能です。
欲張りすぎずに冷静な対処ができるのであれば、時間を味方につけて増やすことも可能でしょう。
投資ですのでリスクは伴いますが、子どもの金銭教育に使うことも可能です。
もし、祖父母からの贈与を受けられる場合には、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
STEP2 目標額を決め、積み立てを始める
贈与の有無が分かれば、自力で貯めておくべき金額が明確になります。
その際、1つの考え方として、時間の分散をしながら貯める方法があります。
例えば、中学用・高校用・大学用に分けて、計画的に積み立てをしていきます。
仮に、それぞれ月々1万円を積み立てるとすると、
- 中学入学まで用(12年間・144か月) 144万円 →中学の費用にあてる
- 高校入学まで用(15年間・180か月) 180万円 →高校の費用にあてる
- 大学入学まで用(18年間・216か月) 216万円 →大学の費用にあてる
- 児童手当は、全額積み立て 約200万円 →大学の費用にあてる
このプランの場合、中学入学までは、月々3万円を、高校入学までは、月々2万円を、大学入学までは月々1万円を貯めていくという考え方になっています。
高校生になると、部活の遠征など行動範囲が広がり、出ていくお金も増える傾向にあります。
一般的には子どもが小さい時(0歳~10歳)が貯め時と言われていますので、スタートラインを多めに設定しています。
ですが、保育園や幼稚園の費用がかかる、私立中学に進学するなどの状況によっては、貯め時は変わってきますので、個々の状況に応じて調整が必要です。
まずは、ライフプランをしっかり把握し、無理なく貯められるルールを考えてみましょう 😉
STEP3 積み立ての方法を決める
インフレリスクにも対応することを考えると、10年以上の時間をかけられる資産については、一部を運用に回してみてもいいでしょう。
既に、祖父母からの贈与により、ジュニアNISAで運用をされている場合には、ご自身で積み立てる分は、預金や保険、個人向け国債などの無リスク資産で貯めておくのがいいですね 😉
全て自力で積み立てる場合には、一部だけ投資を活用するのもありでしょう。
預金や保険などの無リスク資産で6~7割を、積立投資信託などのリスク資産で4~3割を1つの目安にしつつ、ご自身のリスク許容度に応じて配分を決めてみてください。
リスク資産で投資をする場合は、欲張りすぎずに早めの利益確定を!
一番最後に必要になる、大学進学資金の一部を運用に回すのが、時間を味方につける意味でも望ましい方法です。
その際、資産配分(アセットアロケーション)は、あまり攻め型にはしないでおくのがいいでしょう。
4資産(国内債券・国内株式・外国債券・外国株式)のバランスを決めて、運用をしておくのが無難です。
資産配分(アセットアロケーション)の考え方は、こちらを参考にしてみてくださいね。
ジュニアNISAを使う場合には、5年間しか非課税期間がありませんので、もっと長期にわたって非課税での運用をしたい場合には、つみたてNISAを利用する方法もあります。
教育資金以外の余裕資金でも積立投資をしたい方は、両方を組み合わせて利用するといいでしょう。
なお、教育資金として運用をしている分については、
- 目標額に達したら、利益確定する
- 大学進学の3年前くらいからは、長期相場の動向をみておき、早めに利益確定をする
など、安全第一での調整を強くおススメします。
投資は、毎年○%ずつが均等に増える・・・というものではありません。
使うタイミングのギリギリになったときに、たまたま暴落期が重なる可能性も、十分にあります。
そこまで行ってからでは調整不能ですので、あまり欲張りすぎずに、早めの利益確定を意識しておくことが大事です。
無リスク資産の選び方
何かあったときに使えるように、預貯金などの引き出しがしやすい資産は必ず準備しておきましょう。
また、個人向け国債(変動10年)は、購入後1年を経過すれば、中途換金が可能です。
中途換金をしても元本割れの心配がありませんので、あわせて活用してもいいですね。
学資保険または低解約返戻金型終身保険を利用する場合には、無理のない範囲で、預貯金や個人向け国債等での備えと併用するのが望ましいでしょう。
学資保険、低解約返戻金型終身保険ともに、途中で解約すると元本割れするリスクがあります。
満期までしっかりと掛け金が支払える金額にしておくこと、他に預貯金もしておくことが大事です。
くれぐれも、保険だけで備えることにならないように、注意してくださいね。
保険を使って備えたい場合には、こちらもあわせてご覧ください。
無リスク資産での積み立て方法としては、
財形貯蓄(住宅財形)を活用する
職場で手続きをすると、給与天引きで貯蓄ができるので、確実に貯められます。
一般財形の場合には、特に恩恵はありませんが、住宅財形の場合、積立から5年が経過した分であれば、住宅以外の目的で引き出しをしても非課税となります。
非課税の恩恵を受けるうえでは、あえて住宅財形を使っておくのがいいでしょう。
自動積立定期預金を活用する
これも、積み立てを自動化するのが目的です。会社に財形貯蓄がない場合には、銀行の自動積立預金を活用するのも1つです。
ただし、強制的に貯蓄に回るので貯めやすいという利点だけです。利息はほとんどつきませんので、増やすという目的ではありません。
ネット銀行などで、利率がいい銀行へ預金をしておく
ある程度積み立てが進んだら、ネット銀行の金利がいい定期預金に移しておくことで、若干ですが増やすことが可能です。
例えば、楽天銀行の場合、楽天銀行の口座と楽天証券の口座を持っていて、マネーブリッジの申し込みをしておけば、普通預金の金利が0.1%に跳ね上がります。
もちろん、私も活用しています 😉
投資をする場合、商品数や手数料の安さから、金融機関選びは、SBI証券と楽天証券のほぼ2択となります。
そういう意味でも、楽天証券の口座を持っておいても、決してソンはないでしょう。
普通預金なので、使っちゃうのが怖い・・・という方には向きませんが、普通預金の100倍、定期預金の10倍の利率は魅力的です。
預金で持っておく際には、検討の対象にしてみてもいいと思います。
まとめ-増やすことよりも、きちんと貯め続けることに重点を置こう
どうしても、お金を増やすことに目が行きがちですが、教育資金は必要なタイミングがはっきりしているお金です。
使うべきときに、必要な金額が確保できていることが、何よりも大事です。
増やすことよりも、しっかりと期日までに貯めることを意識して、ルールを決めておいた方がいいでしょう。
大学入試への出願、合格後の入学手続金など、高3の冬からはまとまったお金が必要になります。
入学手続金などは、決められた期日に納められなければ、一切待ってはもらえません。
期日の1週間後に入ってくるお金では、意味がない・・・なんてことがあるんです。
お金の問題は、100人いれば100通りの考え方があります。
個々人にあった適切なアドバイスを受けようと思ったら、金融機関に所属していない、独立系のFPなどで、信頼のおける人を探すしかありません。
それはそれでお金がかかりますし、何よりも信頼できるFPを探すのも難しい💦
お金をかけないのであれば、自分で勉強して判断するしかないのです。
その時に、ゼロから考えるのと、サンプルや目の付けどころを見てから考えるのでは、効率が違います。
ここでまとめたことが、皆さまが考えるヒントにつながればと思っています 😉
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