しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
2018年5月10日に、丸井グループが新たに証券会社を設立することを発表しており、その後の情報に注目していました。
7月26日に、丸井からプレスリリースが発表され、2018年9月から、tsumiki証券として、事業を始めることが分かりました。
つみたて専門という、ちょっと変わった証券会社です。
今後、エポスカードユーザーにはご案内のDMが行くのだろうなぁと推測しています。
そこで、現時点で分かることを踏まえて、いろいろ考察していきたいと思います。
エポスカードは、若い方や女性のユーザーが多いです。
なんとなく、勢いで積立投資を始めてしまうことがないように、しっかり情報収集してから判断してくださいね!
スポンサーリンク
プレスリリースから見る、新証券会社の特徴は?
丸井グループのプレスリリースを全体的に見てみると、ターゲットは、将来の蓄えを重視する若年層ということが分かります。
丸井グループが発行しているエポスカードは、2018年3月末時点で会員が657万人いるそうです。
そのうち、約半数が20代~30代、約7割が女性という構成比率です 😯
このように、若年層のエポスカードユーザーをたくさん抱えている丸井グループですから、当然彼らの取り込みを目指しています。
そのため、tsumiki証券の最大の売りは、クレジットカードで投資信託が買えるということです。
実は、これって日本初の試みなんですね。
例えば、すでに楽天証券では、楽天カードでの投資信託買い付けが可能なのですが、クレカのポイントは付きません。
クレジットカードを経由して引き落とすというだけで、正式には「クレジットカード払い」ではないという意味合いだと考えてください。
この証券会社は、つみたてNISA対象の投資信託を、エポスカードの1回払いで購入できるようにすることで、長期の資産形成を応援するという目的をかかげています。
積立額は月々5万円が上限で、3,000円から購入可能。他のお買い物ものなどの利用代金と一緒に、毎月銀行口座から引き落とされます。
もちろん、エポスポイントもつきますが、ポイントのレートがどうなるかまでは、現状では発表されていません。
年間のつみたて金額や、つみたて期間に応じて、ポイントが決まるようです。
その他の特徴としては、
- マルイの店頭で投資初心者向けの入門セミナーやフォローセミナーを開催
- 丸井グループ社員によるお金に関するご相談窓口や口座申し込みサポート
- Webと店舗を融合したサポート
- つみたてNISAの口座開設も、もちろん可能。
一見、初心者としては、安心して利用できそう・・・・な気がしてきますけど・・・・
運用商品のラインナップを見てみよう
正直に申し上げますと、なんでこのラインナップ??? という感想でした。
なぜなら、全てアクティブ・ファンドだから。
- コモンズ投信 コモンズ30
- セゾン投信 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- セゾン投信 セゾン資産形成の達人ファンド
- レオス・キャピタルワークス ひふみプラス
5月の時点で、商品を3~4本に絞るという情報がありましたので、インデックス・ファンド4本(国内債券・外国債券・国内株式・外国株式)になるといいなと思っていました。
まあ、アクティブ・ファンドが入るにしても、インデックス2本、アクティブ2本とか、選択の余地は残るかと。
結果として、全てがアクティブ・ファンドだったというのは、残念でなりません。
決して、これらの個々のファンドが悪いという意味ではありません。
おそらく、多くの投資初心者が利用するであろう制度なのに、選択の余地がないことが残念なのです。
いいアクティブ・ファンドを選ぶのって、なかなか上級者向けだと思うんですよね・・・
そんな感想を持っていました。
ただ、その後に判明した情報を見て、度肝を抜かれます。
【ブログを更新しました!】 #はてなブログ
【店頭でオマモリを購入!?】マルイtsumiki証券の斬新すぎるビジネスモデルに度肝を抜かれた件。 – 億万長者になりたいの。https://t.co/TteWDP9dfU— 九十九@億万長者になりたいの。 (@okuotoko99) 2018年7月27日
えっ???
オマモリですって???
きんゆう女子のサイトに、記者会見の取材レポが載っています。
丸井グループの証券会社、tsumiki証券(予定)の取材レポ♪
tsumiki証券の口座を開設する際には、まずこのオマモリを買うところから始まります。
オマモリのQRコードを読み込んで、スマホで口座開設。
つまり、投資をショッピングに変えちゃおうという作戦なのですね。
丸井の店頭に、オマモリをディスプレイしておいて、興味を持ってもらうきっかけにする。
新しすぎます・・・
何かのきっかけで知識を得て、自力でネットや本で情報収集してみよう! みたいな人は、最初からターゲットにしていない感じです。
実は、金融庁が主催する「つみップ」というイベントに参加して、
つみたてNISAも投資信託も知らない人が、6割を占め、特に若い女性ほど認知度が低い。
そんな調査結果を目の当たりにしたばかり。
こういう現実を踏まえて、知らない人にしってもらうという切り込み方を狙ったんだなぁと感じています。
凝り固まった発想で、物事を見てはいけないですね。
すごく面白い発想であるからこそ、いったい、どんなセミナーが行われるのか、リスク等も含めてどんな説明が行われるのか、この点は非常に気になるところです。
5月時点の情報をおさらい
今回のプレスリリース以外に、5月の時点で新聞やネットニュースで出ていた情報のうち、まだ確定情報がつかめていないものは、こちら。
- 毎月エポスカードで支払い続けると、エポスゴールド会員になれる確率が高まる。
- ポイントで投資するサービスも検討中(年内には可能にしたい)。
これら2項目に関しては、プレスリリース等では触れられていませんので、今後の続報を待つことになります。
ビジネスとしての狙いはどこにある?
つみたてNISAは、信託報酬という手数料が安い商品です。
そのため、手数料を収入減にしている金融機関としては、あまり積極的に扱いたくない商品です。あまり大々的に宣伝されていないのは、そのためですね 😡
そんな「つみたてNISA商品に特化」はしたものの、やはりある程度の手数料収入が必要ということもあって、アクティブ・ファンドが選ばれたものと考えられます。
あとは、つみたてNISAを扱いながらも差別化をし、理屈ではなく感性に訴えかけることで、特に女性の取り込みを狙っていくために、コスト主義よりもファンドの理念を前面に出す方法を取ったのだろうと。
既存の証券会社とは、全く違うフィールドで勝負をすることで、利益を出していこうという考え方なのだと推察します。
もうひとつ、投資信託の利用で、ゴールド会員になれる確率が上がる(予定)といのも、大きなポイントだと思います。
エポスゴールド会員は、通常ですと年会費が5,000円かかります。
ただし、インビテーションを受けてゴールドカードを発行された場合には、年会費が永年無料です。
だったら、インビテーションをもらったら、切り替えちゃいますよね!
ポイントの有効期限がなくなりますし、ポイント還元率もあがりますので、ユーザー側はメリットが多くなります。
ゴールドカードになれば、ショッピング枠も増えていますので、エポスカードを使った買い物の機会が増えることが期待できます(ポイントも貯まりやすくなるし)。
カード会社としては、ショッピングが増えれば店舗からの手数料収入が増加します。
おそらく、カードをコンスタントに使うユーザーの囲い込みによる、(店舗からの)カード手数料収入増加も想定しているのでしょう。
また、ものだけを売る百貨店事業が生き残れるかという経営課題もあり、丸井の店舗に付加価値を持たせる狙いもあるようです。
丸井グループでは一定数のFP(ファイナンシャル・プランナー)を抱えていて、そのFPの育成教育も行っているとのことです。
こうしたFPを店舗に配置し、お金の相談に乗ったり、初心者向けのセミナーを行うことで、店舗に足を運んでもらい、カフェやレストランなど、他店舗への誘導や来客者数の増加も目指す。
そういう意味では、ユーザーにとってはメリットがありそうな一方、調子に乗って買い物をしすぎることに注意が必要そうです。
クレカ投資を利用する前に、考えて欲しいこと
最近は、預金より投資っていう言葉もちらほら聞かれますし、興味をお持ちの方は増えてきているのかなと思います。
“預金より投資” ではなく、預金も投資もバランスよく。
そして、何よりも、生活防衛資金をきちんと貯めておき、投資の理屈やリスクについて、ある程度腹落ちしてから始めないと、長期間保有しつつけることが(精神的に)難しくなってきます。
カードで投資ができるって言われたら、投資するだけで、ポイントも付くなんて、お得だね!と、軽い気持ちで飛びついてしまいがち。
きっと、エポスカードユーザーには、サービス開始のDMが届いて、「無料セミナーのご案内」があったり、セミナーに参加するとプチ特典があったりするのかなぁと想像しています。
本当に投資をするつもりがあるのなら、選択肢の1つとして検討しみるといいですね。
ですが、気軽に始められる分、ちゃんと投資のリスクや本質を理解しないままに始めてしまい、後でびっくりする方が出なければいいなぁと感じてもいます。
今はまだ、細かい部分が具体的に出てきていませんが、利用を始める前には、「本当に自分にとって必要なのか?」をよく検討してから決めていただきたいと思います。
そして少なくとも、次のことは最低限理解してから、投資の世界へ足を踏み出して欲しいです。
まずは、支出を抑える → 収入を増やす → お金に働いてもらう の順序が大事であること
生活のために必要な資金を、しっかり蓄えておき、投資は、余裕資金で行うこと
投資をする場合には、資産配分が大事なこと
投資のリスクとリターンの関係を理解すること
そのうえで、投資をする!と決めた場合には、他の証券会社(ネット証券)とも比べてみたうえで、総合的に判断してください。
ポイントは付いたとしても、それ以上に手数料が高かったら意味がありませんね。
しかも、ポイントは投資元本には含まれませんから、複利効果は得られません。
そして、もし初心者向けセミナーや、個別相談を受けた場合には、その場で即決せずに、一度持ち帰ってしっかり考えることをお薦めします。
投資のやり方が分からないという方へ、後押しをすることは大事です。
ですが、そのためには、いいことばかりではなくて、デメリットや注意点も含めて説明してもらえることが前提です。
セミナーなどでお話を聞くと、その内容によっては、バラ色の未来が待っているように感じてしまうかもしれません。
そういう時ほど要注意。
物事には絶対にメリットとデメリットがあります。
すぐに飛びつくのではなく、時間をおいて冷静に判断するクセをつけておくといいですね。
まとめ
なぜ、中途半端な情報の段階で、このブログを書いたかというと、ターゲットが若い方に設定されているからです。
日本では、しっかりと金融教育が行われているわけではありませんし、何も前提知識がない状態だと、勢いや流れで投資を始めてしまう可能性があります。
若い方がお金の知識をしっかりと持ち、投資に踏み出すのなら、ぜひ応援したいです。
そのためにも、「何となく」で始めてほしくないと思います。
まずは、自分が投資を始めるタイミング(状況)なのかを、しっかりと見極めてみましょう。
そのうえで始める場合には、正式な情報が出たら、他の証券会社と比較してみてくださいね。
もしも、お試し投資にチャレンジしてみたいとお考えの場合、1つヒントとなる方法を考えてみました。
よかったら、参考にしてみてください 😉
スポンサーリンク
スポンサーリンク