しがらみゼロのFPブロガーMisaki(@fpmisaki2)です。
iDeCoのことを理解して、はじめてみようと思ったけれど、どうやって加入先を決めればいいんだろう? と悩まれる方もいらっしゃると思います。
iDeCoでの運用のカギを握るのは、ずばり手数料!
金融機関に払う手数料や、運用商品を買ったり持ち続けたりするうえで必要になる手数料・・・タイプの違う手数料が出てきて、混乱しがちです。
iDeCoにまつわる手数料の基礎知識を確認し、金融機関や商品選びに、役立てましょう。
スポンサーリンク
iDeCoをやるなら、絶対に知っておくべき「口座管理手数料」の仕組み
iDeCoに加入した場合、投資信託などの金融商品を買うための手数料とは別に、口座管理をするための手数料がかかってきます。
iDeCoの管理に関わる組織は、3種類出てくる
iDeCoの資料を読んでいると、いろんな組織が登場してきて、頭がごちゃごちゃになりがちです。
まずは、国民年金基金連合会、事務委託先金融機関、運営管理機関、という3つの組織の関係性を確認しておきましょう。
国民年金基金連合会
忘れてはならないのは、iDeCoは年金であるということです。
そのため、国民年金基金連合会が口座を開設し、管理しています。
ですが、国民年金基金連合会が、加入者全員の個人資産をせっせと運用できるかというと、それはちょっと無理な話。
そこで、個人別資産の管理については信託銀行に移管しています。
事務委託先金融機関(=信託銀行)
あまり、私たちの目には見えにくいですが、国民年金基金連合会に変わって、信託銀行が管理業務をしているわけです。
信託銀行は、加入者ごとに拠出されたお金を受け入れ、運用する商品を提供する金融機関と契約を結んだり、給付金を支払ったりするなどの管理事務を行っています。
運営管理機関(=銀行や証券会社)
実際に運用実績の管理・記録をしたり、運用商品を選ぶために必要な情報を提供するのが、証券会社や銀行などの金融機関です。
ひと言で言えば、iDeCoの商品を売買するための窓口。
なので、私たちは、金融機関(銀行や証券会社)を通して加入手続きを行います。
このように、関係者が多いので、それぞれの関係者ごとに手数料が発生してしまいます。
手数料には、最初に加入するときだけかかる手数料と、加入し続けている限り、ずーっと発生する手数料の2種類があります。
加入時手数料
- 国民年金基金連合会: 2,777円
- 運営管理機関: 金融機関による
※事務委託先金融機関(=信託銀行)への手数料は、加入時には発生しません。
毎月の口座管理手数料など
- 国民年金基金連合会: 103円
- 事務委託先金融機関: 64円
- 運営管理機関: 金融機関による
これは、iDeCoの管理に必要な手数料です。預金などの元本保証型商品だろうが、投資信託だろうが、関係なく一律でかかります。
この他に、投資信託を買う場合には、別途信託報酬などの手数料がかかります。
この話は、後半でまとめますね 😉
そして、
これらの手数料が差し引かれた残りの金額が、投資信託や定期預金に回ります。
最初から差し引かれて運用されるため、ちゃんと自分で意識していないと、いくら支払ったんだか見えにくいという特徴があります。
運営管理機関(=銀行や証券会社)の手数料がカギとなる
最初から引かれる手数料が決まっている分は、工夫のしようもありません。
ですが、ここでポイントになるのが、運営管理機関 つまり 金融機関が独自に定める手数料です。
これが、けっこうバカにならない 😥
iDeCoナビでは、金融機関の口座管理手数料が比較できるようになっています。
ちなみに、iDeCoナビにおける「運用期間中にかかる費用」には、絶対に必要になる103円+64円も含まれて表示されています。
つまり、167円となっている金融機関は、運営管理機関独自の手数料が0円ということです!
比較していただくとわかりますが、選ぶ金融機関によって、金融機関独自の手数料が0円のところから450円のところまで、大きく差があります。
ちなみに、月額450円の手数料を25年間支払うと、135,000円。
ぞっとしますね 😡
ちりも積もれば山となる! 手数料の高い金融機関を選んでしまうと、最初から不利な条件になってしまいます。
金融機関を決める時には、口座管理手数料は非常に重視すべきポイントだと言えますね。
なるべく長くつきあえる運営管理機関を選んでおこう-移管にかかる手数料もある
それなら、手数料が安いところから適当に決めればいいか!
イヤになったら、どんどん乗り換えればいいんでしょ 😉
そういうわけではありません。金融機関を変更するのも、それなりのリスクがあります。
一度運営管理機関を決めてしまうと、他の金融機関に移管する場合には、移管先の運営管理機関に対して、移管時手数料がかかります(1回 2,777円のところが多いです)。
さらに、投資信託をそのまま移し替えることはできないので、一度運用資産が現金化されて、新しい運用機関で買いなおすこととなります。
そのため、売買のためのコストがかかり、さらに買い付けまでの時間もかかりますので、その間に株価が大きく動いた場合などは、値上がりの機会を逃してしまう可能性もあります。
総合的に考えて、金融機関を変更した方がいい場合もありますので、絶対に変更してはいけないということではありません。
ですが、なるべくなら同じ金融機関で長く運用できるように、口座管理手数料以外の部分もしっかり確認してから、スタートラインに立ちましょう。
預金か株式か・・・どんな商品で運用したいかは、口座管理手数料も踏まえて考えよう
iDeCoで買うことができる商品は、金融機関によって異なります。
そのため、自分が運用したい商品がある金融機関を選ぶことが大事になってきます。
まずはどんな商品で運用するかを考えてみましょう。
もちろん、定期預金や保険などの「元本保証型」商品もあります。
元本割れが怖いからと、定期預金にされる方もいらっしゃいますが、冷静に考えてみてください。
一番安い口座管理手数料になるように、金融機関を選んだとしても、年間2,004円は出て行ってしまいます。
年利0.01%で利息を2,004円確保するには、定期預金元本が2,004万円も必要です 😯
つまり、今の超低金利時代においては、定期預金では確実に元本割れをおこしてしまうのです。
元本保証型の商品を選んだはずが、元本割れを起こすリスクが高いという悲しさ 😥
iDeCoは運用中の利益が非課税になること、運用益の分も再投資されるので、複利効果があることが大きな特徴でしたよね。
さらに、時間をかけて少しずつ積み立てることによって、値動きに対するリスク低減の効果もあるのが特徴です。
毎月、購入する金額を固定して、投資信託を買った場合、
- 値段が上がったときには少ない口数
- 値段が下がったときには多い口数
投資信託を購入することができます。
値下がりしたときは、口数を増やすことができるため、ピンチがチャンスになります。
この方法は、ドルコスト平均法と言って、投資のプロではない私たちが、リスクを減らして資産を運用する上では、分かりやすくて取り入れやすいものです。
ドルコスト平均法について、もう少し詳しくまとめた記事はこちら!
もちろん、大きなリターンを期待する場合には、「下がったときに買い、上がったときに売る」のが鉄則です。
そのタイミングを計るために、様々な情報を駆使して相場を読むこともできるかもしれません。
ですが、そこまでの知識を得て、成功できる方はごくわずか。
普通に生活している人が、心臓に負担をかけすぎず(日々ぐっすり眠れる範囲で)、それなりのリターンを得るという目的においては、有益な方法がドルコスト平均法。
みなさんは、60歳になるまで使わない予定の、「余裕資金」を iDeCoに振り分けているはずですね。
複利効果や運用益の非課税、ドルコスト平均法など、運用のリスクを下げる手段がいくつも盛り込まれているありがたい制度ですので、iDeCoで運用をする場合には、積極的にインデックス投資にチャレンジしてみてください。
投資というものへの理解も深まりますし、増える喜びも感じられると思いますよ!
私も2017年度の改正で加入ができるようになったので、運用を始めています。
もちろん日によって上下していますし、始めて数年での額面には意味がありません。
今のところ、年利4%くらいで回ってくれたらいいかなと見込んで運用しています 😉
運用商品を選ぶときも、運用にかかる手数料は要チェック
しつこいようですが、運用する商品を選ぶ際にも手数料が大事なポイントになります。
iDeCoの場合、ちゃんと選ばないと、地雷商品と呼ばれる、手数料が高いものを引き当ててしまう可能性がありますので、注意が必要です。
販売手数料がかからない、ノーロード投信を狙え!
金融商品の手数料は、基礎知識がないと分かりにくいところがありますので、しっかり理解をしておかないと、損をします。
まずは、投資信託にかかる手数料の種類を確認してみましょう。
- 販売手数料 = 投資信託を買う時にかかる手数料
- 信託報酬 = 運用するための必要経費(日々発生)
- 信託財産留保額 = 解約や売却をするときにかかる手数料
これらが差し引かれていきます。
ちなみに、投資信託の基準価額(=1口あたりの時価)というのは、信託報酬が引かれた後の金額です。
引かれた後の結果が提示されますので、いまいち実感できませんよね・・・
払っているという感覚は分かりにくいのですが、これらの金額が高いか安いかは、運用の成果に大きな影響を及ぼします。
販売手数料が無料の投資信託を「ノーロード」と言います。
最初はノーロードのものから商品を選ぶことにしておきましょう。
投資信託の ”基準価額” の考え方を深掘りしたい方は、こちらをチェックしてくださいね。
信託報酬が安い、インデックス・ファンドから始めよう!
またカタカナ名が出てきましたが、お付き合いください 😉
インデックス・ファンド(パッシブ型投資信託)とは
例えば、国内の株式なら日経平均(日経225)や、TOPIX(東証株価指数)などの株価指数といったものの動きと連動するように、個別投資先の内容を決めて運用しているファンド(金融商品)のことです。
市場の平均を目指しているわけですから、リスクは低めで低コストが特徴のファンドです。
アクティブ・ファンド(アクティブ型投資信託)とは
こちらも、ベンチマークは設定しますが、ベンチマークを上回る成果を出すことを目標に運用されているものです。
高い収益性を目指すため、ファンドマネージャーなど専門家がプロの視点から銘柄選定を行っています。そのため、信託報酬は高めの設定となっています。
こうした違いを押さえたうえで、最初の選び方としては、手数料が安いインデックス・ファンドを探します。
詳しい選び方は、こちらの記事を読んでみてくださいね。
おわりに-基本を知ったら、自分の目で確かめよう
手数料が超重要だということは、お分かりいただけたかと思います。
Web検索をしたり、本を読めば、さまざまなおススメ商品や金融機関が出てきます。
それらを見たうえで、iDeCoナビや金融機関のサイトで、自分の目で商品を比較して選定してみてください。
- 口座管理手数料が安いか
- 投資信託の手数料が安い商品がそろっているか
- 選びたいインデックス・ファンドがあるか
こうした視点に立って、自分で比較検討をすることで、金融商品を選ぶときに気をつけるべきポイントが見えてくるようになります。
誰かのおススメをそのまま受け入れるだけでなく、自分で一度確認してみる。
それだけでも、マネーリテラシーがぐんぐん上がります。
ちなみに、iDeCoの場合は、少なくとも次の3つの金融機関は比較検討してみましょう。軽くコメントをつけておきます。
商品数が豊富で、信託報酬が安い商品がそろっています。仮にiDeCoでは使わなかったとしても、持っておくと便利な証券会社です。
2.楽天証券口座開設
サイトはSBI証券より使いやすいです。SBI証券よりも商品数は少ないですが、その分最初は選びやすいというメリットもあります。
楽天・バンガード・ファンドが選べる点は魅力です。
(ちなみに私は、楽天証券でiDeCoをやっています。)
SBI証券、楽天証券よりも後発でiDeCoを導入しました。
運用商品は少なめですが、eMAXIS Slimシリーズという、低コストのインデックス・ファンドを取り入れているのは魅力です。
最初はちょっと大変だなぁと感じるかもしれませんが、準備が終われば、その後の手間(=作業)はほとんどありません。
ちょっとだけがんばって知識を取り入れていただき、ぜひ、iDeCoを上手に活用してくださいね。
スポンサーリンク
スポンサーリンク